CB650Rの主要装備解説
ヘッドライトはネイキッドバイクらしい丸目1灯のデザインですが、灯火類はすべてLEDなのでむしろ現代的な洗練された印象が強いです。CB1000RやCB250Rなどの新世代CBシリーズに共通するイメージのフェイスデザインとなっています。
フロントブレーキはΦ310mmのフローティングディスクをダブルで装着し、ラジアルマウントされたNISSIN製キャリパーを組み合わせることで余裕のある制動力を確保しています。ブレーキタッチも明確でリリース時も素直。コントロール性に優れた優秀なブレーキシステムです。ABS標準装備。
2021年モデルにおけるモデルチェンジの最大のトピックスが、倒立フロントフォークに、高いダンパー性能と軽さを併せ持つSHOWA製SFF-BPが採用されたことでしょう。
従来モデルよりもフロントタイヤの存在を明確に感じることができます。この進化は、アップライトな乗車姿勢のCB650Rにとって（兄弟車のCBR650R以上に）非常に恩恵が大きいと感じました。
エンジンは最高出力95馬力を12,000回転の高回転で発生するスポーティなキャラクターです。
だからといって低速～中速域が弱い訳ではなく、極低回転でも粘り、スロットルを開ければ軽やかに加速。現実的な『速さ』も十分なものですが、それを抜きにしても4気筒エンジンらしい滑らかなフィーリングに心地よさを感じることができます。
その4気筒エンジンの存在を強く誇示するのが美しく並んだエキゾーストパイプの存在。
往年のCB400FOURを感じさせるデザインは、ホンダファンにとって嬉しいポイントのひとつです。
マスの集中化にも貢献するショートタイプのサイレンサーを採用しています。
マフラーエンドがライダーの真下にあるような位置なので、排気サウンドをライダーが楽しみやすいのも特徴のひとつ。乾いた音質のホンダ4気筒サウンドを堪能することができます。
足が下ろしやすい形状となっているため、足つき性の良さにも大きく貢献しているシート。硬すぎず、柔らかすぎない座り心地はツーリングからスポーティな走りまでオールマイティにライダーをサポートします。
ステップはラバーではなく、ホールド感の高い金属ステップを採用。CB650Rはネイキッドバイクですが、こういうディテールからスポーツ性への強いこだわりが感じることができます。
【文：北岡博樹（外部ライター）】
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