CB650Rは運転が難しいバイクじゃありません。むしろ、とっても乗りやすい。だけど、このバイクが秘めたスポーツ性能を引き出せるライダーが乗ると、ちょっと話が変わってくると思うんです。

大型バイク初心者にもおすすめなのですが……

コンパクトで軽いし、低～中速域のエンジン特性も扱いやすい。

シート高が810mmなので、小柄な女性などは足つき性を気にすることがあるかもしれませんが、そこさえクリアできれば、CB650Rはどんなライダーにとってもフレンドリーです。

ですから大型バイク初心者のかたや、女性ライダーも安心して乗れることは間違いなし。

それもCB650Rの真実なのですが、このバイクには、もうひとつ『先』があります。

ホンダ伝統の4気筒エンジンに起因する、想像以上に高いスポーツ性がそれです。

CB650Rは普通に乗れば、誰もが普通に楽しく走れます。

だけどそういう時、おそらくエンジンは6000回転以下で走っていることでしょう。

けれどCB650Rの直列4気筒エンジンは最高出力95馬力。それを12000回転で発生するという、なかなかにスポーティな特性のエンジンを搭載していることも忘れちゃいけません。

ある程度のスキルがあると『CB650R』はもっと楽しくなる

そして、このバイクにおける8000回転以上の世界というのは、6000回転以下の時とはずいぶん話が変わってきます。

自然に走っているぶんには、8000回転までエンジンが回るシチュエーションはまずありません。

つまり、それ以上の高回転域はライダーが『意図的に使うゾーン』だっていうことです。

その8000回転以上のゾーンをどこまで使えるか。それによってCB650Rっていうバイクの感じかたは大きく変わってきます。

8000回転から盛り上がり、10000回転以上で本領を発揮する『ホンダの4気筒』を味わうことができるかどうか。

それができるライダーには、また違ったCB650Rの面白さが見えてくるに違いありません。

なんてことを言うと、ずいぶんハードルが高いように聞こえるかもしれませんが、最初に言ったとおり、普通に乗るぶんには至ってフレンドリー。ビビる要素はどこにもありません。

わかりやすく言うと、CB650Rってちょっと二重人格的なんです。低～中速域と高回転域が別人格、みたいな感じ。

それを踏まえて、このバイクをおすすめしたいライダーを考えると……

実は『長年バイクを乗り続けてきたベテランライダー』のほうがしっくりくるんじゃないか？って思います。

そういう玄人ライダーのほうが、CB650Rっていうバイクを余すことなく味わえるはず。

誤解の無いように言っておくと『運転が抜群に上手い人』もしくは『特別に速い人』である必要はありません。

長年乗っていることで自然に培われてくるバイクの扱いかた。それを心得ていれば十分です。

ですから今回はマトを絞って、あえて！

CB650Rはいろんなバイクを知り尽くした『玄人ライダー』にこそ乗ってみてほしい1台だと言っておきます！

【文／北岡博樹（外部ライター）】

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