クルマでいくオートキャンプやファミリーキャンプと違って、バイクツーリングではキャンプ道具を全て車体に積載しなければなりません。では、持っていける荷物に限りがあるバイクキャンプの道具選びにおいて、どんなところに注意すべきでしょうか?
キャンプツーリングの道具はたくさん揃えるべきか?
自然の中で一夜を過ごすキャンプは、テントやシュラフ(寝袋)を始め、たくさんのキャンプ道具が必要になります。
近年のキャンプブームでひと昔前までは考えられないほど低価格でたくさんの種類がリリースされています。
もちろんキャンプ道具がいっぱいあれば、より快適になることは確かです。
しかし、持っていける荷物に限りがある『キャンプツーリング』においては、話が少し変わってきます。
バイクへの積載やキャンプ道具の設営&撤収まで含めると、荷物が少ない方が何かとスムーズになるからです。
では、バイクでのソロキャンプではどんなキャンプ道具から揃えればよいのでしょうか?
まずは“キャンプ三種の神器”「テント」「シュラフ」「マット」を選ぶ
まずはこれがなければキャンプが始まらないとも言える「テント」「シュラフ」「マット」三種の神器です。
初めて購入する場合は、①テント→②シュラフ→③マットの順番で選ぶとよいでしょう。
いずれも様々な種類やカタチ、価格帯のモノがありますが、バイクツーリングに向いているのはどのような種類でしょうか?
ソロキャンなら「ドーム型」が定番!あえて2人用サイズや前室が広いテントがオススメ
「テント」はフライ付きの「ドーム型テント」が定番です。特に室内の外にスペースがある『前室が広いテント』が向いています。
バイクツーリングではヘルメットやジャケット、ブーツなどのライディング装備もありますので、普通のキャンプに比べて装具などの荷物が多くなります。
それらを全て室内に入れるとなると、一人用テントだと居住スペースが狭くなり、快適に寝られる場所が限られてきますからね。
また、ソロキャンプでもあえて2人用テントなど室内が広いものを選ぶライダーも多いです。
「しっかり寝られる」がキャンプ上手の分かれ目! シュラフ(寝袋)にはお金をかける価値がある
「シュラフ」は、アウトドアの状況下でもぐっすり眠るための、もっとも重要なキャンプ道具と言えます。
昔キャンプをやったことがあるけどキライになった人の理由として「ちゃんと寝られなかった…」が一番多いので、シュラフの選び方がキャンプ上達への第一歩です。
値段も1000〜2000円くらいのものもあれば、8〜10万円もするものまで、価格帯がとても幅広いのが特徴です。
シュラフの中に使われている素材は、鳥の羽を使用した「ダウンタイプ」や、化学繊維を使った「化繊タイプ」の2種類があり、一般的に化繊素材のシュラフよりダウン素材のシュラフの方が収納サイズがコンパクトになります。
また、シュラフには季節に応じた「快適温度」が設定されており、10℃〜-15℃など、体感温度やシーズンに対応した種類を選ぶ必要があります。
価格もダウンタイプの方が高額、化繊タイプの方が低価格になる傾向にありますが、シュラフの性能は「価格相応」なので、使用する季節や頻度で納得のいくものを選ぶのがよいでしょう。
マットがなくてもキャンプはできるけど、絶対にあったほうがいい!
キャンプにおけるベッドとも言えるのが「マット」です。
最近ではポールフレームを使用して簡易ベッドのようになる「コットタイプ」なども人気です。
ウレタン素材を丸めた「ロールマット」や、空気を入れて膨らませる「インフレータブルタイプ」など、種類は様々ですが、キャンプツーリングではコンパクトになる“インフレータブルタイプ”がオススメです。
マットやコットがなくてもキャンプはできますが、地面からの断熱効果もあるので、快適に眠るためにも是非揃えたい道具ですね。
バイクツーリングでのキャンプ道具は『収納サイズ』が肝心!
種類にもよりますが、キャンプ道具の中でも特に『テントの収納サイズ』が一般的に一番大きくなります。
特に横幅があまり長すぎるものはキャンプツーリングに向きません。
例えば、バイクツーリングの定番テントとも言えるコールマンのロングセラーモデル「ツーリングドームST(1~2人用)」の収納サイズを見てみましょう。
こちらのテントの収納サイズは横幅が約54cm、直径が約23cmです。
ソロキャンプツーリング用に作られただけあって、比較的コンパクトで軽量なテントと言えるでしょう。
テントサイズを基準に、シュラフやマット、その他のキャップグッズなどの収納サイズを選んでいくとコンパクトにまとまり易いんです。
テントの収納サイズを基準にツーリングバッグのサイズを選ぶ
キャンプツーリングでは多かれ少なかれ、全てのキャンプ道具をバイクへ積載しなければなりません。
積載の方法は人それぞれですし、車両によっても変わってきます。
パニアケースが備わった車両がキャンプには最適ですが、全ての車両に装着できるものでもありません。
上の写真のようにドローコードやネットでもバイクへの積載は可能ですが、しっかり積んだつもりでも、走行中の振動や急停止などで荷物がズレたり、落下の危険性もあります。
また、汚れたり雨が降ったりする可能性もありますし、広げたあとに忘れ物をしてしまうこともあるので、できればツーリングバッグやロールバッグにキャンプ道具をまとめて積載したいところです。
キャンプツーリングでは『本当に必要な道具』を厳選する
極端な話ですが、キャンプはテントとシュラフ、マットの三種の神器さえあればできてしまいます。
しかし、それだけに絞ってしまってはちょっと寂しいですし、せっかくのキャンプツーリングの楽しみも半減してしまいますよね。
ですので、自分が持っていきたいキャンプ道具を厳選するために、まずはこれまで紹介したキャンプ三種の神器「テント」「シュラフ」「マット」の“収納サイズ”で選ぶことから始めるとよいでしょう。
そうすれば、バッグの容量と相談しつつ『自分にとって本当に必要なもの』を厳選しやすくなりますからね!
【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】