Hondaを代表するコミューターモデル「スーパーカブ」シリーズ。今回は『これからカブに乗ってみたい!』と思う人のために原付二種の4モデルを乗り比べ!
ラインアップのスタンダードモデルにあたる『スーパーカブ110』ってどんなバイク?
スタンダードにしてオールマイティー『スーパーカブ110』!
現在は流行の125ccモデル4機種を中心に幅広い層から支持を得ている「カブ」シリーズ。そのうち、現代のカブのスタンダードともいえるモデルが原付二種の「スーパーカブ110」です。
2022年のモデルチェンジで新エンジン搭載をはじめとした大型アップデートを経て現在の姿に。
「カブ」シリーズの伝統的なスタイリングはそのままに、変更を受けた前後輪のキャストホイールが、新時代の「カブ」を象徴しているように見えます。
そんな『スーパーカブ110』のシート高は738mm。足つき性は非常に良く、身長174cmの筆者ではかなり余裕があります。
また、車両重量が101kgと原付二種カブシリーズの中でもダントツで軽いので、シート高の低さと合わせ足つきで不安になることはないでしょう。
アンダーボーンフレームという形状の骨格のため乗り降りもしやすく、上体が直立するライディングポジションもかなり自然体で乗ることができ、身体のどこにもストレスがありません。
またスクーターと同じく服を選ばないのも魅力のひとつ。しかしカブはオートマチックのスクーターと違い、運転に際してシフトチェンジを必要とします。
ですが、「カブ」シリーズのシフトチェンジはクラッチ操作を必要とせず、ペダル操作だけで簡単にギアを変えることができます。
その操作は普通のバイクとはちょっと違いますが、いたって簡単。
ニュートラルの状態から前側のペダルを一段、下へ踏み込むと1速。ここまでは普通のバイクと同じですが、「カブ」シリーズはこのまま前方向のペダルを踏みこんでいくことで2速、3速、4速とシフトアップすることができます。
逆にシフトダウンしたいときは後ろ側のペダルをカカトで踏めばOK。また、ギアが4速の状態で「停止した状態」ならば前側のペダルを踏みこめばニュートラルに戻るので、停車の際にガチャガチャとシフト操作をする必要がありません。
足の甲を使わないシフトアップ・シフトダウンにより、お気に入りの靴を傷めることが無いのも魅力的なポイントとなります。
「カブ」シリーズのエンジンは初めてだと独特なシフトチェンジに慣れるまで少しギクシャクしてしまう場合もありますが、慣れてしまえばスクーターよりも好きなタイミングでパワーを引き出しやすいので、非常に扱いやすく感じられるはずです。
小さな路地や高低差のあるような住宅街に109ccの単気筒エンジンは非常にマッチしていて、スリムな車体はスイスイと街中を駆け抜けていきます。
17インチと大きなホイールを装着した『スーパーカブ110』は、小回りこそ小径ホイールを装着したスクーターに軍配が上がるかもしれませんが、こと安定感においては抜群です。
舗装があまりよくなかったり、濡れている路面でも安心感が非常に高く、大きなメリットと言えるでしょう。
それでいて『スーパーカブ110』は原付二種「カブ」シリーズの中でも特に軽快なハンドリング性能をもっていて、住宅街などの細い路地でもスイスイ進むことができます。
また、大きなホイールは車の流れの速い幹線道路を走る際にも安定感をもたらします。
125ccのシリーズに比べるとエンジンの排気量が109ccなので非力に思うかもしれませんが、法定速度の60km/h程度であればこれといった不自由は感じることはありませんでした。兄弟モデルに比べ若干乗り心地に硬さを感じますが、十分快適なのでツーリングもこなすことができるでしょう。
また、大径ホイールやシフト操作の他にも「カブ」とスクーターには決定的な違いがあります。
それはシート下のラゲッジスペース(収納スペース)が無いこと。
ですが、その代わりカブシリーズには荷物やリアボックスの積載に便利なキャリアが純正で装備されています。
その都合上、ピリオンシートは非装着となりますが、タンデムステップは用意されているので、『スーパーカブ110』にピリオンシートを装着すればタンデムライディングも可能となります。
ノーマルの状態ではタンデムシート/シート下スペースはないけれど、オーナーの工夫やアイデア次第で変幻自在にカタチを変える愉しみが隠れています。自分の使いやすい仕様にカスタマイズしていくのも「カブ」の楽しみの一つではないでしょうか?
ただし、『スーパーカブ110』に関しては原付二種モデルの「カブ」シリーズで唯一「コンビニフック」を装備。ちょっとした買い物ならばこれだけで十二分に利便性を確保できますよ!
でも、『スーパーカブ110』の魅力は、時を経ても大きく変わることのないデザインにあるのではないでしょうか?
利便性を追い求め、たどり着いた形状とも言えるデザインですが、現代では一周回って「オシャレ」の領域に到達していると思います。
飾らないオシャレも『スーパーカブ110』の大きな魅力だと思いませんか?
そんなデザインをはじめとして、歴代「カブ」の色を強く現代まで残している『スーパーカブ110』。
原付二種モデルが隆盛している現代において、このモデルこそが一番スタンダードな「カブ」といえますが、俊敏でいて安定したハンドリング、元気で扱いやすいエンジン、足として気兼ねなく使える扱いやすさなど、どこをとっても高水準。
スタンダードながら非常にオールマイティーなバイクだと感じました!
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【文:石神邦比古(外部ライター)】