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土砂降りでも楽しい?!Honda E-Clutchは雨の中でもライダーに安心感を与えてくれる技術だった

マニュアルトランスミッション(MT)のクラッチ操作を電子制御化することで、ライダーの負担を減らしてくれるHonda E-Clutch。

Honda E-Clutch搭載車に乗れる機会がありましたが、当日はまさかの土砂降り…。

しかし土砂降りの中でもHonda E-Clutchは活躍し、雨の中のライディングをしっかりサポートしてくれるものでした!

クラッチ操作は必要な時だけ

Honda E-Clutch搭載車はエンジン部に制御機構が装着されています。
ですがそれ以外に見た目でわかるMT車との違いはなく、クラッチレバーもシフトペダルもあるためMT車とほぼ変わらない車体となっていました。

基本的な運転の方法は変わらず、MT車なのでシフト操作が必要ですが、クラッチ操作のみHonda E-Clutchに任せておけるというものです。

普通のMT車ではエンジンをかけたらクラッチレバーを握ってニュートラル(N)から1速に落として、エンジンの回転を上げながら半クラッチで繋いで発進……という流れですが、Honda E-Clutch搭載車の場合はもっと簡単。

エンジンをかけたらニュートラル(N)から1速に落とし、エンジンの回転数を上げていくとHonda E-Clutchが自動でクラッチを繫ぐ操作することで発進することができます。

本来クラッチレバーを握る必要がある場面でもHonda E-Clutch搭載車は自動でクラッチ操作をしてくれるため、ライダーがクラッチレバーを握るのは自分でクラッチ操作をしたいときのみ。
それ以外はクラッチレバーに触ることさえありません。

写真はエンジンが掛かっていない状態ですが、エンジンが掛かっている状態でニュートラル(N)の表示からクラッチレバーを握らずにシフトペダルを1速に落とし、エンストしていないというのは最初新鮮すぎて戸惑いました。

この状態でスロットルを開けてエンジンの回転を上げていくと、クラッチ操作をしていないのにHonda E-Clutchが半クラッチ制御をしてくれるので、ゆっくり発進していきます。

走り出す感覚やクラッチが繋がる動作はかなり自然。
エンジンの回転を上げすぎず、低回転域でクラッチを繋いでいくのは、バイクの運転が上手い人のクラッチ操作と一緒です。

自分はスロットルしか操作してないのにスイーッと自然に走り出していくので余計な気を使わず、運転に集中しやすいと思います。

ワインディングも楽しめるHonda E-Clutch

Honda E-Clutchによる感動の発進を体感したところで早速試乗コースのワインディングへ。
クラッチを使わないメリットは発進時、停車時で感じるもので、ワインディングを流して走るシーンではあまり関係ないように思えますが、実はHonda E-Clutchは走行時の変速時にこそ真価を発揮します。

今回の試乗コースは基本3速か4速あたりを使って、時折前後のギアにシフトアップ、シフトダウンして走る緩やかなワインディング。

スピードと道に合わせてクラッチを使わずにシフトアップしていくと、大きな振動もなく綺麗に繋がっていきます。
試しに低回転域でシフトアップしてみたり、高回転域でもやってみたりしましたが、Honda E-Clutchの変速は途中に半クラッチ制御が入るため、基本どの回転域で変速しても大きなショックが発生せず、違和感なくギアを繋いでくれます。

Honda E-Clutchの設定画面からシフトアップ/ダウン時のペダル荷重を、それぞれ個別にハード/ミディアム/ソフトの3段階から調整することができ、今回は雨に合わせて一番ショックの少ないソフト設定で走りました。
ハード設定でもHonda E-Clutchの場合はショックが少ないですが、雨天などの路面状況で走る場合はソフト設定がおすすめです。

「変速時のショックが少ないというのは、普通に走っているときに快適に走れるくらいのメリットだろう」と思っていましたが、これがワインディングの走りの楽しさにも関係していました。

どこでも綺麗にクラッチが繋がるのでシフトをテンポよく変えることができ、コーナーの角度やスピードに合わせてシフトダウンしてコーナーに入り、立ち上がりで加速しながらシフトアップするなど、クラッチを使う必要がなくスムーズに走れるというのは、普通のMT車でワインディングを走るのとは一味違った楽しさがあり、雨の日でも格段にスムーズな走りができるので、純粋なワインディングを走る楽しさが普段よりも増しているように感じました!

コントロールしやすい絶妙なセッティング

試しにHonda E-Clutchで気になっていたUターンをしてみました。
停車している状態からスロットルを開けると徐々にクラッチが繋がっていきます。急にクラッチが繋がることや、想定外の動きをしないため、Uターンのような細かい動作もラクにできました。

すごいのはクラッチが繋がった状態で、スピードを落としてUターンするためにブレーキをかけると、スピードに応じてクラッチが切れ、スロットルを開けるとまたコントロールしやすい範囲でクラッチが繋がっていくこと。
こういった制御もエンストせず、コントロールしやすい絶妙なセッティングがされていました。

乗り出し一発目からコントロールしやすい繋がり方で走ってくれるため、普通の発進からUターンまでしっかり対応してくれました。

より細かいUターンなど、自分のタイミングでよりシビアにクラッチ操作がしたい時はクラッチレバーを握ればHonda E-Clutchの制御が解除されるため、普通のバイクと同じようにクラッチ操作ができます。

急制動にも対応

もう一つ気になっていたのが、急制動した場合。
例えば3速で走っている最中に急制動すると、ブレーキで車速は落ちていきますが、ブレーキに必死でクラッチを握り忘れると3速低回転でしばらく前に押し出されてしまい、本来の制動距離よりも停車まで時間と距離がかかってしまいます。

クラッチを自動制御しているHonda E-Clutchは急制動したら、どのタイミングでクラッチが自動で切れるのか、エンストするのか気になっていました。

結果、Honda E-Clutchは急制動にもしっかり対応していて、3速からクラッチ操作をせずにブレーキのみで急制動をしてもスピードが落ちたタイミングでクラッチが自動で切れ、停車してもエンストしません。

もちろん3速で押し出されることも無いので、ベストな制動距離で止まることができました。
3速で止まってもシフトペダルを操作して1速に落とし、再度発進も問題なくできてしまうので、こういった不測の事態にもHonda E-Clutchは対応してくれるものでした。

雨のライディングでも不安を軽減してくれる

快適性も走る楽しさも両方感じる事ができるHonda E-Clutchですが、土砂降りの中のライディングでは安全に繋がっているとも思いました。

写真のような雨の中のコーナーへの侵入は、恐怖を感じるライダーは多いはず。
ですがHonda E-Clutchの場合普段より意識することが少ないので、しっかり確認したうえでコーナーに侵入できます。

コーナリング中のシフトチェンジは挙動が乱れてしまうため普段はあまり行いませんが、試しに行ってみると普通のMT操作よりも綺麗に繋がっていきます。

初めて走るワインディングでは次のコーナーの角度が分からないまま走るため、コーナーに入ってみたらもう一個下のギア、もう一個上のギアで走りたいというのはたまにあること。

そういった走りにもある程度対応しているというHonda E-Clutchのメリットも今回の試乗で感じることができました。

ラクさだけじゃなく、しっかり面白い

Honda E-Clutchの事前情報ではクラッチ操作が必要なくなることで、走るのがラクになる技術だと思っていました。
ですが実際にはラクさ、快適性だけではなく、Honda E-Clutchがあることによって普通のMTよりも、もっと深くバイクの走りを楽しめるという一面も持っていました。

クラッチ操作に慣れていない初心者の方だけでなく、操作に慣れている中級者やベテランが乗ってもしっかりメリットがある技術だと思います。

今回はクローズドのワインディングでの試乗でしたが、街中で乗ったらもっと大きなメリットを実感できそうです。
奥深い技術なので気になった方は是非一度体感してみてください!

【文/佐藤快(外部ライター)】

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