HondaGO BIKE LAB

使ってわかった「EM1 e:」でしかできない電動バイクライフ!エンジン車にはない電動の魅力をレポート

8月24日に発売開始した、ホンダの市販車初となる一般向け電動スクーターの「EM1 e:」。
まだまだ日本ではガソリン車が主流ですが、これから先、電動にシフトしていく時代になってくると思います。

ビジネス向けの配達バイクなどはすでに電動化が進んでいますが、ビジネスユースで使うのと一般の方がガソリン車の原付バイクと同じように使うのではまた違ったものがあるはず。
今回はそんな EM1 e: を街で使ってみてわかった、電動ならではの魅力をレポートしていきます!

電動のおかげで環境に馴染める

まず大前提として一番使われる可能性が高い通勤の足として EM1 e: を使ってみました。
ガソリン車の原付バイクと同じように走ることができ、燃費(電費)も良いいため非常に経済的です。

▼関連記事

ですが、本当に EM1 e: の良さを体感できたのは通勤帰りの寄り道。
普段からバイクに乗っている方でもなんだかんだ通勤圏内をバイクで探検するというのはやらないことだと思います。

今回は男はつらいよでお馴染み、柴又帝釈天に寄り道してみました。
基本エンジン車と同じように走る EM1 e: ですが、こういった場所では電動ならではの「ほぼ無音」というメリットが光ります。

これはバイク全般に言えることですが、こういった観光地は大きなバイクでは入りにくいことが多く、入ったとしても若干迷惑がられる視線を感じることがあります。

しかし EM1 e: の場合車体も小さくいかにもバイク!という感じがしないため、大きなバイクとは周囲の目線がまるで違います。
法律的には走ってOKな場所でも、モラル的にどうなのかはライダーに問われる部分で、そういった場所を避けてきたライダーさんも多いんじゃないでしょうか。

EM1 e: の親しみやすい見た目と静音性が合わさり、ゆっくり走りながら観光していても白い目で見られたりはしません。
いい意味でその環境に馴染めるバイクに乗っていると、大きなバイクよりも使い勝手が良いと感じました。
うるさくない、臭くない、煙が出ないというのは電動バイクだからこそのメリットです。

とは言え、今回はピークの時間帯を避けたので歩いている観光客も少なく、こういった使い方ができましたが、混雑している場所では「ほぼ無音」というのが仇となって歩行者に気づいてもらえない可能性もあるので、そういった場所には向いていません。
※オプションパーツで周囲に存在を知らせる接近通報装置があります。

ですが歩行者のスピードに合わせて走れるくらい低速コントロールがしやすいので、通りたいときは「すいませーん通ります」とひと声かけて通ると、歩いていたおばあさんから「あら、このバイクすごい静かね〜」と声をかけられることも。
これがエンジン車だと迷惑がられることもあるため、電動ってだけでこんなに周囲の反応が違うのか、と驚いたポイントです。

またどうしても走行が危険なほど人が多い場所では降りて押し歩きしやすいというのも良かったところ。
エンジン車と比べて格段に軽いというわけではありませんが、電動なら必要に応じて走ったり、押し歩きしたりと使い分けができ、押し歩きしたとしても少し重い自転車くらいなので、こういった使い方では250や400クラスのバイクと比べて使い勝手が格段に良いです。

原付バイクならではの機能も役立つ

日常で使ってみて思ったのが原付バイクならではの機能もしっかり使えて便利だったこと。
EM1 e: はシート下にバッテリーがあるため、メットインスペースはありません。

ですがシートを一度開けて引っ掛けてから閉めると使えるヘルメットホルダーがあるため、出先で停めて離れる際は便利でした。

メットインスペースの後方には小物を入れるスペースが確保されており、最初は財布とカード類くらいしか入らないと思っていたんですが、いざ使ってみると買い物した小物や折りたたんだパーカーなど、このスペースだけでもそれなりに収納することができました。

他にも袋やバックなどを引っ掛けることができるフックが付いていたり、左側のドリンクホルダーにもなる収納スペースは500mlのペットボトルも入るのでかなり便利。
ガソリン車の原付バイクにも付いている機能ですが、電動バイクにもしっかりこういった使い勝手が考えられているため不便さは感じませんでした。

充電の手間は?

エンジン車と違ってガソリンスタンドに行く必要がない代わりに、バッテリーを取り外して充電して翌日装着する、という手間がありますが、いざやってみるとそこまで負担には感じません。

バッテリーが多少重いので停めているスペースから充電器までが遠いと若干面倒に感じますが、通勤範囲が10km圏内なら毎日やる必要はありません。

車体と充電器までの距離が近いのがベストなので、僕は玄関先に停めて入ってすぐのところに充電器を置いてバッテリーを持ち運ぶ距離を少なくしました。

夜にこそ真価を発揮した EM1 e:

僕が使っていて一番 EM1 e: の良さを感じたのは日が落ちて夜になってから。
この時間から活動することってあまり無いと思いますが、仕事から返ってきてひとっ風呂浴びて、晩ごはんを食べて、ダラっとくつろいで寝る前までのちょっとの時間に EM1 e: で近所の探索に出掛けました。

夜風を体で感じながら近所をダラっと走って自販機で飲み物買って涼む、という EM1 e: との夏の夜が最高に気持ちよくて、10年バイクに乗ってますがこういった使い方はEM1 e:に乗って初めてやろうと思いました。

しかし、夜に行動するとご近所さんへの音の問題だったり、日が変わる前でも気を使う部分があります。
ガソリン車の原付バイクでも同じことはできますが、ほぼ無音の EM1 e: はこれをやっても全く誰の迷惑にもならない、というのが電動ならではのポイント。

住宅街をゆっくり走っていて自分が咳払いをするとそれがうるさく感じるほど静かです。

あまりにも静かなので近所の野良猫が無音で発進するバイクを見て音がしないことにびっくりしていたほど。

他にもガソリン車の原付バイクで走っていてエンジンの熱を足で感じることがありますが、そもそも EM1 e: はエンジンほど発熱しないため、そういうのも全く無く、気分としては漕がなくていい電動自転車に乗っている気分です。

おまけに EM1 e: のちょうどいいパワーというのもこれがやりやすいポイント。
1日の終りかけにスポーツバイクに乗ろうとは思いませんが、EM1 e: くらいのパワーだったら何も身構えることなく乗れるため、さぁ乗ろう!と思ったときにすぐ行動しやすいんです。

ECONモードに入れておけばさらに扱いやすくなるため、夜の住宅街を走るのにはピッタリでした。

この使い方を見つけてからしばらくハマって散策をしはじめたおかげで、家の近所の知らない場所はほとんどないってくらいに夜の徘徊が楽しめました(笑)。

迫力とか、速さとか、大きなバイクで感じるバイクの魅力は EM1 e: にはありませんが、誰にも迷惑をかけずにバイクで探検ができるという大きなバイクには無い素晴らしい魅力がありました。

普通の原付バイクとは違った使い方ができる

しばらく EM1 e: に乗ってレポートしましたが、電動バイクはもう今から乗り始めても現実的に使える乗り物だと思います。
正直乗るまでは足として使うならまだガソリン車だろ~くらいに思ってましたが、いざ乗ってみるとエンジン車でできることは EM1 e: でもできます。

しかも EM1 e: はガソリン車のバイクではできない使い方ができるため、原付バイクとして使うならむしろ電動のほうが優れていると感じるほどでした。

バイクは楽しい乗り物ではありつつも、乗っていない人からは中々理解されない部分もありますが、少なくとも原付バイクというカテゴリーではEM1 e:だからこそできることが多いため、これが世に浸透していけば原付きそのものの価値観が変わってくるかもしれません。

実際に生活に溶け込んで始めて魅力を感じるものなので、気になった方はお近くのHonda二輪EV取扱店で EM1 e: を見てみてください!

EM1 e: 製品情報はこちらから

【文/佐藤快(外部ライター)】

関連記事

最近チェックした記事