ミドルクラスのバイクとして、長距離走行において圧倒的と言えるツーリング力を誇るトランザルプ(XL750 TRANSALP)なのですが……
私(北岡)は思うのです。夢があるのは良いことだけど!
実際のところはなかなかロングツーリングに出る時間なんて取れないんですよネェ……
日常から世界一周まで! 夢がふくらむバイクだけど……
『トランザルプ750(XL750 TRANSALP)』が2023年5月に発売されてから、気が付いてみればもう1年以上……休日などにはその姿を見かけるようになってきました。
そして、発売から今日までの間で新型トランザルプに対する世の中のイメージと言えば……ざっくり『超ロングツーリングでも快適! なんなら大冒険もオッケー!』みたいなイメージになっていると思います。
このHondaGO BIKE LAB 外部ライターの私(北岡)をはじめ、25歳若手スタッフなどもトランザルプの発売から1,000kmツーリングしてみたり、東京~石川の(散々な結果に終わった)電撃ツーリングを敢行してみたりと、そのロングツーリング性能には舌を巻くばかり……
このバイクは本当にライダーをとことん疲れさせない。だからどこまでも走っていける!
本当に『夢のあるバイク』です。
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だがしかしっ!
私は思うのです……ものすごいロングツーリングなんて、忙しい社会人の大人はそうそうできるもんじゃないだろう? と。
それを言ったら元も子もない気はしますが……でも現実的な話です。
『日常から世界一周まで』を掲げるトランザルプ。
だけど家のことや仕事など、しがらみが多い大人にとっては世界一周なんて夢のまた夢。それどころか1泊2日の泊まりツーリングですらままなりません。
そこで思った!
仮にトランザルプを買ったとして……ものすごいロングな冒険ツーリングをしないと、このバイクは『宝の持ち腐れ』なのか?
だって一般的な大人の日常って言ったら『週末の日帰りツーリング』がメインでしょう!? ……と思ったので、今回は実際に普通に日帰りツーリングしてみました(笑)
ということで、ある意味オキテ破り。トランザルプ『ちょい乗り』ツーリングの感想をお届けします!
ツーリングにおいて「バイク乗りの朝は早い」というのは基本ですが、週末は油断するとアッと言う間に渋滞に巻き込まれるので出発は早朝に。
なんだか天気もあんまり良くないし、最近はいきなり雨にやられる変な気候が続いてます。だけどそんな程度のことでメゲている暇は大人にはありません。行けるときに行くしかない!のです。それに雨くらい、トランザルプの性能で乗り越えていけることは過去の経験でわかっています。走り出すのをやめる理由にはなりません。
ちなみに私がトランザルプで1,000kmツーリングをしたのはもう1年以上前のこと。
なので久しぶりにトランザルプに乗った訳ですが……
思い出しました。高速道路を走っている時のすさまじい平和感。なんなら平和を通り越して幸せな気分にすらなってきます。
オフロードどころか世界一周まで想定されたトランザルプの高速道路クルージングは、ほぼ『魔法の絨毯』です。極上の乗り心地に包まれてフワリと目的地までライダーを運んでくれる感じ。
ウインドプロテクション性能もリッタークラスのツアラーたちに引けをとるものではありません。しかも今回は遠方を目指す訳じゃないから、時間も気にせずのんびりと。
そこで感じていたのは至極単純「バイク気持ちいいナァ~」という気持ちでした。
トランザルプが! とかじゃなくて、バイクに乗って風を切って走っていることそのものに対する幸福感です。
でも実はこれ、トランザルプの「良いところ」なんですよ?
普通に使って普通にイイ。それを、この後に続く【中編】でお話させていただければと思います!
【文/北岡博樹(外部ライター)】