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トランザルプ(XL750 TRANSALP)に感じた『小さな幸せ』の瞬間。そしてそれを毎週を楽しめるアドバンテージについて【Honda XL750 TRANSALP インプレ・レビュー 後編】

ジャンルとしては立派にアドベンチャーバイクに分類されるトランザルプ(XL750 トランザルプ)で、なんのことはない『普通の日帰りツーリング』をしてみたら、物足りないどころか意外と悪くない?

最後にもうひとつ「ちょっと嬉しい」と感じた小さな幸せをお伝えします。

『バイクに乗る幸せ』自体を最大化してくれるのかも?

100kmにも満たない距離の高速道路を走った後に、お気に入りの道をのんびり流す…。
特に何も凄くない日帰り“ちょい乗り”ツーリング。

『日常から世界一周まで』の“日常パート”を掘り下げるとでも言えばいいのか……ある意味、これまでにない「トランザルプのインプレッション」ですが……そんな普通の週末ツーリングにおいて「ささやかだけど嬉しかったこと」がありました。

それはお気に入りの道を流した後に立ち寄った海岸でのこと。

立ち寄った海沿いの駐車場は広く海を見渡せるスポットで、地元の人なのか観光客なのか、思った以上に駐車場は賑わっている状態でした。

ファミリーとか友達同士とか恋人同士とか、思い思いに楽しんでる。それはとても良いことなのですが、そこにソロで突撃していくと、そこはかとない“ぼっち感”を味わうハメになります。そう思うのは私だけかもしれませんが。

そういう時、いつもだったら『混んでるからやめとくか……』となるのですが、今回は違った!

混雑した駐車場の横に広がる広大な砂利エリア。アスファルトの駐車場が整備されている中で、わざわざ砂利に踏み込んでいく人なんて皆無です。

そこに突撃!

まぁ実際はフラットな砂利駐車場みたいな場所ですから、わざわざ『突撃!』なんて言うほどのことはありません。

でもトランザルプならそういう場所に余裕で踏み込んでいけます。というか踏み込んでいきたくなります(笑)

そうして手に入ったのは、休日ならではの喧騒からすこし距離を置いた『ひとりの空間』でした。バイクを停めて、静かに過ごせる場所。これ実は休日にはけっこう貴重だったりします。

あとね! オフロード系のヘルメットでキメて、スタンディングで砂利エリアに踏み込んでいくときに……

『あのバイクの人、かっこいー!』

でっかい声で叫んだ子供の声が聞こえて!? ……ヘルメットの中でひとり『ムフフ♪』となってました(笑)

そうだろう? 俺のバイク(俺も含めて)カッコいいだろう?

子供たちのヒーロー気分。アホみたいに聞こえるかもしれませんが、何だかすごく嬉しかったです。実はこのバイク、Hondaさんからの借り物なんだけどネ!

そんな出来事もあって、ひとりで妙にテンションが上がってしまったこともあり、そのまま帰るのをやめてもうひとっ走り!

今回は快適さの権化のようなトランザルプでの日帰りツーリングですから体力・気力は有り余っていますし?

ちなみにトランザルプはツーリングシーンの快適性とかオフロード走破力などがよく取り沙汰されますけど、実際に走らせると『オンロードのワインディング』がものすごくイイ!

本当に21インチのほっそいフロントタイヤかよ!? って思うくらいの安定感でコーナーをダイナミックに駆け抜ける走りができます。オフロードガチ勢ではない私(北岡)の感覚なのですが、なんなら冒険シーンよりも普通にワインディングを走っている時のほうが楽しいと感じられるくらい!

ちなみにトランザルプのエンジンは最高出力91馬力とけっこう高出力なのですが……

けっこう思い切って『開けていける』のがすごく不思議というか。コーナーでバイクを寝かせている時も車体がドシッと安定しているので、純粋にアクセルを開ける楽しさ、あるいはバイクでスポーツする快感を満喫することができるんです。

高速道路の快適性とかオフロードの走破性とかトランザルプの魅力はたくさんあるけど……個人的にいちばん推したいのはワインディングの楽しさかも?

そんなこんながあったトランザルプの日帰りツーリング。家を出て帰るまで、走っていた時間はたかだか5時間程度でしたが……

なんだかけっこう良かった!(笑)

物足りないかと思ったけど、ちゃんと『バイクに乗る時間』を感じることができたと思います。そこに加えて、まったく疲れてない(笑)

これなら帰宅した後に友達と出掛けるとか、家庭のある人なら家族サービスとかも余裕でいけそう!?

そのうえで、こんなにも余裕があるなら「毎週でも走りに出れそうだな」と思いました。

トランザルプは最初の【前編】で言ったとおり『夢のあるバイク』です。

でもそれだけじゃない。バイク乗りの日常の中にある『普通の幸せ』だってきちんと満たしてくれる!

いつかは相棒と共に北海道へ……そんな夢を胸に描きつつ、日々のバイクライフを静かに満喫するようなライフスタイル。

うん、いいじゃない! 世界一周バイクでの半日ツーリング!?

本気で言うけど、これはけっこう『アリ』だと思います!

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【文/北岡博樹(外部ライター)】

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