バイクに乗り慣れた先輩ライダーは必ずと言っていいほど「バイク専用ジャケット」を着て走っているのはなぜでしょうか?今回ははじめてライディングジャケットを選ぶときに知っておきたい知識をご紹介します!
やっぱりライディングジャケットって必要なの? そもそもどうやって選ぶべき?
バイクに乗るにはヘルメットはもちろんのこと、その季節にあったジャケットやグローブなどのバイク専用ライディングギアがあると、より安全で快適なバイクライフを送ることができます。
特にライダーの上半身を護るライディングジャケットは、一般アパレルの服とは比べものにならないほどの安全性や機能性が備わっているので、愛車やヘルメットと同じようにお気に入りの一着を選びたいものです。
しかし、はじめてライディングジャケットを購入するとなると、最初はどんなものを選べばいいのかわかりませんよね。
そこで今回は、ライディングジャケットにはどんな種類があるのかを紹介しつつ、バイクに乗るときになぜ「バイク専用ジャケット」が推奨されているのかも解説します!
ライディングジャケット選びは一般アパレルを選ぶよりも難しくない!?
春から初夏にかけての季節は、半袖で過ごせそうなくらい暖かくなる日もあれば、寒の戻りでコートやダウンが必要になるほど冷え込む日もあったりと、普段着の服装選びで迷うことってありますよね。
バイク専用のライディングジャケットにも、その季節にあった春夏用や秋冬用の衣替えが必要になるのは確かですし、単純にオシャレだけを気にして選んでよいものなのかどうか迷ってしまうかもしれません。
それにバイクに乗って走るときは走行風を常に受けていますし、太陽の紫外線も浴び続けます。ツーリングで高低差のある山岳エリアに行くと、麓と山頂付近では気温差が異なることもありますし、突然の雨や強風など天候によっても寒暖の差は大きく変わるものです。
そのような普段とは少し違う特殊な環境下の中を走ることもあるバイクウェアは、一見すると選ぶのがちょっと難しそうなイメージがあるかもしれません。
でも実は、バイク専用のライディングジャケット選びって、機能性や安全性の観点から見てみるとそれほど難しいものではないんです。
バイクにもスポーツバイクやアドベンチャーなどのカテゴリーがあるのと同じように、ライディングジャケットにもいくつかのジャンルがあり、車種やカテゴリーにあったデザインのウェアが選べるようになっているんです。
ここからは一般的なライディングジャケットの「3つのカテゴリー」をご紹介します。
スポーツバイクにマッチするデザインと機能性「スポーティタイプ」
ネイキッドバイクやフルカウルモデルなどのスポーツバイクにおすすめのデザインになっているのが「スポーティタイプ」のライディングジャケットです。
バイクの車体デザインやカラーリングなどにマッチするように、ロゴや装飾デザインなどが施され、全体のパターンもスポーティな走りに適したショート丈になっているのが特徴。
愛車がスポーツバイクの方は、まずはこのタイプのカテゴリーから好きなデザインを選ぶのがおすすめです。
街乗りからツーリングまで幅広く使える「カジュアルタイプ」
車種を選ばず、ちょっとした街乗りからツーリングまで幅広く使えるライディングウェアとしておすすめなのが「カジュアルタイプ」です。
これらのカジュアルタイプは種類によってデザインが大きく異なりますが、Honda春夏ライディングギアには、フード付きパーカースタイルのジャケットや、ミリタリーテイストのMA-1タイプ、オシャレなコーチジャケットタイプのデザインなど、一般アパレルと見紛うほどのジャケットがラインアップされています。
バイクを降りて街歩きする時なども使いやすく、どんなバイクにも似合いますから、はじめの1着としておすすめのカテゴリーになっています。
春夏秋で使えるマルチスタイル「3シーズンタイプ」
ライディングジャケットには、真夏用のメッシュウェアや極寒時に頼もしい防寒ウェアなど特化型のウェアもありますが、春夏秋など1年の大半を通して使える「3シーズンタイプ」もラインアップされています。
暑いときは腕脇や背中などに備わっているベンチレーションを開けることで走行風を取り込むことができたり、逆に肌寒いときは着脱可能なインナーウェアを取り付けられるなど、気象条件や環境に合わせて対応できるようになっているのが特徴です。
3シーズンタイプのジャケット1着である程度の気候に対応できるので、暑いのか寒いのか判断に迷う時期のツーリングや、季節ごとに買い換えたりするのが大変な方にもおすすめのカテゴリーになっています。
バイクに乗るときに「専用ジャケット」が推奨されている理由はこれだけある
ライディングジャケットの種類やカテゴリーがわかったところで、次からは一般アパレルとは違うバイク専用ウェアならではの「機能性」についてご紹介します。
バイク専用ウェアには、プロテクターやベンチレーションなどライディングに最適な快適性や安全性が備わっていて、カテゴリーや種類を問わず概ね同じような機能が備わっているものがほとんどです。
今回は春夏モデルのHondaライディングギア2025にラインアップされているAVIREX × Honda「MA-1 メッシュブルゾン」を題材として、バイク用ジャケットにはどんな機能が備わっているのか見ていきましょう。
プロテクター装備の安心感は見た目以上!
一般的なアパレルとライディングウエアの一番大きな違いと言っても過言ではないのが「プロテクション性能」です。
最近のバイク専用ウェアの多くは、肩やヒジ、背中などにプロテクターが予め備わっています。
万が一の時の安全面が高い「ハードプロテクター」が備わっているものや、動きやすく違和感の少ない「ソフトプロテクター」が備わっているものなど、デザインや種類によっても異なりますが、プロテクターが備わっているかいないかで安心感が大きく変わります。
オプションのボディプロテクターも装着可能
また、Hondaのライディングギアは、別売の「胸部プロテクター」が装着できるフラップボタンが備わっているウェアがほとんど。これも一般アパレルにはない専用機能です。
万が一の時にライダーを護ってくれる胸部プロテクターは、はじめは少し着用の煩わしさを感じるかもしれませんが、フラップボタンで簡単に取り付けられればすぐに慣れるので、より安心してライディングを楽しむことができます。
ライディングの動きを妨げないアクションプリーツ
バイク専用ウェアは「バイクに乗る時の乗車姿勢」に合わせて、腕や背中などが突っ張ったりしないように、あらかじめ立体裁断で作られているのでライディングフォームをとったときに窮屈さを感じず、疲れず自然な姿勢を維持できます。
ジャケットの種類やデザインにもよりますが、ウェアそのものが3Dの立体構造になっていたり、動きを妨げないアクションプリーツ仕様や、伸縮性が高いストレッチ素材を使ったものもあります。
バイクのライディングは、ライダーが積極的に操って乗る“スポーツ”でもあるので「動きやすさ」という面でも理想的な作りになっているんです。
夜間の走行も安心な『被視認性』に優れるリフレクター
多くのライディングウェアには、ヘッドライトなどの光に反射する「リフレクター」が備わっています。
ツーリングへ出かけると帰り道などで暗い夜道を走ることもでてきますので、リフレクターが光ることで後続車などにライダーの存在をアピールできます。
Honda「MA-1 メッシュブルゾン」は、両腕に小さいながらも被視認性に優れるリフレクターが備わっていて、ジャケットのデザインを損なうことなく夜間走行でも安心感が増すが備わっています。
走行風を取り込めるメッシュ素材やベンチレーションの機能性
Honda「MA-1 メッシュブルゾン」は、ボティの大半に通気性に優れるメッシュ素材を使用し、夏のライディングでも涼しくて快適なジャケットになっています。ジャケット裏の左右に小物を入れるのに便利なポケットも備わっていました。
内側もメッシュ素材になっていて熱い時期には抜群の通気性を誇りますが、強度が必要な部分にはテキスタイルが組み合わさっているハイブリッド仕様になっており、万が一の時の生地の強度が高められています。
ジャケット別に備わっている充実の便利機能
バイク専用ジャケットは様々な種類があり、備わっている機能性や快適性がジャケットによって異なる場合もあります。
例えば、ミリタリージャケットとして高い人気を誇るMA-1フライトジャケットをモチーフとしているHonda「MA-1 メッシュブルゾン」は、左肩のHONDAロゴの下にMA-1のデザインアイコンとも言えるシガレットポケットが備わっていました。 ちょっとした手回り品を入れておけるポケット類もバイク専用品はファスナー付きなど、走行中にポケットの中身が落ちないような配慮がなされているものがほとんどです。
お気に入りのバイクとライディングギアで安全・快適なバイクライフを!
いかがでしたか?
バイクに乗り慣れたベテランライダーがバイク専用ジャケットを好んで着ているのは、実はデザイン性だけじゃなく、たくさんの機能性や安全性によって一般アパレルの服で走るよりも疲れず快適にバイクに乗っていられるからなんです。また「安全のため」と思われがちなプロテクター類も、それがあることで『護られている感』を感じることができ、ポジティブな気持ちでライディングを楽しむことができるようになります。
今回ここで紹介したジャケット以外でも、バイク専用設計のライディングジャケットには概ね同じような機能が備わっています。だから選ぶのが難しそうに思えるライディングジャケットも、一般アパレルと同じようにデザインや好みで選んで問題ありません。
でも、それを着て走ることで「バイクで走ること」をもっと楽しめるようになるのは確実。本当にバイクが好きなら、着たほうが絶対にお得です。愛車とのバイクライフをより豊かにするためにも、是非お気に入りの1着を探してみてくださいね!
【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】