HondaGO BIKE LAB

手が小さいからクラッチ操作が苦手……そんな人には『クラッチレバーの位置調整』がおすすめです!【Safety】

マニュアルバイクの運転に欠かせないクラッチレバー操作は、自分の一番扱いやすい位置に調整するともっと運転が楽しく、快適になります。

今回はクラッチレバーの調整について解説します。

クラッチの操作が苦手……という人は試してみて!

エンジンが生み出した動力がタイヤに伝わらないようカットする(あるいは伝達する)ための機械的な装置がクラッチ。そして、その操作を行うのがクラッチレバーですが、バイクに不慣れなうちは「バイクがいきなり走り出してしまわないか心配」もしくは「エンストが不安」といった理由でこの操作が苦手……という人は少なくありません。

クラッチレバーの操作自体は長くバイクに乗る間に、その扱いにも慣れてくるものですが、それには「クラッチレバーが操作しやすい位置にある」ことが大前提となります。

しかしながら、手の大きさは人それぞれ。特に女性は男性よりも手が小さく、握力も低い場合が多いため、人によってはクラッチレバーの操作がしにくく感じ、それが苦手意識をより助長しているケースもあるんです。

手が小さくてレバーがしっかり握れず、クラッチ操作がおぼつかない……そんな人こそ試してみる価値があるのが今回の「クラッチレバーの位置調整」です。

クラッチレバーの位置調整で大事なことはひとつだけ!

クラッチ操作というのはMT(マニュアルトランスミッション)のバイクを運転する際に必要であり、バイクを操る醍醐味のひとつでもありますが、逆に言えばクラッチ操作がうまくできないとバイクを楽しく、スムーズに走らせることができません。

そこで手のサイズに合わせてクラッチレバーの位置を調整する訳ですが、この時に大事なことは基本的にはひとつ。

それは『クラッチが完全に切れること』です。

当たり前の話ですが、クラッチレバーの操作によってエンジンの動力をカット、もしくは伝達できなければ発進や停止すらもままなりません。

けれどこのクラッチレバーの位置調整というのは、一般的なワイヤー式の場合「手が小さいから」といってレバー位置をグリップ側に近くしすぎると、レバーを目いっぱい握り込んでもクラッチが切りきれていないという状態になることがあります。

そうすると自分ではクラッチを切っているつもりなのに、バイク側は半クラッチ状態のまま……という事態が起こり得ます。

信号待ちで停止している時にもバイクが前に進もうとしたり、停車中のギアの入りが悪かったり。こうなると、場合によってはクラッチに余計なダメージを与えることもありますし、そもそも安全とは言えません。

なので“手が小さいこと”が操作のしにくさを生んでいる場合は『完全にクラッチを切ることができる範囲内で、最もレバー位置を近くする』ことが調整の基本方針となります。

ちなみに一般的なワイヤー式クラッチの場合、レバー位置の調整は写真のようなアジャスターで行うのが主流ですが、正直に言ってこの調整にはある程度の慣れが必要。それは「いまクラッチが完全に切れている状態なのか」を判断しなくてはならないからです。

特に今回テーマにしているような、手が小さい人のための『完全にクラッチを切ることができる範囲内で、最もレバー位置を近くする』という調整は、微細な調整が必要となり、難易度も高くなります。

ですからバイク初心者など慣れないうちは、Honda DreamやHonda二輪車正規取扱店などでプロに相談するのが断然おすすめ。自分がバイクを買ったお店ならば、アフターサービスの一環として快く相談に乗ってくれるはずです。

クラッチ操作が苦手なのは自分が下手だから……

そう思って諦めてしまう前に、是非一度「クラッチレバーの位置調整」を試してみてください。

自分がバイクに合わせるのではなく、バイクを自分に合わせる。レバーに限った話ではありませんが「自分が操作しやすい位置」が見つかると、運転だって上達しやすくなりますし、何よりも走るのが楽しくなります。案ずるより産むがやすし。クラッチレバーの操作に違和感を感じているなら、一度お店で相談してみてくださいね!

【文:北岡博樹(外部ライター)】

関連記事

最近チェックした記事