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レーシング女子岡崎静夏の『いつもバイクで!』【CB250R編】頼りがいのある車格で俊敏なところが好き!

レースシーズンは終了したけど、11月はイベントにも引っ張りだこでやっぱり多忙な岡崎静夏さん。
でも、冬を迎える前にプライベートなツーリングも楽しんでおきたいなあ……というわけで、今月の相棒にはサクッと楽しめるCB250Rをチョイス!

’22年夏の仕様変更によりさらに好感度アップ!

’23年の全日本ロードレース選手権シリーズは、10月中旬に三重県の鈴鹿サーキットで全日程が終了。最終戦のレース結果は15位でしたがシリーズランキングは12位となり、昨年より2個上がりました。今季は6レースだったのですが、全戦でポイントを獲得。もしかしたら、これは自身初かもしれません。

珍しくケガしていない状態でシーズンオフに突入するので、この冬はオフロードのトレーニングもいっぱいやりたいと思っていますが、それだけでなく、ツーリングもたくさん楽しみたいと考えています。

岡崎静夏 見た目はキュートな“バイク女子”だが、真の姿は全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラスにフル参戦する“レーサー”なのだ!

そこで今月は、冬のショートツーリングにも最適なバイクとして、気軽にスポーティな雰囲気を満喫できるCB250Rをお借りしました。

以前にも何度か乗ったことがあるバイクですが、’22年夏にマイナーチェンジが施されて以降では今回が初めて。とりあえず市街地を流してみた第一印象は、「低中回転域の力強さが増している気がする……」というものでした。

’22年の熟成時に、エンジンは最新排ガス規制に適合化されているのですが、馬力&トルクの数値を落とすことなく、最大トルクの発生回転数は250rpm引き下げられました。逆に最高出力の発生回転数は500rpmアップしているのですが、いずれにせよこのときの仕様変更が、環境性能を高めるだけでなく乗り味にもプラスに働いているようです。

250ccクラスの単気筒エンジンなので、そもそもの特性として、4気筒のように高回転域での伸びを楽しむというよりは、低中回転域での優れたピックアップを生かしながら、早めの変速で操るほうが向いています。結果的にシフトチェンジの回数は増えますが、そのときにライダーの操作を助けてくれるのが、こちらも’22年の改良で新採用されたアシスト&スリッパークラッチ。シフトダウン時は後輪のロックを抑制してくれるし、クラッチレバーの操作荷重は軽くなります。つまり、シフトアップとダウンのどちらでもメリットを感じられる装備です。

また、エンジンでもうひとつ好印象だったのは排気音。音量は常識的にもかかわらず、250ccクラスの単気筒モデルとしては太めのサウンドがライダーに伝わってきて、気分を盛り上げてくれます。

峠道での安心感も生む優れたフロント剛性

車体面で以前と異なるのはフロントフォーク。初期型から倒立タイプでしたが、新たにショーワ(日立アステモ)製SFF-BPを採用しています。その恩恵もあり、ワインディングを走らせたときにフロントまわりに剛性や余裕を感じられるのが、このバイクの特徴。例えば、下りのワインディングを走っているときにコーナーの進入でハードブレーキングしたときに、かなり耐えてくれる感覚が得られ、その安心感は絶大です。また、ライダーがハンドルに入力して積極的にフロントから曲げるようなライディングもできるので、のんびりバイク任せで走らせるだけの車種と比べて、よりスポーティな雰囲気を味わえると思います。

また、このCB250Rには、急制動時の後輪浮き上がりを効果的に抑制するIMU(車体姿勢推定システム)付きのABSが搭載されています。ライディング中に、それがあることの効果をスゴく体感できるわけではないのですが、「こんなにかけても大丈夫なの!?」というくらいのハードブレーキングをしても車体姿勢がかなり安定しているので、効果が大きいことが想像できます。

コーナリングでは、自分の真下付近だけに重量物があるイメージ。リヤに重さを感じないので、後ろから押されそうとかアウトにはらみそうなどというネガティブな印象が一切ないというのも長所です。

そして、車重が軽めなのに車格がある程度あることにも好感。ネオスポーツカフェシリーズには650や1000もあるので、見劣りしないというのも大事だと思います。

市街地で“あっさり”乗ることも許容してくれますが、ワインディングに持ち込めば存在感のあるフロントまわりが楽しさを生み、低中回転域の力強さと軽めの車重が、機敏な走りをもたらしてくれます。かなりリーズナブルな価格のことも含めて考えれば、エントリーライダーが最初に乗るバイクとしてもお薦めですが、それだけでなく、ベテランライダーのセカンドバイクにもかなり向いていると感じました!

CB250R:SHIZUKAの評価

1)スタイリング:上はCB1000Rから下はCB125Rまで、ネオスポーツカフェシリーズとしての統一感があり、どれを選んでも満足できるスタイリングです。

2)スポーツ性:アシスト&スリッパークラッチの恩恵も得つつ、ギヤチェンジを頻繁にしながら走るのが向くので、操っている感覚はたっぷり!

3)ツーリング:ネイキッドなので防風性能は低めだし、エンジンも250 ㏄クラスの単気筒だから、長距離巡航は苦手。でも、一般道中心なら大ありです。

4)街乗り:ちょうどいい車格で、取り回しも簡単。エンジンは低中回転域に以前よりもさらに力強さがあるし、とても扱いやすく感じるはず!

5)コストパフォーマンス:この時代にスポーツタイプの250ccクラスが56万円台というのは、かなりリーズナブル。装備の内容を考えても、買って損はナシ!

SHIZUKAのお気に入りポイント

【車格を演出するハンドル&タンク】250ccクラスの単気筒モデルですが、ややワイドなハンドルバーやグラマラスな燃料タンク形状などのおかげで、またがったときに車格の余裕を感じられます。実際に走らせればコンパクトで機敏だけど、外観はショボくありません!

【シリーズで共通の個性的な顔も魅力】コンパクトな丸型ヘッドライトと大きく張り出したシュラウド付きのラジエターという組み合わせは、ネオスポーツカフェシリーズの共通デザインで、なおかつ個性になっていると思います。以前から好きなデザインでした。

●まとめ:田宮 徹 ●写真:楠堂亜希
※当記事は(株)内外出版社ヤングマシン掲載記事(2024年1月号)の内容を編集・再構成したものです。

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