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バイクの『ロードレース』ってどんな競技? どれくらいの種類があるの? 【バイクレースの楽しみ方/ロードレース 編】

レースに興味があっても、最初はいっぱい種類があって、どんなマシンがどんなクラスで走っているのか、どういう選手がどのクラスに所属しているのかなど、わからないことばっかりですよね。

今回は改めて、日本で開催されている主なレースをまとめてご紹介します!

サーキットを走る『ロードレース』にはどんな種類があるの?

バイクに乗っている方、特にフルカウルに身を包んだレーシーなスポーツバイクに乗っていると、レースに興味を持たれる方もいるかもしれません。

そういった人たちが興味を持つのはおそらくサーキットを走る「ロードレース」でしょう。

しかし、現地で観戦してみたい! と思っても、ロードレースは種類が多く、どんなレースがどこで開催されているのか最初はわからないですよね。

そこで今回は、特に日本でも有名なロードレースをピックアップしてご紹介します!

ロードレースは大きく分けて2種類

まず、バイクのロードレースには2種類の競技方法があります。

ひとつ目は「スプリントレース」と呼ばれる、進行方向にマシンを並べ、エンジンがかかった状態でレースを開始する競技。バイクレースと言われて一番想像しやすい競技ですね。

レース距離は約130km以下で、決まった周回数をより速く走ることで順位を競います。有名なレースは世界最高峰のロードレース選手権「MotoGP」、全日本ロードレース選手権(JRR)がこれにあたります。

見どころは「スプリント」というくらいなので、何と言ってもその速さ! ひとつでも順位を上げるべくライダーたちが至近距離で繰り広げる戦いには圧倒されます!

そしてもうひとつが「耐久レース」。

「ル・マン式」と呼ばれるスタート方式で、スタートと同時にライダーがマシンに駆け寄り、競技が開始されます。短くても2時間以上の長時間を走るレースとなります。
基本2名以上のライダーがチームを組んで交代しながら走り、規定時間内に走った周回数で順位を競います。

世界レベルの耐久レースでは8時間や24時間などの長時間を走行するため、燃料の給油やタイヤの交換がレース中に行われ、ピットでのチームワークによる作業の速さも勝敗を分ける鍵となります。

日本で開催されるレースだと「鈴鹿8時間耐久ロードレース」が有名です。

このレースは長時間観戦を楽しめるのがポイント。
スプリントレースでの転倒は基本的にリタイアや下位でのフィニッシュとなってしまいますが、耐久レースでは転倒やマシントラブルは日常茶飯事。トラブルがあってもピットで修理して再スタートすることができ、上手くすれば挽回・逆転なんてことも!?

応援するチームが苦難を乗り越えてチェッカーを受けるときは、きっと感動するに違いありません。

終わるまで何が起こるかわからない。それが耐久レースの魅力です。

おすすめロードレース紹介

それぞれのロードレース選手権の中でもクラスが違えば使用されるマシンも変わってきます。
ここからはおすすめのロードレースをピックアップし、簡単にそれぞれのレースについてご紹介します。

FIM MotoGP™ 世界選手権シリーズ

シーズンを通して世界を転戦し、「モビリティーリゾートもてぎ」で日本ラウンドが開催される世界最高峰のスプリントロードレース「MotoGP(モトジーピー)」。
純粋に速く走るためだけに最先端の技術で作られたレーシングマシンを使用して競われ、最高時速は350km/hを超える、世界で最もエキサイティングなロードレースです。

排気量1,000ccの4ストロークで最大4気筒のエンジンを搭載したマシンが使用され、Hondaのマシンでは「RC213V」が走行します。
また、765ccの4ストローク3気筒エンジンのマシンを使用する「Moto2」クラス、250ccの4ストローク単気筒エンジンを使用する「Moto3」クラスも併催されています。

FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)

一般公道走行可能な市販車をベースにしたマシンを使用した「プロダクションレース」と呼ばれるスプリントレースの世界最高峰。
こちらも世界を転戦して行われます。
誰でも手に入れられる身近なモデルが高次元の闘いを繰り広げる点が見どころのレースです。

排気量1,000ccが主流でHondaのマシンでは「CBR1000RR-R FIREBLADE」が活躍しています。また、スーパーバイク世界選手権では4気筒600cc以下、3気筒675cc以下、もしくは2気筒750cc以下の4ストロークの市販車を使用して競われる「FIMスーパースポーツ世界選手権 (WSS)」も併催。Hondaのマシンでは「CBR600RR」が登場します。

MFJ 全日本ロードレース選手権(JRR)

全日本ロードレース選手権は、日本各地のサーキットを転戦するスプリント形式の国内最大のロードレース選手権。
現在はJSB1000クラスを最高峰にST1000、ST600、J-GP3の4つのクラスが開催されています。

[JSB1000クラス]

全日本ロードレースの最高峰クラス。Hondaをはじめとした国内外メーカーのマシンが登場し、総排気量は1,000ccが主流。いずれも市販ロードスポーツモデルをレース仕様としたマシンで競われます。
Hondaの市販ロードスポーツモデル「CBR1000RR-R FIREBLADE」が登場します。

[ST1000クラス]

JSB1000と同じく1,000ccの市販ロードスポーツモデルが主流ですが、レギュレーション(ルール)によりレース仕様として改造できる範囲が少なく、市販されている状態に近い仕様で競われるのがJSB1000との大きな違い。
自分でも買うことができる身近なモデルが真に秘めたポテンシャルと、ライダーの腕が見どころと言えるレースです。

Hondaの市販ロードスポーツモデル「CBR1000RR-R FIREBLADE」が登場します。

[ST600クラス]

マシンのベースはこちらも市販のロードスポーツモデルですが、排気量は600ccが主流。ST1000クラス同様市販状態に近いマシンが用いられます。
Hondaの市販ロードスポーツモデル「CBR600RR」が登場します。

[J-GP3クラス]

全日本ロードレースにおいて唯一レース専用マシンで行われるクラス。Hondaの市販レーシングマシンでは「NSF250R」が登場します。

他のクラスにはないコーナリングスピードと常に複数台で争われる接戦が特徴。若手やルーキーが多いため、ある意味、MotoGP以上に白熱したバトルが繰り広げられます。

 

JP250 MFJカップ選手権

全日本ロードレース選手権に併催されるスプリント形式の選手権シリーズで、J-GP3とは違い、レギュレーションの範囲内でチューニングを施した市販車を用いて競われます。
4ストロークの250ccの市販車がベースですが、特別に認可された300ccクラスや400ccクラス単気筒モデルも参戦し、よりレースを身近に感じられるクラスです。

Hondaのマシンでは「CBR250RR」が登場します。

FIM世界耐久選手権(EWC)

規定時間内での周回数で勝敗を競う耐久レースの世界最高峰クラス。
日本でも有名なレースであるEWCの日本ラウンド「鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)」を含め、年4回のレースが世界各地で開催され、鈴鹿8耐を除く3つのレースは24時間制で行われています。

マシンは排気量1,000ccのスポーツバイクをベースにしたマシンで競われ、Hondaのマシンでは「CBR1000RR-R FIREBLADE」が登場。
また、SSTクラス(鈴鹿8耐ではNSTクラスと呼ばれる独自開催クラス)という、EWCクラスのマシンよりさらに市販車に近いマシンで競われるクラスもEWCクラスのレースと混走となり、レース展開の先が読めないのが見どころのひとつ。

冒頭で紹介した通り、ピット作業の速さや転倒やマシントラブルのリカバリー、加えて燃料・タイヤのマネジメントなど、多くの要素が勝利のカギを握ります。

このほかにも各地で多くのレースが開催!

今回は特に有名なロードレースをメインに紹介しましたが、日本を含め世界各地では様々なレースが開催されています!

スポーツバイクオーナーの方は是非、自分のバイクがどんなクラスを走っているのかチェックして応援してみてください!
また、全日本ロードレース選手権は各地のサーキットを転戦するので、レースに興味のある方は近くで開催される際に現地に足を運んでみてもいいかもしれませんね。

▶ 全日本ロードレース選手権(JRR)サイトこちら
全日本ロードレース選手権(JRR)クラス紹介はこちら
【文:石神邦比古(外部ライター)】

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