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レーシング女子岡崎静夏の『いつもバイクで!』【GB350編】超本気で欲しくなる、のほほん系オトナ味

ピュアな鼓動感とリーズナブルな価格設定で、’21年春の新登場以来ずっと大人気のGB350。

「寒い時期の散歩にはこういうバイクがやっぱり最適!」と、レースのオフシーズンを過ごす岡崎静夏さんが最新仕様をのんびりツーリングに連れ出した。

操縦しやすさも抜群でツーリングにも最適!

岡崎静夏 見た目はキュートな“バイク女子”だが、真の姿は全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラスにフル参戦する“レーサー”なのだ!

ロードレースはすっかりオフシーズンですが、やっぱりバイクに乗る機会はたっぷりある岡崎静夏です。今のところ、年末年始はオフロード三昧になりそうな予感。トレーニングにもなるし、それを抜きにしてもやっぱり楽しいですしね。

オンロードのほうは、路面温度が低い冬期はサーキットを走る機会がかなり減りますが、暖かい日を狙ってツーリングはエンジョイしたいなあ……というわけで今回は、首都圏在住ライダーにとってはウインターシーズンの定番ツーリングエリアとなっている房総半島の海沿いを、のんびり走ってきました。

その相棒に選んだのは、ホンダのGB350。’21年4月の発売開始以来、何度か乗ったことがある大好きな(=欲しい)バイクです!

’23年7月に仕様変更が施され、車体色変更に加えて最新排ガス規制適合化も施されましたが、最高出力や最大トルクは発生回転数を含めて以前のモデルと同じ。新旧を同じ環境で比べたら違いがあるのかもしれませんが、新型のみに乗っただけでは従来型との差は感じません。ちなみに新色として登場したホワイトはまさに私好み。見ただけで、手に入れたい欲求がさらに高まりました。

GB350は、ルックス以外にもお気に入りポイントがたくさんあるのですが、まず挙げたいのは“トバす”ことをライダーに求めないライディングポジションと走行性能。エンジンパワーやスポーツ性に頼らない楽しさがあります。

とはいえそれは、走りがまったく魅力的ではないという意味ではありません。

意外なほど軽快だけど走りには落ち着きあり

上半身がほぼ直立になるほどアップライトなハンドル位置とオンロードモデルとしては前側にセットされたステップ位置なので、ガツンとフロントブレーキを掛けて鋭くターンするような走りこそまるでイメージさせませんが、ステップを踏みリヤ中心で旋回するのがとても心地よく、しかも自分が思い描いたように曲がってくれます。ハンドリングがナチュラルで、クイックすぎるとかハンドルが切れ込むとか大回りになりすぎる感覚が皆無なので、自在に走らせることができます。

また、車重は179kgで車格も大きめなのですが、走らせたときには不思議なほど重さを感じません。これは駐車場などで押し引きしているときも同様。センタースタンドを掛けるときに初めて「やっぱりそれなりの車重があるんだなあ……」と感じる程度で、私の体格と腕力でも、ほぼすべてのシーンで軽快に扱えます。たぶん、重心バランスがとてもいいのだと思います。

そして、軽快だけど車体が小さすぎないというのも大きなポイント。もちろん体格にもよりますが、男性が乗ってもしっかり映える重厚感が備わっています。

最高出力20psの空冷単気筒モデルなので、のんびりが似合うバイクという印象を抱きがちですし、かつて何度か乗ったことがある私もそういう感覚だったのですが、あらためてツーリングに連れ出してみると、100km/h以下の速度域ならまるで不足はありません。しかも、不快な振動がまるでないのに鼓動感がたっぷり伝わってくるので、スピードを出さなくても満足できちゃいます!

エンジン関連でもうひとつ長所として挙げたいのは、クラッチレバー操作荷重の軽さ。アシスト&スリッパークラッチのおかげで、驚くほど少ない力で握れるので、発進停止や変速を頻繁に繰り返すようなシーンでもイージーに操れます。

トバしたくなる雰囲気がなく、軽快だけど前後ホイールが大径なので走行安定性に優れ、振動が少なく、クラッチレバーが軽くて、航続距離が長いため給油回数を減らせるなど、疲労につながる要素がとても少ないというのがGB350の魅力。それだけでもツーリングとの親和性はかなり高いと思います。加えて、操縦に気を遣わないし、ゆっくり走らせても満足できる鼓動感や心地よさがあるので、旅先で景色を楽しむ余裕もたっぷり。日本の道を楽しむバイクとして最高の存在だと思います。

GB350は、ライダーを落ち着かせてくれる存在。「スポーツしないオトナの楽しさ」が、このバイクには詰まっています!

最初に乗ったときから、本当に大好きなバイクでしたが、あらためて一緒にツーリングしてみて、益々欲しくなってきました……。

GB350:SHIZUKAの評価

1)スタイリング:シンプルな車体構成のネイキッドが好き。とくに、’23年に登場した白は、モノトーンに茶色いシートの組み合わせに惚れちゃいます!

2)スポーツ性:「できる、できない」の話ではなく、トバすことを強要するようなヤンチャな走りを求めていません。スポーツしない楽しさがあります。

3)ツーリング:ライポジは快適だし、前後19/18インチホイールは安定性に優れるなど、疲れる要素がかなり少なめ。航続距離も長くて旅にも最高!

4)街乗り:適度な低中回転域トルクと超軽いクラッチレバーで発進しやすく、足着きを除けば気を遣うシーンは皆無。“足”にもしやすいです。

5)コストパフォーマンス:「えっと……買う!」というくらいリーズナブル。たしかに装備はシンプルだけど、ルックスも走りも安っぽくないところが魅力!

SHIZUKAのお気に入りポイント

【靴が傷まないチェンジペダル】
私はいつもライディングシューズを履いてしまうのですが、シーソー式チェンジペダルによりシフトアップ時に靴の甲部が傷んだり汚れたりしないのはうれしいポイント。しかも、前側ペダルの上下のみでも変速可能です。

【装飾が省かれたレトロなマフラー】
環境性能や安全性などにももちろん配慮しながら、昔のバイクみたいにシンプルなストレートデザインにまとめられたマフラーも大好き。樹脂製のカバーは使わず、全体がクロームメッキ処理され、“金属感”があります!

●まとめ:田宮 徹 ●写真:楠堂亜希
※当記事は(株)内外出版社ヤングマシン掲載記事(2024年2月号)の内容を編集・再構成したものです。

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