「ホンダの道は一日にして成らず」第12回では、ファイナルエディション発表が待たれる、CB1100 EXをご紹介しました。
「ホンダの道は一日にして成らず」第13回の今回は、CB1100 EX 同様、ファイナルエディション登場前の「CB1100 RS」 を前・中・後編と3回にわたって振り返ります…。
もはや存在そのものが奇跡として感謝したいホンダの空冷4気筒を搭載したCB1100シリーズ。最高にテイスティなエンジンなんだから、のんびりゆったり走るだけで良いのでは?
CB1100シリーズには『EX』があれば十分じゃない?
ホンダCB1100シリーズといえば、そのアイコンは心臓部となる空冷4気筒エンジンで間違いありません。
排ガス規制も厳しい現代に、よくぞこれだけテイスティなエンジンを作れるものだと、ホンダの技術力に感心するばかり。
そして、そのエンジンを穏やかな時間の中で味わい尽くせるのがCB1100EXというバイクです……が!
CB1100シリーズには『RS』の設定があるんですよね。その名が示す通りスポーティなバージョンとして。
このRSの存在について『え……それって必要? 味わいバイクなんだからEXだけで良くない?』って思う人、実はけっこういるんじゃないかなと私(北岡)は思っています。
だってテイスティなバイクはテイスティなバイク。そこにスポーツ性を組み合わせても、特に速い訳でもない中途半端なバイクになっちゃうんじゃ?
そう考えるのは自然なことだと思いますが……
さにあらず!
やっぱりね、ホンダが自社のスポーツブランドネームとなる『CB』の名前を与えて『RS』っていう名前までつけてくるには理由があるってこと、今回乗ってみて痛感しました。
ちなみにCB1100RSの特徴は主にその『足まわり』にあります。
走りを意識したCB1100RSの装備
RSは前後に17インチのキャストホイールを履き、ワイドなラジアルタイヤを装着。
フロントフォークにはインナーチューブ径Φ43mmの正立フォークでショーワ製のデュアル・ベンディング・バルブを採用。サスセッティングもRS仕様に最適化されています。そしてブレーキキャリパーがラジアルマウントされているところも見逃せません。
目立つリアサスペンションはリザーバータンク付きのスポーティなもの。さりげなくアルミ製のスイングアームを装備していたりもします。
けっこうきちんと『スポーツバイク』として整えられているんですよね。
そして、私がわりと真剣に驚いたのがハンドル……というか、ライディングポジションでした。
ぶっちゃけね、はじめて跨ると『けっこう前傾姿勢だな』って感じると思う。バーハンドルだけど、ハンドル位置がそこそこ低い。ステップ位置との相関関係もありますけどね。
なんなら250ccフルカウルスポーツなどによく見る『優しめのセパハン』くらいの前傾姿勢なんじゃないか?って感じるほどでした。
しかもこのポジション、なんだかテンションが上がるんですよ。こりゃけっこう走りそうだぞ! って。
エンジンの仕様は『CB1100RS』も『EX』も同じ
とはいえ、エンジンの仕様はCB1100RSもEXも基本的に同じ。
最高出力90馬力を低めの7500回転で発生する、低~中速域重視の空冷4気筒エンジンです。
冒頭にチラッと言いましたけど、空冷4気筒エンジンのテイスティさを楽しむだけならEXで十分じゃない? という思いもあります。なにせ私(北岡)は、こういう味わい系バイクが大好物なものでして……
だけど、これがまた……けっこう雰囲気があるんです。
クラッチをつないで走り始めると、自然に居ずまいを正したくなる。
スポーツバイクが好きな人ならわかると思うんですけど、走り始めてから1度、軽く腰を浮かせて適正な着座位置を確認する感じ。そういう気構えみたいなものが自然に湧いてきます。
CB1100はEXだけで十分でしょ? なんて言っておいてアレですけど……なんかイイ感じ。
あれ? 味わい系エンジンのはずなのに、CB1100RSの中にきっちり『走り』を感じてる???
【文/北岡博樹(外部ライター)】
NEXT▶▶▶速さだけが『スポーティさ』の物差しじゃない
レンタルバイクで『CB1100RS』を探してみる!
HondaGO BIKE RENTALならリーズナブルに体感!料金など詳細はこちら