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【教習所に行く前の基礎知識】バイクの性能にも大きく影響する『6つの重要』なパーツって?【バイクライフ・ステップアップ講座/各部の名称 -上級編-】【Safety】

eバイクを運転するには様々なパーツを連携させながら操作する必要があります。混乱しないためにも、それぞれの役割を理解して、安心して運転できるように項目を絞って解説していきましょう。前回に引き続き、バイクを動かすために重要となるバイク各部の名称と役割を解説します。

バイクを動かすために最も重要となるパーツ6選

バイクを動かすには様々なパーツを動かし、両手、両足のすべて使って運転する乗り物なので、最初は色々と戸惑うこともありますが、まずは教習所に行く前のレベルで覚えておきたい項目(上級編)をお届けします。

前回の【中級編】はこちら

前回はバイクを操作する(走らせる)ために必要な7つのパーツを紹介しましたが、バイクの性能を大きく左右する重要なパーツの6項目について解説していきたいと思います。

①バッテリー

バイクの主電源を入れたり、エンジンを始動させるセルモーターを回すための電力源となるのが「バッテリー」。いわゆる蓄電池のことです。

バッテリーは主電源や始動の他にも、ヘッドライトやテールランプ、ウインカーなどの灯火類を灯すためにも使われているので、これがなければ現代のバイクは動かすことができないかなり重要なパーツとなります。

現在、主流となっている密閉型の鉛バッテリーは「MF(メンテナンスフリー)バッテリー」と呼ばれ、基本的に定期的なメンテナンスが不要になっています。

また、バイクにはバッテリーの他にもジェネレーターと呼ばれる発電機が搭載されており、走ることでバッテリーを充電し、電力を蓄えることができる仕組みになっています。

ですから、基本的にはスマートフォンなどのモバイル端末のように定期的な充電は必要ありません。しかし、長期間バイクを動かしていない時などは自然放電でバッテリーが弱ったり、使えなくなっていたりする場合もあるので、専用のバッテリー充電器で充電・もしくは交換する必要があります。また、バッテリーは永久に使える訳ではないので定期的な交換が必要になります。

②チェーン&スプロケット

エンジン内で生まれた動力を最終的に駆動輪(後輪)に伝え、リアタイヤを動かすためのパーツが「ドライブチェーン」と「スプロケット(前後)」です。

スプロケットは、エンジン側(ドライブスプロケット)とタイヤ側(ドリブンスプロケット)にそれぞれ1つずつ付いている歯車で、チェーンを介して動力を伝達します。

これらのチェーンやスプロケットは、バイクを走らせることで高速で回転するため、少しずつ摩耗していきます。長持ちさせるには定期的なメンテナンス必要となり、いずれは交換が必要になる消耗部品です。

ちなみに駆動方式には棒状のシャフトで動力を伝える「シャフトドライブ」式やチェーンの部分がゴム状のベルトで構成された「ベルトドライブ」式などがありますが、現在、多くのHondaのバイクに採用されているのは「チェーンドライブ」になっています。

③エアクリーナー

バイクのエンジンは、ガソリンと空気を混ぜた『混合気』をエンジン内で圧縮して爆発させ、そのエネルギーによって動いています。

そんなエンジン内に“綺麗な空気を送り込むため”に装備されているのが「エアクリーナーエレメント」です。

家庭にあるエアコンなどでもフィルターが備わっているかと思いますが、バイクにも空気中のゴミやチリなどを取り除いてくれるフィルターが備わっていて、走行することで徐々に汚れていきます。

フィルターが乾燥している乾式フィルター、オイルで湿らせてある湿式フィルターの2種類があり、車種によって形状なども異なりますが、いずれも定期的な交換が必要になります。

④タイヤ&ホイール

特殊なゴムで形成された「タイヤ」は、エンジンの力を路面に伝え、その摩擦力でバイクを押し出したり、コントロールしたりするためのとても重要なパーツになります。

タイヤの構造には大きく分けて2種類があり、操縦性や安定性が高くスポーツ走行などに適した「ラジアルタイヤ」と、低速走行や悪路走行などに適した「バイアスタイヤ」があります。

タイヤはバイクの種類やキャラクターによって、そのバイクに最適なタイヤサイズで設計されており「ホイール」のインチ数や幅・扁平率などでも乗り味が大きく変わります。

タイヤは走行性能だけではなく、快適性や安全面、燃費性能までも担っている非常に奥が深いパーツとなります。

⑤サスペンション前後

車体とタイヤを繋ぎ、特殊なスプリング(バネ)やダンパー(ショックアブソーバー)と呼ばれる装置でバイクを支えているのが「サスペンション」です。

フロントタイヤと繋がっている車体前方の「フロントサスペンション」と、リアタイヤ&スイングアームと繋がっている「リアサスペンション」の2種類で構成されています。

日本語で「懸架装置(けんかそうち)」とも呼ばれる前後サスペンションは、走行中に路面に凹凸などがあっても、このサスペンションがショックを吸収・緩和することで、快適・安全にバイクを走らせることができる重要なパーツになります。

一般道や高速道路、サーキット走行など、あらゆるシチュエーションにおいて、バイクの操縦安定性や乗り心地にも大きく関わります。

また、バイクはライダーの体重差などでもサスペンションへの負荷が変わるため、好みに応じてバネの強さの調整や減衰力の調整ができるアジャスト機構を備えたサスペンションもあります。

⑥エンジン

最後は、そのバイクのキャラクターを決定づけるといっても過言ではないパーツ「エンジン」です。

エンジンには250ccや1000ccなど「排気量」が設定されており、簡単にいえば、エンジンが吸い込むことができる空気と燃料の量のことを指します。一般的に排気量が大きいと、よりパワフルになります。

日本のバイクの免許区分は、エンジンの排気量で分類され、〜50ccまでを「原付免許」、〜125ccまでを「小型限定普通二輪免許(AT含む)」、〜400ccまでを「普通二輪免許」、全ての排気量に乗れる「大型二輪免許(AT含む)」で区分されています。

現在主流となっている4ストロークエンジンは「吸気・圧縮・燃焼・排気」の4つのサイクルを連続的に繰り返すことによって、動力を生み出しています。

また、エンジンにはピストンの数を示す「気筒数(単気筒や2気筒など)」や、シリンダーの配置による「エンジンレイアウト(直列型やV型など)」があり、さらに、エンジン内で発生した熱を冷却するために、主に走行風で冷やす「空冷エンジン」と、冷却水を使って冷やす「水冷エンジン」によって分けられ、それぞれが違った走行フィーリングを持っています。

いかがでしたか?

上級編となる今回は、バイクのキャラクターやマシン性能にも大きく関わる6つの項目を解説しました。

初級編、中級編と合わせて、教習所に行く前に『バイクの基礎知識』として是非覚えておいてくださいね!

【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】

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