HondaGO BIKE LAB

ライダー必修!標識マニアが伝授する!「道路標識の見方」【Safety】

道路を走っていると色々な標識がライダーに情報を教えてくれます。
実はそんな道路標識に魅せられて日本中の標識を撮影している大学生がいます。
様々なメディアにも取り上げられている標識マニア、山﨑賀功さんです。

今回は山﨑さんに標識のお話を聞きながら、ライダーとしてどんな風に標識を見ていけば良いのかを説明していくことにしましょう。

道路標識が楽しかった

山﨑さんが標識に夢中になったのは小学校のときでした。

「自宅に『交通の教則』という本があって、何気なくめくってみたら標識がずらっと並んでいるページに目が釘付けになってしまったんです。色々なデザインがあってカッコいいな〜と思いました」

カメラを手にいれてからは色々な標識を撮影するため全国各地に出かけていくようになり、現在までに46都道府県の標識を制覇してきました。

そんな山﨑さんのお話を聞いていると道路標識をより理解することができるはずです。

色分けで標識の意味を認識できる

道路標識は4種類のカラーに大別することができます。
それぞれ色が違うのは、標識の目的や重要度が異なるためです。

赤を使った標識はルールを表示

バイクで走るとき、特に注意しなければならないのは赤系の標識でしょう。

「赤系標識は制限速度、駐停車の禁止、追い越し禁止など、その道路での禁止条件や制限をかける標識です。守らなければならないルールを表示するので注意をひく色である赤を使い、人間の感覚に訴える効果を持たせています。標識の下に白い長方形の補助標識があり、制限の条件を表示しています」

2輪に関する赤系標識と補助標識ついてもう少しく詳しく説明しておきましょう。

これは2輪車すべてが侵入できない標識です。

この補助標識は一瞬考えてしまうかもしれません。

小型2輪以下通行禁止の意味で、124cc以下のバイクや50cc以下の原付きは通行することができません。
もしも補助標識に“原付き”と表示されている場合、対象となるのは原付一種、つまり50cc以下の2輪車になります。

これは2人乗り禁止の標識。
一部の高速道路の入口などで見かけます。

補助標識で2輪を除く、あるいは2輪のものを除くという表示されている場合、原付きやバイクは制限を受けません。

注意喚起を意味する黄色系標識

黄色を使った道路標識は、道路の先に危険な場所があることや注意が必要なことなどについて、ドライバーやライダーに警戒を促すための標識です。
この標識は、道路が凸凹になっていることを表しています。

経路を教えてくれる青系標識

青系の道路標識は、目的地の方向など経路を案内するための標識です。

道路の通行方法を示したり、道路の施設を案内するものなどもあります。
青と白の組み合わせは視認性が高く、短時間で情報を伝える色としてよく使用されます。

矢印標識も青系標識の仲間。

山﨑さんは矢印標識に関しての造詣が深いので、別の記事で詳しくご紹介させていただいています。

高速道路の案内で使われる緑系標識

高速道路の案内をしているのが緑系標識です。

自然界に最も多いカラーであることから安全、安心をイメージさせる効果があります。
建物で非常口への誘導として緑色が使われているのもこのことが理由です。

標識が面白くなるマメ知識

標識マニアの山﨑さんによると標識も少しずつ進化しているのだと言います。

「標識のデザインは昭和30年代から40年代にかけて大きく代わりました。その後は必要に応じて変更が加えられています。逆に言うと必要がないと判断された場合は変わっていないので、標識に描かれているクルマのデザインが古臭かったりするんです。補助標識などに使われている文字も今はゴシック体ですが、昔の標識は丸みを帯びた書体で、文字のハネを強調しないレトロなフォントです」

設置数が少ないレア標識

山﨑さんがレア標識としているのは設置数が少なく、見ることがあまりない標識のことです。

“警笛鳴らせ”はバイクで細い山道などを走っていると時々目にすることがあります。
見通しが悪く、対向車などが見えにくい場所でホーンを鳴らして見えない対向車に対して注意をうながすための標識です。

「“ビックリマーク”は一般的な標識の枠に収まらない情報を表示しています。”最終手段”みたいなイメージです(笑)」

この看板では規制となる車両の組み合わせが二輪車とトラックになっています。

普通自動車や自転車などの軽車両なら通行することができるということです。

地方色豊かな動物注意変種

日本各地をツーリングしているライダーならご存知かと思いますが、”動物注意”には土地柄が良く表されているものもあります。
これはその地方によって標識に描く動物を変えることができるからです。

公園の近くなどで時々目にするのはカルガモ親子の標識。

小さな動物は直前まで視認できないケースもあります。
直前で気がつくと反射的に急ブレーキなどかけたりすることになってしまうかもしれません。

これは最近被害が増加している熊の標識。

アメリカでは2023年の6月、タンデムツーリングをしていた夫婦が熊に衝突。
2人とも死亡した事例なども報告されていますから、熊出没注意の標識を見ても慌てずに行動するようにしてください。

実は旧標識も残っている

道交法やデザインが変更されると標識も少しずつアップデートされていきますが、古い標識がそのまま残されていることもあります。

これは通学路の古い道路標識です。

これは速度制限の標識ですが、補助標識に高速車、中速車と表示されています。

現在は車両の区分が変わって高速車、中速車がなくなったことから古い標識であることがわかります。

これは道路名の旧標識。
道路名の標識はデザインが一新され、順次新しいものに変わっているので、現在は新しいものと古いものが混在しているような状況になっています。

いかがでしたでしょう?
標識にも色々な種類があることがおわかりいただけたかと思います。
ツーリングなどに出かけたら、少し注意して標識を見てみるようにしたら、新しい発見があるかもしれません。

また「なぜこのような看板が掲げられているのだろう」とその意味を考え・理解し、実践すればより安全で楽しいツーリングになると思います。

【文/後藤威(外部ライター)】

関連記事

最近チェックした記事