電動の三輪バイク『ジャイロ イー(GYRO e:)』は完全に趣味のバイクとは切り分けられた存在だと聞いて納得。だとしたら、その実力はいかがなもの?
電動のメリットは『三輪の配達バイク』でこそ活きてくる?
自宅に『日常のアシ』としてジャイロキャノピーを所有するため、興味があって赴いた電動三輪バイク『ジャイロ イー(GYRO e:)』の試乗会。
そこで実際に乗ってみたら驚きました。
むしろ電動バイクって、三輪バイクのホンダ『ジャイロ』シリーズでこそ活きてくるものなんじゃないか?って思うくらいなんです。
ぶっちゃけ言って、こういう『アシ』的なバイクに私(北岡)は趣味性とかハンドリングとか速さなどをほぼ求めません。
安全に乗れて、便利で壊れないこと。それが何より重要です。
そこに加えて、今回はビジネス用途限定のバイクなので、ライダーのスキルを問わない運転のしやすさが大事なところでしょう。
そこで言うと『ジャイロ イー』は身長150cm台の小柄な女性でも難なく乗れるみたい。
バイクなんてほとんど乗ったことがない人が乗るかもしれないんですから、こういう運転のしやすさとか安定感は大事にされてました。
これはまぁ、三輪バイクのメリットなんですが……
いわゆる『極低速でのタイトターン』みたいなシチュエーションでも安定感があるんです。電動になって、シート下に電池を積んでいても、三輪ならではの安定感はガソリン車とほぼ変わりませんでした。
なんならガソリン車の『ジャイロ エックス(GYRO X)』よりもすこし軽やかに動く印象です。徐行レベルのスピードから一気にバイクを寝かせても恐怖感がありません。
その身軽さは細かくバイクを切り返すようなシチュエーションでも有効で、3輪独特の『後ろ二輪ががっつり安定してる感じ』を頼りにしつつ、スイスイと細い道でも走れます。
車体がバンクしていく速度が穏やかなので、落ち着いて走れるんです。
そして!
私(として)最も感動したのが上り坂からの発進。
うちのジャイロキャノピーはこのシチュエーションがとにかく苦手で『なんとか坂を上っていく』っていうイメージなんですが、さすがモーター。内燃機エンジンとは全然特性が違います。
坂道での停止からの発進が素晴らしい! きちんとスムーズに、十分な余力をもって坂を上がってくれるんです。
ちゃんと加速してくれるから、スピードが無さ過ぎてフラフラすることもありませんでした。
しかも、お気づきかもしれませんが……
この時はリアの荷台に20kgの重量物を搭載して走っていたんです。
なのに、その重さをほぼ感じさせることなく、グイグイ上る。これは……絶対にうちのジャイロキャノピーには真似できません。
ひょっとして『配達に使う“電動”三輪バイク』って、電動化のメリットを最大限に享受できるカタチなのかもしれません。
それでいて、これもガソリンエンジン車にはなかなか真似できないものですが、電動なのでモーターの逆回転も簡単。
そのおかげでバックもできるんです。
重量物を積んでいる時には、このバック機能は計り知れないメリットになるものと思われます。
このバイクが『家庭用』になったら欲しい
現時点での『ジャイロ イー』は完全にビジネス用途限定なので、このまま家庭用とするのには(できないこと無いと思いますが)電池のことなど、すこし不便もあります。
でもそれらが遠くない未来に解決されて、もっと普及してコストも下がったら……
素直な気持ちで『これ欲しい』と思いました。
これは私にとって、人生ではじめて『電動バイクを欲しい』と思った瞬間でもあります。
趣味のバイクがいきなり電動になっちゃうイメージはまだ持てませんけど、働く三輪バイクの電動化はかなり有効だと思う。
この『三輪』には電動化によるメリットがすごく明確に感じられました。
ですから、この試みが成功して、その先にシティコミューターとして家庭用にアジャストされた『ジャイロ イー』が生まれてくれたらいいのに! って今は思います。
ホンダが考える近い将来の現実的な『電動バイク』の在り方。
なるほど、これなら共感できる。電動の未来、ちょっとだけ見えた気がします!
よろしければ【前編】もお読みください!