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オフロードバイクの最も代表的なレース『モトクロス』ってどんな競技なの?【バイクレースの楽しみ方/モトクロス 編】

サーキットやオフロード会場でプロのライダーが走る本格レースをご紹介します。

今回はHondaのオフロードバイクが参戦している「全日本モトクロス選手権」を取り上げて、「モトクロス」とはどんなオフロードレースなのかを解説しつつ、モトクロスの見どころや楽しみ方をお伝えします!

オフロードレースを代表する『モトクロス』とは?

オフロードのバイクレースを見に行ってみたいけど、カテゴリーや種類もいっぱいありそうだし、そもそもルールやレースの見どころが分からない……。

確かにそうですよね、オフロードバイクのレースは似ている競技も多いので混乱するのは無理もないと思います。

ひとくちにオフロードのレースといっても、エンデューロやクロスカントリー、トライアルやダートトラックなど種類は様々。ですが、その中で最も代表的な競技となるのが「モトクロス」となります。

モトクロスは“ダート”と呼ばれる土や砂で作られた未舗装の路面に、大小様々なコーナーやジャンプセクションなどを設けて、オフロードでのマシンの速さやライダーのテクニックを競う「スプリント・レース(比較的短距離で高速性能を競うレース)」になります。

全日本モトクロス選手権で使用されるコース一周の長さは、1.3km以上から3km以下と定められていて、クラスや大会によって変わることがありますが、自然の地形を生かしたアップダウンのある未舗装のダートコースを周回して順位を競います。

全日本モトクロスで使用されるHondaのバイクってどんなマシン?

全日本モトクロス選手権などに出場しているHondaのオフロードバイクは「CRF450R」「CRF250R」などの“レース専用マシン”が使用されています。

これらのオフロードバイクは「モトクロッサー」や「レーサー」などと呼ばれ、モトクロス競技用に開発されたレース専用マシンになっているので、一般公道を走らせることはできませんが、モトクロス会場などのクローズドコース(レース場)を、よりアグレッシブでスポーティに走らせることができるバイクです。

CRF450R(左)/CRF250R(右)

Hondaのモトクロッサーは、オフロードレースで勝つために開発されているレーシングマシンです。

全日本モトクロス選手権に出場しているライダーはこのレース専用マシンを、より自分の走りに合ったマシンへセッティングしたりモディファイ(改良)することで、独自のカスタマイズを施したマシンでレースに出場しています。

レディースクラスなどに使用されているHonda「CRF150R/Ⅱ」

これらのモトクロッサーをレース・レギュレーション(ルール)の範囲内で、いかにレースで勝利するためのマシンに仕上げるのかも、モトクロス競技の見どころのひとつです。

レース会場ではトップクラスのレーサーマシンを間近で見ることもできるので、どんなマシンにカスタマイズされているかなども是非チェックしてみてくださいね。

全日本モトクロス選手権のクラス別のカテゴリーって?

全日本モトクロス選手権では、出場する選手のライセンスやバイクの排気量などでいくつかのクラス分けがされています。

【IA1】クラス(アイエーワン):4ストロークエンジンの排気量291cc~450cc及び2ストローク176cc~250ccのレース専用マシンで競う全日本モトクロス選手権の最高峰カテゴリー。

トップカテゴリーは国際A級ライセンスを所持する選手が出場できるIA(インターナショナルA)クラスとなり、国内最高峰のライダーが競うトップクラスです。

【IA2】クラス(アイエーツー):4ストロークエンジンの排気量176cc~250cc、および2ストローク101cc~125ccまでのレース専用マシンで競うカテゴリー。出場には国際A級ライセンスが必要で、IA1を目指すライダーや若手などで競い合います。

IAクラスの次が国際B級ライセンスを所持する選手を対象としたIB(インターナショナルB)となります。

IBクラスは排気量制限のないオープンクラスとなり、将来を期待される若手ライダーたちがひしめき合うクラスになっています。

【レディース】クラス(LMX):4ストロークエンジンの排気量86cc~150ccや2ストローク66cc~85ccのレース専用マシンで女性ライダーが競うカテゴリーです。 このほか、国際A級を目指す「IBクラス」や「ジュニアクロス」「チャイルドクロス」などのレースが行われている大会もあります。

レディースクラスやジュニアクロスはMFJモトクロスライセンスを所持するライダーが出場可能で、車両はフルサイズのモトクロッサーよりも一回り小さいCRF150R、CRF150RⅡなどで競われています。

そもそもモトクロス・レースのルールや見どころってどんなところ?

モトクロスのルールはとってもシンプルで、各クラスごとにエントリーされた数十台のオフロードバイクが、横一線のグリッド(スタートライン)から「よーい、ドン!」でスタートし、コースを周回しながら「誰が1番速いのか」を競います。

モトクロスのレース順位は、MotoGPなどに代表されるロードレースのように、定められた周回数でのタイムを競うのではなく「決められた時間のなかで最も多く周回数を重ねて、最初にチェッカーを受けた者が勝者」になります。

例えば、全日本モトクロス選手権のトップカテゴリーとなる「IA1クラス」では、一般的に1レース「30分+1周」で争われています。

レーススタートから30分が経過した時点で、順位がトップのライダーがグリッドライン(ゴールライン)を通過してから、さらに1周後にゴールした順番で順位が決まります。つまり、時間内により速く、より多く走ったライダーが勝者になるわけです。

全日本モトクロス選手権では、一般的にこの30分+1周のレースを「2ヒート(前半・後半の2レース)」走り、その順位やポイントなどで順位が決定されています。※近年のレースでは、15分+1周を3ヒート行う大会もあります。

レース中は大迫力のジャンプやアグレッシブなコーナリングが次々と繰り広げられ、その速さやテクニックを目の前で見られるのがモトクロス観戦の醍醐味と言えるでしょう。

レースが終わった後などでは、選手とハイタッチができるくらい近距離で観戦できるのもオフロードレースの魅力です。

大会によってはライダーのトークショーや握手会、サイン会なども行われていますので、自分の好きな“推し”のライダーを見つけるのも、モトクロス観戦の楽しみ方のひとつです。

今シーズンの「全日本モトクロス選手権」は残り2大会!

2023年は全9戦にわたって全国で開かれている「D.I.D全日本モトクロス選手権(JMX)」ですが、今シーズンのレースも終盤戦を迎えて残すは3大会になりました。

次戦のシリーズ第7戦は10月8日(日)に熊本県のHSR九州で、第8戦は10月28日〜29日(土日)に埼玉県のオフロードヴィレッジで行われ、シリーズ最終戦となる第9戦は、11月11〜12日(土日)に宮城県のスポーツランドSUGOで行われます。

2023年のシリーズ最終戦に向けてますます盛り上がりをみせる「D.I.D全日本モトクロス選手権」。

モトクロス観戦はバイク好きの方なら誰でも楽しめるモータースポーツです。

今からでも充分間に合いますので、是非一度、各モトクロス会場へ足を運んでみてくださいね。

全日本モトクロス選手権(JMX)サイトはこちら
Honda Racing 公式サイトはこちら

【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】

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