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味わいバイクの『CB1100』シリーズに『走りのRS』って必要なの?【ホンダの道は一日にして成らず 第13回/Honda CB1100RS(2018)前編】

「ホンダの道は一日にして成らず」第12回では、ファイナルエディション発表が待たれる、CB1100 EXをご紹介しました。

「ホンダの道は一日にして成らず」第13回の今回は、CB1100 EX 同様、ファイナルエディション登場前の「CB1100 RS」 を前・中・後編と3回にわたって振り返ります…。

 

もはや存在そのものが奇跡として感謝したいホンダの空冷4気筒を搭載したCB1100シリーズ。最高にテイスティなエンジンなんだから、のんびりゆったり走るだけで良いのでは?

CB1100シリーズには『EX』があれば十分じゃない?

※写真はCB1100EX

ホンダCB1100シリーズといえば、そのアイコンは心臓部となる空冷4気筒エンジンで間違いありません。

排ガス規制も厳しい現代に、よくぞこれだけテイスティなエンジンを作れるものだと、ホンダの技術力に感心するばかり。

そして、そのエンジンを穏やかな時間の中で味わい尽くせるのがCB1100EXというバイクです……が!

CB1100シリーズには『RS』の設定があるんですよね。その名が示す通りスポーティなバージョンとして。

このRSの存在について『え……それって必要? 味わいバイクなんだからEXだけで良くない?』って思う人、実はけっこういるんじゃないかなと私(北岡)は思っています。

だってテイスティなバイクはテイスティなバイク。そこにスポーツ性を組み合わせても、特に速い訳でもない中途半端なバイクになっちゃうんじゃ?

そう考えるのは自然なことだと思いますが……

さにあらず!

やっぱりね、ホンダが自社のスポーツブランドネームとなる『CB』の名前を与えて『RS』っていう名前までつけてくるには理由があるってこと、今回乗ってみて痛感しました。

ちなみにCB1100RSの特徴は主にその『足まわり』にあります。

走りを意識したCB1100RSの装備

RSは前後に17インチのキャストホイールを履き、ワイドなラジアルタイヤを装着。

フロントフォークにはインナーチューブ径Φ43mmの正立フォークでショーワ製のデュアル・ベンディング・バルブを採用。サスセッティングもRS仕様に最適化されています。そしてブレーキキャリパーがラジアルマウントされているところも見逃せません。

目立つリアサスペンションはリザーバータンク付きのスポーティなもの。さりげなくアルミ製のスイングアームを装備していたりもします。

けっこうきちんと『スポーツバイク』として整えられているんですよね。

そして、私がわりと真剣に驚いたのがハンドル……というか、ライディングポジションでした。

ぶっちゃけね、はじめて跨ると『けっこう前傾姿勢だな』って感じると思う。バーハンドルだけど、ハンドル位置がそこそこ低い。ステップ位置との相関関係もありますけどね。

なんなら250ccフルカウルスポーツなどによく見る『優しめのセパハン』くらいの前傾姿勢なんじゃないか?って感じるほどでした。

しかもこのポジション、なんだかテンションが上がるんですよ。こりゃけっこう走りそうだぞ! って。

エンジンの仕様は『CB1100RS』も『EX』も同じ

とはいえ、エンジンの仕様はCB1100RSもEXも基本的に同じ。

最高出力90馬力を低めの7500回転で発生する、低~中速域重視の空冷4気筒エンジンです。

冒頭にチラッと言いましたけど、空冷4気筒エンジンのテイスティさを楽しむだけならEXで十分じゃない? という思いもあります。なにせ私(北岡)は、こういう味わい系バイクが大好物なものでして……

だけど、これがまた……けっこう雰囲気があるんです。

クラッチをつないで走り始めると、自然に居ずまいを正したくなる。

スポーツバイクが好きな人ならわかると思うんですけど、走り始めてから1度、軽く腰を浮かせて適正な着座位置を確認する感じ。そういう気構えみたいなものが自然に湧いてきます。

CB1100はEXだけで十分でしょ? なんて言っておいてアレですけど……なんかイイ感じ。

あれ? 味わい系エンジンのはずなのに、CB1100RSの中にきっちり『走り』を感じてる???

【文/北岡博樹(外部ライター)】

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