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1万円?3万円?バイクツーリングで『できること』は使えるお金でどれくらい変わる?【はじめてのツーリング/予算別イメージ編】

ツーリングを計画する際どれくらいのお金を準備すればいいのか?
準備する予算によってできることや行動範囲が変化します。

予算をしっかり定めてツーリングを計画するのもひとつの方法ですよ!

どのくらいの予算で、何ができて、どこまで行けるか?

ツーリングにおいて『予算内で何をするか?』というのは、ライダーの趣味嗜好によって大きく変わってきます。人によってはグルメにお金を掛ける人もいるでしょうし、とにかく遠くまで走っていきたいというタイプの人も多い。旅の楽しみ方は千差万別です。

ただ……それが初めてのツーリングとなると、実際どれくらいのお金がかかるかって想像しにくいですよね。

今回は予算別にどういった行動が取れるか、そのイメージを紹介します。

意外と制限の多い1万円

1万円。

日帰りで遊びに行く予算としてはけっこう多く思えますが、ツーリングにおいては案外すぐに無くなってしまうケースがあります。

バイクツーリングにおいて、具体的に予算の内の大半を占めるのがガソリン代と高速道路料金です。

例えば、Honda『GB350』の場合、メーカーが公表しているWMTCモード値の燃費が41.0km/L。タンク容量が15L。

なので、ガソリン満タン時には計算上615kmの航続距離があることになります。

ガソリンの時価を170円と仮定すると、一回の給油金額は最大で2,550円。
622.5km走るのに大体2,550円かかる計算になります。
これに食事代で2,000円強は使うと仮定すると、この時点でもう約5,000円。
となると、残りは約5,000円となります。

ちなみに『GB350』は燃費がかなり良好なバイクなので、大型のスポーツモデル等はさらにガソリン代がかかることを想定しておいた方が良いでしょう。

そして高速道路を利用しようと思うと、さらに制限が増します。

例えば、東京の芝公園ICから静岡の沼津ICまで高速道路を使うと、平日日中のETC料金で片道3,740円。

燃費性能が非常に良いためにガソリン代を抑えられるGB350でも、上記区間を往復して利用してしまうと予算のほとんどを使ってしまう計算になります。

逆に高速道路を使わなければ使える予算はかなり増えますが、その場合は移動に時間がかかることを受け入れなければなりません。そういう意味で言うと50ccや原付二種バイクにとっては「1万円」はかなり楽しめる予算と言うこともできそうです。

知恵を絞れば1万円で1泊のツーリングも楽しむことはできますが、基本的に「1万円」という予算は近場への日帰りツーリングがおすすめの予算感です。

一泊二日も視野に入る2万円

ところが、そこから1万円増えるとかなり行動の幅が広がります。

日帰りツーリングの場合は高速道路で進出できる範囲が広がります。
食事や観光で使えるお金も増え、ツーリングプランの内容がより豊かになるでしょう。

例として、ETCを搭載した『GB350』でツーリングプランを組む場合、往復約600km圏内であれば、上記の通り想定されるガソリン代は多くて2,500円程度。

残り1万7,500円のうち、往復1万円を高速料金に充てても7,500円で食事や観光を楽しめます。

ちなみに、高速道路料金を1万円までと定めると、東京・銀座ICから大体150km前後の範囲を往復移動できます(例:銀座ICから静岡ICでETC料金4,910円、約180km)。

逆に、高速道路を使わなければ、ビジネスホテルなどの宿泊施設も利用できるので1泊のツーリングが視野に入ります。

ただし、1泊するとその分食事代も増えるので注意が必要です。

3万円! これだけあれば自由度は一気に広がる!?

2万円で行動範囲がかなり広がったように、3万円あればさらにできることが増えます。
2泊するには、移動距離を考えても心許ないですが、1泊のツーリングには3万円あれば宿泊、食事、観光など十分楽しめるのではないでしょうか。

例えばですがざっくりと、1万円が高速道路料金、1万円が宿泊代、残り1万円が燃料と食費中心というイメージがわかりやすいかもしれません。

これらの予算配分は高速道路利用の有無、もしくは移動距離によって適宜アレンジが可能。
自分の旅スタイルに合わせた選択肢がとれる余裕があるのが予算3万円です。

ちなみに予算を圧迫しやすい高速道路を「都市部からの混雑する場所からの脱出用」として最低限の利用で済ませると、できることの幅が一気に広がるのも3万円ツーリングの特徴です。

なるべくお金を使わない『工夫のある』ツーリングを楽しむ

お金を節約する方法として一番簡単なのは、なるべく高速道路を使わずに一般道を利用することでしょう。一泊でツーリングしたい場合には、ライダーハウスやゲストハウスなどかなり安価で泊まれる宿もあります。

いずれにせよ、予算をある程度決めて、その範囲でツーリングを行う場合にいちばん大事なのは事前のプランニング、そして『工夫すること』です。

当サイトでも実際に私がなるべくお金を節約し、予算1万円で1泊2日の「東京駅⇔伊豆半島1周ツーリング」に挑戦した記事を公開しています。ちょっと極端かもしれませんが、よろしければ「1万円」という予算イメージの参考にしてみてください。

かかる費用を計算しながらツーリングプランにひと工夫を!

今回1万円、2万円、3万円と予算別にツーリングプランについて考えてみましたが、限られた予算の中でどのような楽しみ方をするかは最初に言ったとおり、人それぞれ自由です。

はじめのうちは予算感のイメージが掴みづらいかもしれませんが、まずは一度やってみることが何より大事。
愛車の燃費性能、ガソリン代、行きたい場所までのルートと時間配分、目的地で使いそうな金額など、下調べをしてみてください。そうすれば自ずと予算をいくらにするか、また予算内で何ができるかが明確になるはずです。

それに!

そうやって頭を使ってツーリングプランを考えるのって、思っているよりも楽しい時間なんですよ? だって、あなたの『ひと工夫』で予算以上に楽しい旅を生み出すことだってできるんですから!

【文:石神邦比古(外部ライター)】

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