ガソリンスタンドには従業員がガソリンを入れてくれる「有人タイプ」のスタンドと、自分で給油する「セルフタイプ」の2種類があります。
今回は有人タイプのガソリンスタンドの使い方について解説します。
従業員がガソリンを入れてくれる「有人スタンド」の使い方
内燃機エンジンを搭載したバイクを動かすには、燃料となる『ガソリン』が必要です。
そのガソリンを販売しているのが、ご存じ、「ガソリンスタンド」。
自分の家にクルマがある人であれば、家族がガソリンスタンドに寄るのを見て、基本的なことは分かっていると思います。
だけど最近は「車を持たない家」も多いですし、バイクの免許を取って、初めて自分ひとりでガソリンスタンドを使うとなると、どう利用したら良いのか・・・ちょっと緊張しますよね。
そのガソリンスタンドには従業員の方が常駐している「有人タイプ」のスタンドと、給油から支払いまで全てライダー自身が行う「セルフタイプ」の2種類があり、それぞれの利用の仕方が少し異なります。
今回は「有人タイプ」のガソリンスタンドの使い方や仕組みをご紹介します。
従業員の方が常駐している有人のガソリンスタンドは、バイクもクルマと同じく、お店のスタッフさんがバイクを誘導してくれるので、指示に従ってバイクを停めてエンジンを切りましょう。
クルマでもそうですが、一般的に「給油口を開けるまで」は自分でやります。バイクは一旦キーを抜いてから、そのキーで給油キャップのロックを開けるタイプが多いので、エンジン停止からの流れで、ライダー自身がそのまま給油口を開けるケースがほとんどです。
続いては、ガソリンスタンドで販売されている「ガソリンの種類」についてです。
燃料となるガソリンは一般的なバイクやクルマに使用されている「レギュラーガソリン」と、高回転型のスポーツエンジンなどに使われる「ハイオク(無鉛プレミアム)ガソリン」、ディーゼル車に使われる「軽油」の3種類が販売されており、車種よってどのタイプのガソリンを使用するのかが、あらかじめ指定されています。
【レギュラー】
もっとも一般的なガソリン燃料となるのが「レギュラーガソリン」です。多くの国産バイクは、このレギュラーガソリンで動作するように設計されているため、日本の標準的なガソリンと言えるでしょう。現在、ラインアップされているほとんどのホンダのバイクはこの「レギュラー」指定になっています。
【ハイオク(無鉛プレミアム)】
レギュラーガソリンに添加物などを加えて“オクタン価”を高めたハイグレードなガソリンが「ハイオクガソリン」で、別名『無鉛プレミアム』とも呼ばれます。高性能・高出力エンジン車や、輸入車に用いられることが多い燃料となっており、価格もレギュラーガソリンに比べて1リットルあたり10〜20円程度高く設定されています。
【軽油】
クルマのディーゼルエンジン車専用の燃料になるのが「軽油」です。かつてはバイクにもディーゼルエンジン車がありましたが、現在ではラインアップされていませんので、バイクで使用することはありません。
ちなみに、ホンダの現行車ラインアップでは『CBR1000RR-R』のみが「ハイオク(無鉛プレミアム)指定」となっており、給油口付近に「無鉛プレミアム」のコーションラベルが貼られています。
間違えてレギュラー指定のバイクにハイオクを入れてしまったり、逆にハイオク指定のバイクにレギュラーを入れてしまっても、すぐに故障したり壊れたりする訳ではありませんが、エンジンの性能や耐久性などに影響しますので、そのバイクがレギュラー指定なのかハイオク指定なのかを事前に把握しておきましょう。
ただし、間違って“軽油を入れてしまう”と故障の原因になります。絶対に入れないようにしましょう。
有人スタンドでの注文は“合言葉”のように伝えればOK!
有人のガソリンスタンドでは“3つのこと”を伝えるだけで従業員の方が給油をしてくれます。
① 燃料は「レギュラー」なのか「ハイオク」なのか
② 支払いは「現金」なのか「クレジットカード」なのか(場所によっては電子マネーやスマホ決済などもあります)
③ 給油の量は「満タン」なのか「数量指定」なのか「金額指定」なのか
たったこの3つだけです。
ですから、慣れてくれば、
『①レギュラー(ハイオク)』を『②現金(カード他)』で『③満タン(金額or数量)』で!
と合言葉のように伝えれば、従業員の方にしっかり伝わります。
ガソリンを入れ終わったら、給油キャップの閉め忘れに注意して、支払いを済ませれば給油完了です。
ガソリンスタンドで出来る、その他のサービスって?
店舗にもよりますが、ガソリンスタンドは燃料を給油するだけでなく、様々なサービスが受けられる場所でもあります。
特に有人のガソリンスタンドは従業員が常駐しているので、その地域のことや何か分からないことがあったら聞くことができるのも便利。
ちなみに私はツーリング先で「地元の美味しい店」を従業員の人に聞いたりもします。
クルマでの利用だと洗車場が併設されていたり、タイヤやワイパー、オイルなどの消耗品交換や、フロントガラスなどの窓拭き、ゴミ捨てや各種点検などの様々なサービスを行ってくれる店舗もありますが、バイクの場合はどうなのでしょうか?
店舗によってはバイク用の高圧洗車機があるスタンドやバッテリー充電などを行ってくれるところも稀にありますが、基本的にはクルマほどの充実したサービスが受けられる店舗は少ないと思っていた方が良いでしょう。
ガソリンスタンドは基本的に「クルマ用」の設備がメインの場所だと認識しておくほうが無難かもしれません。
しかし、トイレは自由に使えますし、飲み物の購入やちょっとした休憩などに利用することができます。
また、場所によってはスマートフォンの充電コーナーなどもあったりします。急に天候が悪くなってきた時などの雨宿りにも便利です。
タイヤの空気圧のチェック&調整ができる場合も
更に便利なのは、有人ガソリンスタンドでは「タイヤの空気圧のチェック・調整」は基本的に無料サービスです。
有人スタンドでは従業員の人に「タイヤの空気圧チェックをお願いできますか?」と伝えれば、基本的に従業員の人が対応してくれます。
ただし、先にも言いましたが基本的に「クルマ用の設備がメイン」なので、構造が複雑なバイクには対応できないケースが多数あるのでご注意ください。
対応できる場合は「空気圧はどれくらいにしますか?」と聞かれることになります。タイヤの空気圧は車種ごとに異なりますが、左側のスイングアームやチェーンカバーなどに、写真のようなコーションラベルが貼られていますので、それを参考に規定の空気圧に合わせましょう。
ちなみにライダーの場合、エアタンク型のタイヤ空気入れを貸してもらって自分でやる人もけっこういます。エアバルブのゴムキャップを外して空気入れの先端をバルブと接続し、エアゲージを見ながら規定の空気圧まで注入すればOK。
空気入れの使い方がわからない場合も、有人ガソリンスタンドの場合は従業員の人に聞くことができるのもポイントのひとつです。
ツーリング先でタイヤの空気圧の調整ができるのはありがたいですね。
いかがでしたか?
店舗にもよりますが、ガソリンスタンドは燃料を入れる以外にも、色々と活用できるサービスが揃っているので知っておいて損は無し!
はじめての頃は有人のガソリンスタンドはすこし緊張するかもしれませんが、有人スタンドならではのメリットもあります。
使えるサービスはフルに使って、バイクライフを楽しんでくださいね!
【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】