原付には、50ccまでの原付一種と51ccから124ccまでの原付二種があり、一般的に原付と言うと50ccまでを指すことがほとんど。
今回の記事でも特に表記がないがきり原付一種を原付としています。
原付はとても便利な乗り物です。
免許は筆記試験のみで取得できますし、自動車免許、二輪免許を持っている人なら誰でも運転することができます。
燃費も良くて維持費も安いので手軽に乗り出すことかできます。
しかもスクーターであればクラッチやギアもないので操作も簡単。
そんな原付スクーターで走ってみたいという方に向けて、乗り方や覚えておいていただきたいポイントなどをまとめてみました。
服装は安全を考えて
原付を含め、二輪車は自動車のように身体を囲うものがありません。
全身で風を受けるので天候や気温の変化にも対応できるウエアが必要ですし、万が一の転倒や事故を考えて体を護るプロテクションも重要になります。
ヘルメットはシールドのついたジェットヘルかフルフェイスが理想。
ジェットヘルは開放感がありますが、安全性がより高いのはフルフェイスです。
また、事故や転倒時にヘルメットが脱落する事案も多く発生しておりますので「アゴ紐を正しく締める」など正しくヘルメットの着用をお願いします。
ヘルメットを購入するときは、安全規格をクリアしたマークがついているかの確認もお忘れなく。
PSCマークは国が定めた安全基準を満たしているもの。
SGマークは製品安全協会が定めた基準(PSCと同等以上)をクリアしていることの証で、多くの場合は2つのマークが一緒に表示されています。
肌は露出させないのが基本。
ただし、普通の長袖だと原付で走るのに不向きなものもあります。
バイク用ウエアは、走行している状態を考慮して開発されているから快適で、いざというときのプロテクションも装備しています。
原付で走るときは、こういったバイク用ウエアを羽織るようにすると安心感が増します。
グロープもバイク用がオススメです。
いざというときのプロテクションがついているだけでなく、グリップを握った状態を考えて作られているので操作しやすいのです。
ガッチリとプロテクションが入ったものから、カジュアルなイメージのものまで、色々なバイク用グローブが販売されています。
スボンもバイク用であれば、万が一転倒したときもダメージを受けやすい膝の部分などにパットが入っています。
スクーターの場合、バイクと違って足でペダル操作することはありませんが、それでも安全性を考えてクルブシをカバーするハイカットのシューズをチョイスしておきたいもの。
ローカットのシューズは、プロテクション効果が低いことに加え、強い衝撃が加わると脱げてしまう可能性もあります。
安全性などを考慮したうえで、ウエア類をチョイスするのも原付きの楽しさの一つだと考えてみると良いかもしれません。
原付きの押し歩きは重くない
原付を使うようになると、バイク置き場や駐輪場からの出し入れなど、エンジンをかけていない状態で押し引きしなければならないことがあります。
では原付きを押すのは重いのでしょうか?
結論から言うと重さはあまり感じません。
ワタシ、ライター後藤の周囲では女性、高齢の方など多くの人が原付きに乗っていますが、押し引きで苦労したという話は聞いたことがありません。
ちなみに今回撮影で使用したジョルノの重さは、電動自転車2台分ちょっとですが、重心が低いので、傾いたときに支える力もさほど必要ありません。
もし、それでも重さが心配なようであれば、一度バイクショップに行って、実際に原付を押させてもらってください。
心配するような重さではないことが理解できると思います。
発進は自転車より簡単?
原付の発進はとても簡単です(スクーター以外は異なります)。
足で漕ぐ必要がないので自転車よりもイージー。
事実「自転車には乗れないけどスクーターなら乗れる」という人がいるほどです(本当です)。
まず、キーを差し込んでONまで回します。
セルスターターのボタンを押せばエンジンがかかります。
初めてだったらエンジンがかかった瞬間、ワクワク・ドキドキ感に包まれてしまうはず。
後は右手で握っているスロットルグリップを手前に回せば、原付はスルスルと進み出します。
速度が上がるとすぐに車体が安定してきます。
自転車も原付きもある程度スピードが出ていないと安定しないのは一緒なのですが、原付は適度な重さがあるので軽い自転車よりもフラツキにくく、右手をひねるだけでスピードが出るので早く安定した状態になるのです。
ただし、スピードの出しすぎには注意してください。
ブレーキ操作は自転車と同じ
原付のブレーキ操作方法は自転車とまったく同じです(スクーター以外は異なります)。
右手で握るレバーが前のブレーキ。
左手で握るレバーが後ろのブレーキです。
重要なのは「前後のブレーキを同時に使う」こと。
そして「必ずアクセルを戻してブレーキをかける」ということをお忘れなく。
意識しなくても自然に曲がれる
スクーターは曲がるのも簡単です。
基本的に曲がり方は自転車と変わりません。曲がりたい方向に車体を傾ければ良いだけ。
自転車よりも安定しているので、乗り出してすぐ自由に曲がることができるようになるはずです。
安全のために気をつけておきたいこと
原付を運転するとき、何よりも考えなければいけないのは安全です。
具体的にどのような点に注意すれば良いのでしょう?
警視庁ホームページの二輪事故統計(原付を含む二輪車全般)によると、右折時と出会い頭の事故割合が高いことが分かります。
つまり交差点を通過するときの安全確認を十分に行うことが重要になるのです。
特に出会い頭の事故の場合は減速できないままぶつかることもあり、こういうときはダメージも大きくなってしまいます。
危険を未然に回避する方法を説明しておくことにしましょう。
このように信号がない交差点では、自分が優先だったとしても「もしかしたら車両や人が飛び出してくるかもしれない」と考えて安全確認を怠らないようにすることが重要です。
交通量の少ない場所だからといって油断は禁物。
逆にそういう場所こそ危険が潜んでいます。
「どうせ来ないだろう」と考えて、一時停止をせずに飛び出してくる車がいないとも限りません。
見通しが悪い交差点などは安全確認をするとともに、いざというときは止まれるスピードで走ることも重要です。
一時停止の標識がある場所では停止線で止まりますが、停止線からでは左右から車が良く見えないことがよくあります。
そういう場合は停止線の手前で止まった後、左右の交通の状況を確実に把握できる場所まで原付をゆっくり進め、安全な上であることを確認してから発進するようにしてください。
安全に配慮すると原付はもっと楽しくなる
無事に戻ってくることが、原付を楽しむための最低条件であることは間違いありません。
安全に十分配慮し、いつまでも長く、快適な原付ライフを送ってください。
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【文/後藤武(外部ライター)】