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原付初心者に知って欲しいルール!二段階右折のやり方はとても重要【Safety】

手軽に乗り出すことができ、維持が安くて小回りが効く原付は、日常の移動手段としてとても便利な乗り物です。

しかし原付独特のルールなどもあるので、走るのであれば事前に理解しておく必要があります。

今回は原付に乗るとき、覚えておくべきことなどを解説していくことにします。

原付の排気量区分は?

原付には、50ccまでの原付一種と51ccから124ccまでの原付二種があり、一般的に原付と言うと50ccまでを指すことがほとんど。

今回の記事でも特に表記がないがきり原付一種を原付としています。

制限速度は30km/hで左側を走行

原付の場合は、制限速度が30km/hです。
最高速度を表示した道路標識があっても原付は30km/hを超えて走ってはいけません。
車や二輪車よりも制限速度が遅くなるので、道路の左端を走らなければなりません。

複数の走行車線がある場合で、原付が走って良いのは第一通行帯(左のレーン)のみです。

障害物などを避けたりするなどやむをえない場合をのぞき、右の車線を走ることはできません。
一番左が左折車線となっていて、なおかつ自分が直進したい場合は直進する車線の中で一番左の車線を走行します。

ちなみに左側を走る時、ブルーで表示されている自転車専用走行帯には入ってはいけません。

白で表示されている自転車ナビマークの部分は、原付が走っても違反とはなりません。

ただし、同じところを自転車と原付が一緒に走っていたらトラブルのもと。

道路幅や交通量、自転車の状況などで判断し、自転車ナビマークには入らないようにするほうが良いでしょう。

また、都心部の高架やアンダーパスなどでは原付が走行できないところもあります。

しっかり理解しておくべき二段階右折

原付で覚えておかなければならないのが右折方法です。

自動二輪車であれば道路の右によるか、右折レーンに入って右折する「小回り右折」をしますが、
原付で信号機などで交通整理が行われている片側3車線以上ある大きな道路を走っているときは小回り右折ができません。

こういった道路では二段階右折を行います。

二段階右折をする場合の手順を説明しましょう。

まずは前方の信号機が「青であること」が前提となりますが、右折したい交差点の手前で右のウインカーを出すのは小回り右折と同じ。

ただし車体を右には寄せず、道路の左側を走り続けながら交差点を直進します。
このとき右のウインカーは出したままです。

交差点の真ん中あたりで車体を左に寄せて車線から外れ、交通の流れを遮らない場所で原付の方向を右に向けます。

バイクの向きを変え終えたらウインカーを消し、正面の信号(当初右折していきたかった方向)が変わるのを待つのです。

止まる位置は他の交通の妨げにならない場所。

交差点の大きさにもよりますが、横断歩道に入ったりして歩行者の横断を妨げないようにします。

進む方向の信号が青になったらスタート。
これが二段階右折の基本的なやり方。

突き当りで左右に道路が別れているT字路で右折する場合も、3車線以上の大きな道路であれば同様に2段階右折をします。

左折レーンがある交差点での二段階右折

左折車線のある交差点では、右方向のウインカーを出したまま左折レーンを直進して二段階右折をしなければなりません。
原付に乗らないドライバーの中には、二段階右折のやり方を知らない人もいます。

ルールを理解していないドライバーは、左折レーンを直進する原付の動きを予測できない可能性がありますので、左折してくるクルマの巻き込みなどには十分注意をしてください。

ちょっと面倒なのは、左折方向だけ青の矢印信号になったとき。

二段階右折する原付は、直進する信号に従って止まらなければいけないのです(右のウインカーはつけたまま)。

ところが後続のクルマは左折しようとします。
安全に止まっていられる場所があれば良いのですがこういう場合、安全の確保が第一。

周囲の交通を妨げずに停止することが難しいようであれば、右折はあきらめた方が賢明でしょう。

二段階右折が不要な交差点

「なんだか面倒くさいな」と思われたかもしれませんが、二段階右折は先に述べたとおり片側3車線以上の大きな道路でのみ行わなければならないものであって、片側二車線以下の道路であれば二段階右折の必要はありません。

通常の小回り右折をすることができます。

また、片側3車線以上の道路であっても信号のない交差点や警察官によって交通整理が行われている交差点であれば二段階右折は不要です。

二段階右折禁止の交差点も

片側3車線の道路でも直進と右折しかできない「ト型」の交差点では、二段階右折する原付用の待機スペースがない場合、二段階右折はできません。
信号が変わるまで安全に待機していられる場所がないからです。

こういった交差点には二段階右折禁止の標識が設置されていることが多く、その場合は小回り右折(通常の車両のように右折レーンを使って右折すること)をします。
右折レーンに入るときは他の車両との速度差を考え、後方の車両に十分注意するようにしてください。

保険への加入を忘れずに

原付で走る前に必要となるのが自賠責保険への加入です。
道路を運行する場合は加入することが義務付けられていて、バイクショップなどで加入することができます。
有効期限が近づいてきたらコンビニで更新することも可能です。

ただし、自賠責保険の補償範囲は限られています。
原付とはいえ、万が一のことを考えると任意保険には加入しておきたいものです。

任意保険のファミリーバイク特約とは?

原付で嬉しいのは、任意保険にファミリーバイク特約が使えること。
車や自動二輪車で任意保険に加入していた場合、ファミリーバイク特約を付帯させることができることが多いです。
125cc以下のスクーター、バイクであれば台数制限がなく、何台所有していてもカバーされます。
また、保険に加入した人の家族や、他人名義の原付を運転した時も補償されるという特徴があります。
通常の任意保険の場合、無事故でいると保険代が安くなっていき、事故で保険を使うと高くなります。

ところがファミリーバイク特約に関しては事故で保険を使っても保険料が変わりません。
逆に無事故でいても保険料が安くなることもありません。
そのため、1台の原付を無事故で長く乗り続けた場合、ファミリーバイク特約よりも通常の任意保険に加入した方が安くなる場合もあります。
使い方などを考えて保険を選ぶようにしてください。

ルールを理解して充実した原付ライフを

原付だけのルールはお分かりいただけたでしょうか?

覚えておかなければいけないことはありますが、手軽な交通手段であることには変わりありません。

行動範囲を広げてくれる魅力的な原付をぜひ使ってみてください。

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【文/後藤武(外部ライター)】

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