Hondaのロードスポーツを語るうえで、決して外すことのできない存在──それが『CB』です。1959年に誕生したベンリイCB92 スーパースポーツを起点に、その名は60年以上にわたって受け継がれてきました。時代ごとに排気量もスタイルも進化しながら、CBは常に「ホンダの考えるロードスポーツの理想形」を体現してきたのです。
CBというネーミングの由来には諸説ありますが、Cは『MOTOR CYCLE』、Bは『for CLUB MAN RACER』を意味すると伝えられています。その名のとおり、速さだけでなく操る楽しさ、所有する誇りを重視してきたのがCBシリーズの本質。サーキットからワインディング、街中まで。CBはいつの時代も「走ること」そのものの魅力を、ライダーにまっすぐ伝えてきました。そんなCBシリーズの歩みを2回に分けて振り返っていきます。第二回は401㏄以上の代表的なモデルをピックアップします。
401㏄〜750㏄以下のCBの名を冠するモデルたち
1965_DREAM CB450

1960年、HondaはCBシリーズの先駆けとなるドリームCB72スーパースポーツ(250㏄)を発売。スピード感あふれるスタイリングと高性能エンジンで国内外のバイクファンを魅了しました。その人気に後押しされ、さらに排気量を拡大したCB77(305㏄)がすぐに追加されました。しかしアメリカでは、当時主流だった欧州メーカーの500〜650㏄モデルに対抗するためのモデルが社内から求められていました。その声に応える形で、新たなバイクの開発がスタートしました。
1965年、Hondaはその技術力を結集したドリームCB450を発表しました。空冷4ストロークDOHC並列2気筒・450㏄エンジンを搭載し、43psの出力を8,500回転で発揮。このエンジンは、当時の欧州500㏄車をしのぎ、最高速度は180㎞/hに達する高性能を誇りました。アメリカ市場では高い評価を受けましたが、広大なアメリカの道を走るには、そのパワーよりもトルクが求められており、販売は思ったほど伸びませんでした。
アメリカからはもっと大排気量で余裕のあるロードスポーツが提案され、これが後のドリームCB750FOURの開発につながります。その一方でCB450は1968年にフルモデルチェンジを受け、その後も熟成が進められ、ロードスポーツファンに愛される存在となりました。
1969_DREAM CB750 FOUR

1965年、ドリームCB450はアメリカ市場で期待された販売成果を上げることができませんでした。販売不振の原因を探るべく、本田技術研究所のメンバーは1967年秋にアメリカ市場調査に渡米し、アメリカンホンダのメンバーと共に打開策を検討。その結果、アメリカンホンダから出された要望は『排気量750㏄』『4気筒エンジン』『4キャブレター』『4本マフラー』という非常に高い性能で、最高速度は200㎞/h、0→400m加速は13.2秒という当時の技術力では非常にハイレベルな内容でした。
この要望を受けて、1968年2月、Hondaは本格的な設計を開始。日本のエンジニアは、アメリカ市場の好みに合わせたダイナミックな車格と強大なパワーを持つ750㏄エンジンの開発に取り組みました。Hondaにとって750㏄の4気筒エンジンは未知の領域であり、1966年のロードレース世界選手権で得たノウハウを活かす形で開発が進められました。しかし、既存のタイヤやドライブチェーンではこの強力なパワーに耐えきれないため、新たな部品の開発が必要となりました。
1968年10月、東京モーターショーにて初めて公開されたプロトタイプCB750 FOURは、世界初の4ストロークOHC4気筒750㏄エンジンを搭載。フロントディスクブレーキを装備した革新的なロードスポーツマシンでした。その堂々たるスタイリングと圧倒的な性能に、国内外のバイクファンから驚きと称賛の声が上がりました。
1969年4月、CB750FOURはアメリカとカナダに輸出され、同年8月に日本でも発売されました。瞬く間にそのパフォーマンスと余裕ある走行性能が多くのライダーを魅了し、2気筒が一般的だったロードスポーツの世界に大きなインパクトを与えました。さらに、CB750FOURはモータースポーツでもその実力を証明。1969年8月には鈴鹿10時間耐久レースで本田技術研究所の社員ライダーが優勝。続いてボルドール24時間耐久レースでも優勝を果たし、アメリカ市場ではデイトナ200マイルレースでディック・マン選手が優勝しました。
こうしてCB750FOURは、ツーリングとスポーツの両方を楽しめる万能なバイクとして、多くの国で高い評価を受け、驚異的な販売実績を記録しました。その後、他社も750㏄クラスのロードスポーツを投入し、市場は形成されていきましたが、CB750FOURはその先駆けとなり『ナナハン』という言葉を生み出し、時代をリードする存在となったのです。
1971_DREAM CB500FOUR

1969年に発売されたCB750FOURは、空冷・4ストロークOHC4気筒エンジンを搭載し、そのスムーズで力強い走行性能が世界中のライダーを魅了しました。アメリカ市場をはじめ、ヨーロッパや日本でも大ヒットとなり、スポーツバイクの代表格として圧倒的な支持を得たCB750FOUR。Hondaはその成功を受けて、さらに4ストローク4気筒モデルのラインナップ拡充を進めることになります。
そして1971年、登場したのがCB500FOURです。CB750FOURが十分すぎるほどのパワーを持っていたため、CB500FOURは扱いやすさを重視。出力特性を穏やかにすることで、より多くのライダーが楽しめる仕様に仕上げられました。最高出力は67psのCB750FOURに対し、48psに抑えられ、車両重量は218㎏から184㎏に軽量化。これによってライダーは気軽に走行を楽しめ、穏やかなフィーリングが魅力となりました。
カタログのキャッチコピー「静かなる男のための500」に表現されているように、高性能な4気筒エンジンを搭載しながらも、ジェントルで落ち着いた走行性能を提供。CB500FOURは、より多くのライダーに4気筒エンジンのフィーリングを楽しんでもらいたいというHondaの願いが込められていました。
また、安全性にも配慮し、Hondaでは初めてヘルメットホルダーを採用。日本では当時二輪車のヘルメット着用義務はありませんでしたが「ライダーの安全を守る」という理念から、以後のモデルにも積極的にこの機能が採用されたのです。CB500FOURは、CB750FOURとともにロードスポーツバイクの市場を拡大し、他社のモデルにも大きな影響を与えました。その後、1974年には排気量を拡大し、より扱いやすい走行性能を実現したCB550FOURに進化。その後もモデル更新を重ねながら、多くのライダーに愛され続けました。
1974_DREAM CB500T

1970年代、Hondaは4気筒エンジンのラインナップを強化していく中で、あえて2気筒エンジンを新たにラインナップに加えることを決定しました。それがCB500Tです。CB500Tは、DOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)を採用した空冷4ストロークDOHC並列2気筒エンジンを搭載しており、高い信頼性を誇るメカニズムを持ちながら、静かな排気音と扱いやすい低中速トルクが特徴。走行安定性を追求してフロントサスペンションにバネ下重量が軽いロングストロークのセリア12タイプを採用し、路面追従性のいいリアサスペンション、太いリアタイヤ(3.75S18)を採用していました。
デザインは、渋く落ち着いた雰囲気が漂うものとなっており、タンク、シート、サイドカバーのラインにこだわりを見せています。さらに、低く安定性の高いシートと、操安性を重視したハンドル設計が、ライダーにとって疲れの少ない理想的なライディングポジションを提供しました。
1975_CB750FOUR-Ⅱ/K/EARA

CB750FOURは1969年の発売以来、継続的に改良が加えられ、登場から6年後の1975年、初めてと言える大きなモデルチェンジを遂げました。最大の特徴は、リアディスクブレーキの採用と、これまでの4本出しから一本出しマフラーへの変更です。これにより、デザイン性とともに走行性能も大きく向上しました。加えて、クローズドレシオ5段ミッションや、新設計のエアクリーナー、静かな排気音を実現する集合排気システムなど、エンジン周りの改良も多岐にわたります。
CB750FOURのエンジンは信頼性に定評のある67psのOHCエンジンで、そのパワーを最大限に活かすために、特に4速・5速のギヤ比をクローズドに設定し、スムーズでなめらかな走行を実現。排気ガスの排出増大を防ぐアイドルリミッターや、HCの排出防止機能を搭載した新設計のブリーザーオイルキャッチタンクを装備することで、公害対策にも配慮しました。
フレームまわりでは、剛性が高く軽量なフルダブルクレードルフレームが採用され、フロントフォークやリアサスペンションとの組み合わせで、あらゆる速度での操縦性と乗り心地が向上。加えて、燃料タンクキャップや、安定性を高めたサイドスタンド、軽い力で操作できるメインスタンドなど、使いやすさと安全性が大きく改善されました。
また、1977年にはCB750FOUR-Kが登場し、集合マフラーから4本出しマフラーへと回帰。さらには、EARA(オートマチックモデル)というクラッチレスバージョンが発売され、時代のニーズに応える新たな選択肢が登場しました。
1979_CB650/CUSTOM/LC

ホンダ伝統のOHC4気筒エンジンを626㏄にして搭載。最大出力53psを発揮し、ねばり強いトルクが特徴でした。乾燥重量196㎏と高性能エンジンと相まって俊敏な走りも楽しめました。乗り心地と操安性を追求したFVQタイプのリアショックや、しなやかで高剛性のアルミ製コムスターホイールにチューブレスタイヤを組み合わせるなど、CB500FOURシリーズの後継として1979年に登場しました。
1980年にはCB650をベースにして、アメリカンテイストを盛り込んだCB650カスタムが追加されました。ホイールサイズをフロント19インチ・リア16インチとし、低いシート高やプルバックハンドルが特徴。そして1982年にはアメリカでデザインされたスタイリングに、フロントダブルディスクを採用したCB650LC(ラグジュアリーカスタム)がリリースされました。
1979_CB750F/CB900F

1969年に登場したCB750FOURは、4ストローク並列4気筒エンジンと量産車初のフロントディスクブレーキという先進性で世界に衝撃を与えました。しかし1970年代半ばになると、各メーカーが相次いで4気筒ロードスポーツを投入。とくに欧州では競争が激化し、CB750FOURの圧倒的優位は次第に薄れていきました。
当時のHondaは大型モデルを主にアメリカと日本市場向けに開発していましたが、欧州現地法人からは「ヨーロッパの嗜好に合った、よりスポーティなモデル」を求める声が高まりました。背景にあったのが、ボルドール24時間をはじめとする耐久ロードレース人気である。Hondaは1976年、欧州耐久選手権に参戦。CB750FOURのエンジンをベースにDOHC4バルブ化したRCB1000を投入し、デビューイヤーでメーカー・ライダー両タイトルを獲得。ボルドール3連覇を含む快進撃により、Hondaのレーシングイメージが飛躍的に向上していました。
このレース活動と呼応して誕生したのがCB750F、そしてCB900F。特徴的なのが「フローイングライン」と呼ばれる流麗なスタイリングです。タンク・サイドカバー・リアカウルを一体的に結び、スピード感を強調する革新的なフォルムは、従来のHondaデザインを一新するものでした。エンジンは空冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒。レースでつちかった技術を投入し、750㏄クラスでの主導権奪還をねらったのです。
当初はヨーロピアンテイストのCB750Fと、同エンジンを積むツーリング志向のCB750Kを設定。さらに他社1,000㏄級に対抗すべく、排気量を900㏄に拡大したCB900Fを開発。軽量な車体に高出力エンジンを組み合わせた俊敏な走りは、1,000㏄クラスが主流だった欧州で高い評価を獲得しました。1979年型として投入されたCB900Fは、洗練された外観とDOHC4バルブの高性能で大ヒット。耐久レースの栄光とともに、Honda大型スポーツのブランド価値を大きく押し上げたのです。
一方、日本では排気量の自主規制のためCB750Fを展開し、多くのライダーから支持を集め、熟成が進められました。その一方で、CB750Fをベースにアメリカンテイストに仕上げたCB750カスタムも1981年に追加されています。

1982_CB750F INTEGRA

1980年代初頭、日本ではフェアリングは「高速走行を助長する」として規制されていました。一方欧州では標準装備が一般的で、Hondaは1981年にCB900F2 BOL D’ORを発売。整流効果による疲労軽減と快適性向上をねらった装備でした。
1981年の鈴鹿8耐優勝を機に、CB750F BOL D’OR 2を限定販売し、フェアリングをディーラーオプションとして用意。そして1982年、ついに日本でも標準装備が認可されました。ちなみに同年7月にCBX400Fインテグラ、続いて8月にCB750Fインテグラが登場。アップ型スクリーンとレッグシールドを備え、車体と一体化した設計が特徴。「インテグラ」の名は、機能とスタイルを統合した新時代スポーツを象徴していました。
1992_CB750

1969年のCB750FOUR誕生以降、日本では「ナナハン」が国内メーカー最大排気量の象徴となり、各社から750㏄モデルが次々と登場した。Hondaも例外ではなく、多彩な750ccモデルを展開します。1979年のCB750Fは、空冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒という高性能エンジンを搭載し、CB900Fゆずりの大柄な車体と流麗なスタイリングで人気を博しました。しかし一方で「ナナハンらしい軽快さ」を求める声も高まり、その回答として1983年に登場したのがCBX750Fです。専用設計の750㏄エンジンとダブルクレードルフレームにより、従来比12㎏の軽量化を実現していました。
同時期、Hondaは技術革新の象徴として水冷V型4気筒エンジンを主軸に据え、1982年にVF750Fを発売。のちにVFR750Fへと発展するこの系譜は、レーシングイメージを色濃く反映したハイパフォーマンス路線でした。その影響もあり、空冷直4のCBX750Fは1985年のボルドールを最後に姿を消します。しかし1987年、水冷並列4気筒を積むCBR750スーパーエアロが登場し、ナナハンクラスに再び並列4気筒が復活。VFR750FとCBR750という2本柱体制が築かれました。
こうしたフルカウル高性能化の流れの中で、よりシンプルで長く付き合えるモデルを求める声も確実に存在していました。その答えとして1992年に登場したのがCB750です。搭載されたエンジンはCBX750F系空冷並列4気筒をリファインしたもの。専用ダブルクレードルフレームと前後17インチホイールにより、軽量かつコンパクトな車体を実現しました。端正で普遍的なスタイリングは、まさに「CBの正統」。
扱いやすい出力特性と素直なハンドリングは高く評価され、日本では大型二輪免許の教習車としても広く採用されました。1992年から2007年まで基本設計を大きく変えずに販売され続け、空冷ナナハンとして最長の15年というロングセラーを記録。多くのライダーが最初にまたがり、そして長く付き合った一台として、CB750は「定番」の名にふさわしい存在と言えるでしょう。
1998_CB600F HORNET(HORNET600)

第32回東京モーターショーに参考出品され、スポーツユーザーから高い評価を受けたのがCB600F HORNETでした。ホーネット250で確立した「クラスを超えたボリューム感」というコンセプトを受け継ぎながら、600㏄の高性能エンジンを搭載。見た目の迫力と本格的な走りを両立させたネイキッドロードスポーツとして登場しました。
心臓部はCBR600Fゆずりの水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒599㏄エンジン。高い信頼性に定評のあるこのユニットをベースに吸排気系を専用セッティングし、最大トルクは5.3kg-m/7,500rpmとCBR600F比で向上。ピークパワー志向ではなく、低・中回転域をより力強くすることで、市街地から高速ツーリングまで扱いやすい特性に仕上げられていました。
フレームはホーネット250で実績を積んだモノバックボーン構造を踏襲。600㏄エンジンに合わせフロントエンジンハンガーを変更し、車体全体の剛性バランスを最適化。安定感とシャープさを兼ね備えたハンドリングを実現しました。さらにフロント130/70-16、リア180/55-17のワイドラジアルタイヤを装着し、迫力あるルックスと高いコーナリング性能を両立しているのも特徴。
グラマラスな曲面で構成されたタンクからリアフェンダーへのライン、跳ね上げられたマフラー、極太リアタイヤが織りなすスタイリングは精悍そのもの。ホーネット250ほどの爆発的ヒットには至りませんでしたが、鋭い加速と俊敏なコーナリングを楽しめる本格派ミドルネイキッドとして、走りを求めるライダーの記憶に残る一台です。
2014_CB650F

CB650Fはグローバルモデルとして開発された新世代ミドルクラスのネイキッドスポーツです。エントリー層からベテラン層まで幅広いライダーに受け入れられる扱いやすさと、直列4気筒ならではの伸びやかな回転フィーリングを両立することを目標に、エンジンから車体まで新開発されました。
心臓部は、水冷4ストローク・DOHC4バルブ直列4気筒650ccエンジン。軽量・コンパクト設計を徹底し、スロットルボディーの取り付け角度最適化や補機類の効率配置によりスリム化をねらいました。ボア×ストロークはφ67.0mm×46.0mmとし、オーバーラップを抑えたバルブタイミングを採用。これにより低・中回転域では力強く扱いやすく、高回転域ではスムーズに吹け上がる並列4気筒らしい伸びを実現。美しい曲線を描くエキゾーストパイプは最適な管長とし、4,000rpm以下でも豊かなトルクを発揮。ショートマフラーを車体中央下部に配置し、マスの集中化とともに胸のすくような排気サウンドも追求。
フレームは新開発の楕円断面ツインチューブ構造になります。剛性としなやかさを両立し、コンパクトなエンジンと相まってスリムでまたがりやすい車体を実現。41㎜正立フォーク、7段階プリロード調整式リアサスペンション、前後17インチの新デザイン軽量アルミキャストホイールを装備し、ダブルディスク+ABS標準装備により安心感のある走りをもたらしました。
精悍なV字型ヘッドライトから塊感あるタンク、絞り込まれたテールへと流れる躍動的ライン。流麗なエキゾーストパイプとショートマフラーがグラマラスなフォルムを形づくる。機能美と操縦性を融合させた、たくましいネイキッドスポーツでした。
2019_CB650R

CB650Rは、CB650Fをベースに開発された新世代ミドルロードスターです。開発キーワードは「都市のライフスタイルに興奮をMiddle Sports Roadster」。扱いやすい車体サイズと、直列4気筒ならではの伸びやかな回転フィーリングはそのままに、軽量化とマスの集中化を徹底。スタイリングを一新し、名称もCB650FからCB650Rへと改められました。
フレームは構成部品や製法を見直し、ピボットプレート部をプレス成型品のボックス構造へ変更。軽量化と高剛性化を高次元で両立した。シートレール接合位置の最適化やテール短縮により凝縮感を強調。足まわりには倒立フロントフォークを新採用し、アルミ鍛造ボトムブリッジや新デザインの軽量5本Y字スポークホイールと組み合わせることで、上質かつ軽快なハンドリングを実現しています。ブレーキはラジアルマウントキャリパー+ABS標準装備とし、安心感も高めました。
エンジンは水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒648㏄を熟成。動弁系や燃焼室形状を見直し、イリジウムプラグや新設計吸気ダクトを採用することで、低中速の扱いやすさと高回転域での伸びを両立させました。アシストスリッパークラッチとHondaセレクタブルトルクコントロール(HSTC)も装備し、疲労軽減と安心感を向上させています。
そして2024年モデルでは、Honda初となる『E-Clutch』を採用。E-Clutchはクラッチ操作を電子制御でアシストするシステムで、発進・停止・シフトチェンジ時のクラッチレバー操作を不要にすることが可能。通常のマニュアル同様にクラッチ操作も行なえるため、ライダーの好みに応じた使い分けができるのが魅力です。渋滞時や街中でのストップ&ゴーでは疲労を大きく軽減し、スポーツ走行時にはダイレクトな操作感も維持。操る楽しさと快適性を高次元で両立させる新機構です。
スタイリングは、凝縮感ある台形プロポーションとLEDヘッドライトを中心に構成。エッジの効いた稜線としなやかな曲面を融合させ、ネオスポーツカフェの思想を体現しています。都市とワインディングの双方で映える、現代CBの中核モデルです。

750㏄以上のCBの名を冠するモデルたち
1981_CB1100R

1979年型CB900Fは欧州市場で高い評価を獲得し、RCB1000のヨーロッパ耐久選手権での活躍と相まって、Hondaのスポーツイメージは頂点へと向かっていました。そんな中、欧州やオーストラリアで人気が高まっていたのが、市販車ベースで争われるプロダクションレース。より多くのライダーがレースに参加できるベースマシンを望む声が高まり、1980年1月、勝つための量産市販車開発がスタートしました。そして生まれたのがCB1100Rになります。
ベースはCB900F。目標は同年9月フランスで開催されるレースでの勝利という、わずか数ヶ月という異例の短期開発でした。車体ディメンションは、1979年鈴鹿8耐で3位を獲得した社内チーム「ブルーヘルメットMSC」のCB900F改からフィードバック。エンジンはストロークを維持しつつボアを拡大し、排気量を1,062㏄へと引き上げました。
耐久参戦を前提に燃料タンクは26Lの大容量とし、軽量化のため加工が難しいアルミ製を採用。手作業に近い工程も多く、量産には限界がありました。その結果、フランスでの参戦条件(200台販売)は満たせず、照準をオーストラリアのカストロール6時間耐久へ変更。デビュー戦で優勝を飾り、その実力を証明しました。
1981年型は1,050台限定生産。しかし強い需要により翌年も生産継続。1982年モデルでは19インチから18インチへ変更した新形状コムスターホイール、空力性能に優れたフルフェアリングを採用し、最高出力も向上。タンデム対応のステップや着脱式シングルシートカウルも装備し、完成度をさらに高めました。ちなみに生産台数は1,500台限定でした。
CB1100Rはプロダクションレースベース車という使命を果たし、その赤×白のツートーンは後世に強烈な印象を残しました。1992年登場のCB1000 SUPER FOURに受け継がれたカラーリングは、CBシリーズを象徴する存在となり、多くのファンに記憶され続けています。
1992_CB1000 SUPER FOUR

1988年当時、Hondaの大型ロードスポーツはフルカウルのCBR1000FとVFR750Fが主力でした。いずれも高性能を誇るモデルでしたが、かつてのCBが体現していた「王道のネイキッド」という系譜に大型フラッグシップは存在していなかったのです。そんな状況に一石を投じたのが、本田技術研究所の若いエンジニアたち。往年のCBにあこがれて育った彼らの一人が描いたアイデアスケッチをきっかけに、1989年、次世代CBフラッグシップを模索する動きが自然発生的に始まりました。まだ正式プロジェクトではない段階にもかかわらず、彼らはクレイモデルを製作。CBR1000Fの水冷DOHC4バルブ並列4気筒エンジンをベースに、たくましく質感の高い外観へと仕立て上げたのです。
議論の末に掲げられたコンセプトが『PROJECT BIG-1』で、「水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒エンジン」「セクシー&ワイルドな体躯」「走る者の心を魅了する感動性能」を追求。しかし当初、CB1000 SUPER FOURは「先進技術が採用されていない」という理由で販売承認が下りなかったのです。そこで1991年東京モーターショーに参考出品という形で登場。サイドカバーには『PROJECT BIG-1』のエンブレムを掲げ、来場者の前にその姿を現しました。
たくましく堂々としたプロポーションは大反響を呼び、ついに正式開発が決定し、1992年11月、CB1000 SUPER FOURは世界に先駆け日本で発売。1993年には年間約4,000台を販売し、大型ネイキッド市場を席巻する存在となりました。1994年にはビキニカウル装着のT2を追加。ブラック基調の精悍なスタイルで人気を拡大。
さらに1996年の大型二輪免許制度改訂により取得ハードルが下がると、大排気量ネイキッドへの期待は一気に高まったのです。CB1000SFは、そうした時代の変化を象徴するモデルとして、多くのライダーに支持されました。
開発者たちの情熱から生まれたBIG-1は、単なる商品ではなく「CBの誇りを取り戻す」象徴的な存在だったのです。こうした時代の中で、CB1000 SUPER FOURは、新しい時代にふさわしいネイキッド・ロードスポーツのフラッグシップを目指したCB1300 SUPER FOURにバトンタッチされました。

1998_CB1300 SUPER FOUR(SC40)

1992年に登場したCB1000 SUPER FOURは、大型ネイキッド市場に新たな潮流を生み出しました。1996年の大型二輪免許制度改訂により、指定自動車教習所での取得が可能になると、大排気量モデルへの関心は一気に高まります。各社が750㏄超モデルを次々に投入するなか、Hondaは1997年3月、1,284ccの新開発エンジンを搭載したX4を発売。圧倒的トルクと低く構えたスタイリングでヒットを記録しました。
その流れを受け、CB1000 SUPER FOURのモデルチェンジとして開発されたのがCB1300 SUPER FOUR(SC40)です。開発陣には初代BIG-1とX4のメンバーが加わり、「新時代の最高峰ネイキッドとは何か」を問い直しました。掲げたのはPROJECT BIG-1を踏襲しつつ、さらに深化させた“感動性能”という思想でした。「所有する感動」「跨った瞬間の感動」「太い走りの感動」「余裕の感動」「操り、征服する感動」。
心臓部にはX4由来の水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒1,284㏄を採用。分厚いトルクと余裕ある出力特性を軸に、堂々とした存在感と扱いやすさの両立を目指しました。デザインはより力強く、機能美を際立たせたスポーティなプロポーションへ進化。CBシリーズ最大排気量のフラッグシップにふさわしい風格をまとっていました。
1997年東京モーターショーで参考出品されると大きな反響を呼び、1998年3月に正式発売。初年度は年間計画を上回る約4,600台を販売し、BIG-1の系譜を確立。2000年には足まわりの軽量化を図り、車両重量を5㎏削減。堂々たるスタイルと力強いトルク、そして扱いやすさを兼ね備えたネイキッドの頂点として、CB1300SFは確固たる地位を築いたのでした。
2001_CB900 HORNET

CB900 HORNETは、1996年のホーネット250、1998年のホーネット600に続く「ホーネットシリーズ」第3弾として登場したネイキッドロードスポーツです。スポーツマインドあふれるライダーに向け、非日常のツーリングから都市部での実用走行まで、幅広いシーンで楽しめるパフォーマンスを追求して開発されました。
心臓部には、1998年に欧州で発売されたCBR900RRの水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒893㏄エンジンをベースとするユニットを搭載。究極のパフォーマンスを求めたCBRに対し、CB900 HORNETでは低中速域の扱いやすさと加速感を重視した専用チューニングをほどこしました。さらに燃料供給をCVキャブレターからPGM-FI(電子制御燃料噴射装置)へ変更。ECUと点火系を一体化したデジタル制御により、俊敏なレスポンスと滑らかな出力特性を実現した。幅広い速度域で扱いやすく、日常からワインディングまで楽しめるエンジンに仕上げられていました。
フレームはホーネット600と同様のダイヤモンド構造に、大型矩形断面鋼管のモノバックボーンを採用。893㏄化に合わせて板厚や補強を見直し、ステアリングヘッド周辺の剛性を強化。エンジンとフレームを強固に結合することで、卓越したコーナリング性能を引き出しました。
足まわりはφ43㎜カートリッジ式正立フォークを装備。リアにはリザーバー別体式モノショックを採用し、7段階プリロード調整を可能としました。市街地から高速道路、ワインディングまで幅広い条件に対応する設定です。排気系には二次空気導入装置を採用し、PGM-FIとの組み合わせで排出ガスを低減。国内規制にも対応しました。
グラマラスな曲面で構成されたタンクからテールへのライン、跳ね上げられたマフラー、極リアやタイヤが放つ存在感。スーパースポーツ由来の心臓を宿しながら、日常に溶け込むネイキッドとしての魅力を備えた一台でした。
2003_CB1300 SUPER FOUR/CB1300 SUPER BOL D’OR(SC54)

2003年2月、CB1300 SUPER FOURは5年ぶりのフルモデルチェンジを受け、新たな時代のフラッグシップとして生まれ変わりました。排気量1,294㏄はそのままに、エンジンと車体を徹底的に軽量化。よりシャープでアグレッシブなスタイリングをまとい「感動のBIG-1」を掲げて再出発したのです。
開発は、1992年のCB1000 SUPER FOURから受け継がれてきた『PROJECT BIG-1』の本質を見つめ直すことから始まりました。目標は5つの感動性能」の深化。『走る感動(太い走りの感動・操り、征服する感動・余裕の感動)』『持つ感動(跨がった瞬間の感動・所有する感動)』。スタイリングは伝統を継承しつつ一層洗練。容量を拡大したフューエルタンクで立体感を強調し、フィンを廃したエンジン外観で水冷の機能美を前面に押し出しました。流麗な4-2-1エキゾーストと1本出しマフラーが軽快さを演出。
エンジンは水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒1,284㏄を踏襲しつつ、新設計によりコンパクト化・低フリクション化を徹底。8㎏の軽量化を実現し、さらにPGM-FIを採用することでレスポンスと燃焼効率を向上させました。フレームも刷新して7㎏軽量化、ホイールベースを30㎜短縮。車両全体で従来比16㎏もの軽量化を達成しました。
2005年にはハーフフェアリングを備えたCB1300 SUPER BOL D’ORを追加。高速道路二人乗り解禁の流れに呼応したモデルです。以降も改良を重ね、2018年にはオーリンズ製サスペンションとブレンボ製ラジアルマウントキャリパーを装備する『SP』を設定。そして2025年、SUPER FOUR/SUPER BOL D’OR Final Editionが登場。30年以上にわたるBIG-1の歴史に、ひとつの区切りが打たれました。CB1000 SUPER FOURから始まったBIG-1は、時代を超えてネイキッドの王道を体現したモデルなのです。


2010_CB1100

2010年2月に日本で発表されたCB1100は、50年以上にわたるCBの伝統と現代が求めるロードスポーツ像を融合させたモデルとして誕生しました。当時のHondaはCB1300シリーズやCBRシリーズといった大型モデルを展開していましたが、ベテラン層やリターンライダーからは「もう少しコンパクトで、手軽に扱える大型ネイキッド」を望む声が高まっていたのです。
その流れの中、2007年の第40回東京モーターショーに参考出品されたのがCB1100Fコンセプトです。750㏄並みの車体サイズに1,140㏄空冷並列4気筒を搭載したこのモデルは大きな話題を呼び、市販化を望む声が多数寄せられました。2009年の第41回東京モーターショーでは市販予定車としてCB1100を出品。市場の反応を確信したHondaは本格開発へと踏み出したのです。掲げられたコンセプトは「大人の所有感を満たすエモーショナル空冷直4ネイキッド」。開発の重点は以下の3点に置かれました。「所有する喜び、凛としたたたずまい」「味わいのあるエンジン特性」「構えずに操ることの喜びを味わえるシャーシ」。
心臓部には、空冷4ストローク・DOHC4バルブ並列4気筒1,140㏄の専用エンジンを新設計。最高出力を追い求めるのではなく、おおらかで味わい深い走行フィールを重視しました。排出ガス規制に対応するため、排気ポートやスパークプラグ周辺にオイル循環冷却を採用し、オイルクーラーも装備。薄さ2㎜の冷却フィンはロープレッシャーダイキャスト製法により造形美と精度を両立させました。車体は750㏄並みのサイズを目標に設計。鋼管ダブルクレードルフレームを採用し、空冷エンジンの造形を引き立てました。前後18インチホイールにより安定感ある操舵性を追求。シート高は765㎜に設定。ゆったりとしたポジションと取りまわしのよさを両立しました。
その後も熟成を重ね、2014年に伝統色を強めたCB1100EX、2017年に17インチホイールとラジアルマウントキャリパーを採用したCB1100RSを展開。しかし排出ガス規制への対応が困難となり、2021年、生産を終了。空冷直4の鼓動とともに、多くの「大人のライダー」の心を満たした一台でした。


2018_CB1000R

CB1000Rは『魅せる、昂る、大人のためのEMOTIONAL SPORTS ROADSTER』を掲げて誕生したネイキッドロードスポーツです。単なるスーパースポーツのストリップ仕様ではなく、操る楽しさと上質な走り、そして所有欲を満たす造形美を高次元で融合させたモデルになります。
心臓部には、スーパースポーツとして評価の高いCBR1000RRのエンジンをベースに最適化した水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒を搭載。吸排気系の見直しやギヤ比のローレシオ化により、より伸びやかな吹け上がりと、力強いトルク特性を実現しています。スロットル・バイ・ワイヤを採用し、「SPORT」「STANDARD」「RAIN」「USER」の4種類のライディングモードを設定。パワー特性、トルクコントロール、エンジンブレーキ特性を統合制御することで、幅広い走行シーンに対応。さらに、アルミカム式アシストスリッパークラッチやクイックシフターを装備。クラッチ操作荷重を軽減し、シフトアップ/ダウンをスムーズに行えるなど、スポーツ走行時の快適性とコントロール性を高めています。
車体はマスの集中化と軽量化を徹底。高張力鋼モノバックボーンフレームと新構造アルミピボットプレートを組み合わせ、軽量で高剛性な構成としました。フロントにはショーワ製S.F.F-BP倒立フォーク、リアには高剛性アルミ製プロアームを採用。分離加圧式リアサスペンションやラジアルマウント4ポットキャリパー、小型軽量ABSなど、本格スポーツにふさわしい足まわりを備えています。
ディメンションもこだわり抜かれています。フラットなテーパーハンドルとシート高830㎜のバランスにより、積極的な操作と良好な足つきを両立。モノバックボーン構造によりシート前端をスリム化し、扱いやすさを高めました。スタイリングは、鋼板タンクの立体感ある面構成、ヘアライン加工アルミパーツ、切削仕上げの機能部品など、素材の質感を活かした高品位なデザインが特徴。丸型LEDヘッドライトと円弧状テールランプがネイキッドの普遍性を象徴する。スイングアームマウント式リアフェンダーや凝縮感あるシルエットも印象的です。CB1000Rは、パフォーマンスと造形美を両立した「大人のためのロードスター」として、新世代CBの方向性を示したモデルです。
2023_CB750 HORNET

CB750 HORNETは、歴代HORNETシリーズの「俊敏で刺激的なストリートファイター」という思想を継承しつつ、新世代のパフォーマンスミドルへと進化したモデルです。軽量かつコンパクトな車体に、力強さと扱いやすさを両立した直列2気筒エンジンを搭載。「ワインディングを、都会を、颯爽と駆け抜けるパフォーマンスミドルスポーツ」を掲げ、日常とスポーツの両立を追求して開発されました。
パワーユニットは、水冷4ストロークOHC4バルブ(ユニカム)並2気筒754㏄エンジン。軽量・コンパクト設計とし、低中回転域では扱いやすく鼓動感のあるパルスフィールを生み出し、高回転域では力強く高揚感あふれる加速を味わえます。アシスト&スリッパークラッチを採用し、クラッチ操作荷重を軽減するとともに、シフトダウン時の後輪ホッピングを抑制。スポーティな走行でも安定した挙動をたもちます。
フレームはリアフレーム一体型のダイヤモンド構造。レイアウト最適化と各部の軽量化により、軽快で俊敏なハンドリングを実現。フロントにはショーワ製SFF-BP倒立フォーク、リアには路面追従性にすぐれるプロリンクサスペンションを採用。市街地から高速道路、ワインディングまで幅広いシーンで高い操縦安定性を発揮します。
装備も充実。5インチフルカラーTFTメーターを採用し、Honda RoadSyncによるスマートフォン連携で音楽再生や通話操作が可能です。スロットルバイワイヤ(TBW)、ライディングモード、Hondaセレクタブルトルクコントロール(HSTC)、オートキャンセルウインカーなど先進機能を搭載し、安心感と利便性を高めています。
海外では2023年に先行発売され、日本市場には2025年から導入。HORNETの名を冠しながら、新時代のミドルクラス像を提示するネイキッドスポーツCB750ホーネットです。
2024_CB1000 HORNET/SP

CB1000 HORNETは、ストリートファイターとしての鋭さと、並列4気筒ならではの高揚感を融合させた新世代リッター・ネイキッドです。ツインスパーフレームにスーパースポーツ由来のエンジンを搭載し「走りを楽しむ」ことを最優先に開発されました。
心臓部は、2017年型CBR1000RRをベースとする999㏄水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒。新開発ダイキャスト製ピストンの採用、バルブタイミングとリフト量の最適化、専用セッティングのトランスミッションとファイナルギヤにより、低・中速域の力強さと高回転域の伸びを高次元で両立。スロットルバイワイヤ(TBW)を採用し、ライディングモードで出力特性を選択可能。ストリートからワインディングまで自在に対応します。
上位モデルのCB1000 HORNET SPは、さらに特別な仕様となります。マフラー内部に可変排気バルブを採用し、回転数に応じてECUが開度を制御。低回転ではトルクを高め、高回転では伸びを引き出します。加えてクイックシフターを標準装備し、スムーズかつスポーティなシフト操作を実現。リアサスペンションにはオーリンズ製ユニット、フロントブレーキにはブレンボ製キャリパーを採用し、足まわりを専用化。
車体は小型デュアルLEDヘッドライトを中心に、ワイドなタンクから絞り込まれたニーグリップ部、コンパクトなシートへと流れる抑揚あるデザインが特徴。フロントにSHOWA製SFF-BP倒立フォーク、リアに分離加圧式シングルチューブサスペンションを組み合わせ、上質な乗り心地と高い路面追従性を発揮します。
装備も充実。5インチフルカラーTFTメーター、Honda RoadSyncによるスマートフォン連携、HSTC(トルクコントロール)、エマージェンシーストップシグナルなど、安全性と利便性を高める機能を標準装備。CB1000 HORNETは、パフォーマンスと洗練を兼ね備えた、スポーツから街乗りまで、幅広いステージを楽しめるCBと言えるでしょう。

2025_CB1000F/SE

CB1000Fは、Hondaを代表するプロダクトブランド『CB』のフラッグシップとして誕生した最新モデルです。単に高性能を追い求めるのではなく、幅広いシーンでの操る楽しさ、高揚感、そして所有すること自体の満足感という、ロードスポーツの普遍的価値を改めて見つめ直し「進化する基準」としてのCBの最新回答を具現化しました。
パワーユニットはスーパースポーツ由来の並列4気筒をベースに専用開発。新設計カムシャフトによりバルブタイミングとリフト量を最適化し、低回転から高回転まで谷のない滑らかな出力特性を実現した。左右2気筒ごとに異なるバルブタイミングを設定し、新設計エアファンネルと組み合わせることで、低中速域の厚みあるトルクと鼓動感ある排気音を両立。さらに1・2速をローレシオ化し、街中での扱いやすさを高めつつ、高速巡航では落ち着いた回転数を維持するギヤ設定としています。
車体デザインは1979年型CB750Fをモチーフに、タンクからリアカウルへ流れる伸びやかなラインを継承。そこに現代の大排気量直4の力強さを幅方向の抑揚として表現。フレームはタンデムや積載も想定した専用シートレールを採用。フロントにはSHOWA製SFF-BP倒立フォーク(減衰・プリロード調整機構付き)、リアには分離加圧式シングルチューブショックを装備し、軽快かつ素直なハンドリングを追求しました。
ブレーキはΦ310㎜ダブルディスク+ニッシン製4ポットラジアルキャリパーを装備。6軸IMUを採用し、TBWやコーナリングABSなど電子制御の精度を向上させています。5インチTFTメーター、Honda RoadSync、ライディングモード、Honda SMART Keyも標準装備するも特徴です。
上位仕様のCB1000F SEは、トラディショナルなプロポーションを引き立てるヘッドライトカウルを装備。さらにラジエーターグリル、グリップヒーター、クイックシフター、専用カラーステッチシートを採用し、所有感を一段と高めた特別仕様です。
また、リアフェンダーとシート底板にリサイクル樹脂を採用するなど、サステナブルマテリアルの活用も推進。伝統、性能、環境配慮を統合した、新時代のCBフラッグシップがCB1000Fなのです。

まとめ
400㏄以上のCBシリーズは、世界市場の要求に応えるための挑戦、レースで鍛えた技術の還元、そして時代の価値観に寄り添う進化──。その全部を背負いながら、Hondaが考える「ロードスポーツの理想形」を更新し続けてきた歴史です。はじまりは、アメリカ市場の声に応えて生まれたドリームCB450。高回転型DOHCツインで欧州勢に挑み、そこから「余裕ある大排気量」を求めた要望が、革命児CB750FOURに結びつきました。量産車初のOHC直4+フロントディスクという衝撃は、ロードスポーツの常識を塗り替え、“ナナハン”文化の礎にもなりました。さらにCB500FOURが「静かなる男のための500」を掲げて4気筒の魅力を裾野へ広げ、CB500Tのような2気筒の個性派も加わり、CBは「速さ一辺倒ではない、走りの楽しさの多様性」も提示していました。
1970年代後半〜80年代は、世界の競争環境がCBを鍛え直した時代。耐久レースの熱量が高い欧州で、RCB1000の活躍はHondaのスポーツイメージを押し上げ、フローイングラインを纏ったCB750F/CB900Fを生み出しました。フェアリング規制という日本独自の事情のなかでも、CB750Fインテグラは「快適性のための整流」という価値を広めました。一方で、フルカウル高性能化が進むなか「長く付き合えるスタンダード」を求める声は消えず、1992年のCB750が“正統”として支持され、教習車としても親しまれました。
90年代以降のCBは“フラッグシップ”という言葉をもう一度取り戻す流れに入ります。プロダクションレースで勝つために短期開発されたCB1100Rは、レースベースでありながら公道の快適性も織り込み、赤×白のイメージを後世へ残しました。そして開発者たちの情熱から生まれたPROJECT BIG-1=CB1000 SUPER FOURが登場。ネイキッドの王道を現代に復権させ、CB1300SFへと受け継がれていきます。SC40、そして2003年のSC54では軽量化と熟成を重ね、SUPER BOL D’ORやSP、Final Editionに至るまで“BIG-1の思想”を脈々と継承してきました。
一方で、CBは懐古だけにとどまりません。ホーネット系が示したストリートファイターの痛快さ、CB650F/CB650Rが提案した「扱いやすさ×直4の伸び」、そしてE-Clutchのような新機構まで、時代のライダー像に合わせて“操る楽しさ”を広げています。さらに近年はCB1000R、CB750 HORNET、CB1000 HORNETといった現代的ネイキッドが、電子制御や足まわりの進化とともに「上質なスポーツ」を再定義。そこへCB1000F/SEが、CB750Fをモチーフにした伸びやかなラインと最新技術を融合させ、“進化する基準”としてのCBを改めて示しました。
CB史を貫くのは、スペック競争だけでは測れない「走りの感動」。世界の声に鍛えられ、レースで磨かれ、街と旅のリアルに寄り添いながら、CBはいつの時代もHondaのロードスポーツ観を体現してきました。そして、これからも多くのライダーに愛され続けることでしょう。


























