長いあいだバイクに乗り続けてきたベテランライダーは知識や経験が豊富。
バイクに対して鋭い感覚を持ち合わせている人も少なくありません。
では、そうしたライダーたちが最新のCB1000Fに乗ったら、どんな印象を持つのでしょうか。
今回は40代、50代の3人にCB1000Fでストリートを走ってもらい、率直な感想を語り合っていただくことにしました。
3人ともクラシックバイク好き

今回試乗してもらうのは、40代、50代のライダーたち。
3人ともクラシックバイクを愛するベテランです。
鈴木さんは52歳。
少し前までクラシックバイクレースにも参戦していました。
菅村さんは57歳。
80年代のバイクを普段の足として使っていて、「最新のバイクはつまらないものなのでは」と考えていたそうです。
園田さんは49歳。
2025年末、10年ぶりにバイクへ復帰したリターンライダーです。
3人とも長いバイク経験を持つ、根っからのバイク好き。
ただし、クラシックバイクに乗っていることもあり、CB1000Fの存在は知っていたものの特に強い興味を持っていたわけではなかったといいます。
実車を見ると想像以上にコンパクト

まずは走り出す前にCB1000Fをじっくりチェックしていただきました。
1980年代のCB750Fをモチーフにしたスタイリングは、3人にも好印象だったようです。
とくに80年代に青春時代を過ごした菅村さんには、このカラーリングが強く響いたようです。
写真で見たのと少し印象が違ったけど、カッコよかったよね。昔のイメージをうまく再現している。ボリュームはあるんだけど、ミドルクラスみたいに気軽に乗れそう。またがっただけで優しさを感じる
うん、カッコよかった。デザインがすごくいい。シート高が低いし、コンパクトで乗りやすそうですね
このカラーリングはずるい(笑)。オヤジキラーだ
見た目の印象だけでなく、またがったときの軽さや足つき性の良さにも高評価。
クラシックバイクに乗っているベテランにとっては、5インチフルカラーTFTメーターも新鮮だったようです。
最初に見たときは「メーターが四角なんだ」って驚いたけど、いろいろなインフォメーションがひと目で分かる。これはありだなと思いました
視認性がいいよね。情報が集約されているから、あっちこっちに視線を向けなくても済む。表示も鮮明でくっきりしていた
迫力ある排気音と軽快に回るエンジン

モード切り替えやスマートキーの使い方を説明して、いよいよエンジンを始動。
4気筒エンジンの排気音が響いた瞬間、盛り上がる3人。
排気音が思っていたより迫力があるね
これだけ良い音だったらマフラーを交換しようなんて思わないなあ
そして交代でストリートへ。
1人が走り終えるたびに3人が集まり、感想が飛び交います。
まず話題になったのは、エンジンの軽快なフィーリングでした。 
エンジンの回り方が軽い。このフィーリングはいいね
エンジンがすごく良かった。滑らかに加速していく感じで乗りやすかった

以前乗ったCB1300SFみたいな力強い感じとは少し違うけれど、低回転のトルクもまったく不満がないレベルだし、スポーティーなフィーリングで、つい回したくなる
回すと気持ちがいいよね

すごく気持ちいいフィーリングだった。一緒にどこまででも走っていけそうな感じがする
力強さはありながら、扱いに神経を使わせないエンジン特性も3人には好印象だったようです。
ストリートで多用する4000〜5000rpmの回転域が力強い。レスポンスはいいけれど、思った以上に飛び出してしまうようなことはない。すごく従順で、不安を感じることがまったくなかった
レインモードも試してみたけど、十分に速いね。開け始めのレスポンスは穏やかになるけど、そこから開ければ十分なパワーがある
3人が感動した軽快なハンドリング

エンジン以上に話が盛り上がったのがハンドリングでした。
ビッグバイクでありながら自由自在なコーナーリングが強く印象に残ったようです。
すべてが軽い。またがった瞬間から軽さとバランスの良さを感じる
移動するときに少しだけダートを走ったでしょう? 自分のバイクだったら、ああいう場所はとても怖い。でもCB1000Fは、すごく安心して走ることができた
不安を感じないハンドリングと安定感がありますよね

ちょっとステップに力を入れたら軽くバイクが寝てくれるし、車体を起こすときも力がいらない
スーッて感じでバイクがバンクするよね

10年ぶりにリターンした園田さんも、この扱いやすさには驚いた様子です。
リターンライダーでも問題なく乗れそうだね
まったく問題ないです。運転がうまくなったような感じがする
足まわりも車体もしなやかで、コツコツ突き上げるような感じはまったくなかった。みんな、こんないいバイクに乗っているんだって思った(笑)

あの足まわり、全部自分の今のバイクに移植したいと思った(笑)。ただ、あんなに乗りやすいと他のバイクに乗れなくなってしまうんじゃないかって逆に心配になる
「乗りやすい=つまらない」ではなかった
ここまで3人の評価はかなり高いものになりました。
ただし、今回確かめたかったのは単に「よくできたバイクか」ということだけではありません。
クラシックバイク好きが口にすることのある「最新のバイクは乗りやすいけれど面白くない」という印象は、CB1000Fでも同じなのでしょうか。
正直に言うと、最新のバイクってもっとつまらないものかと思っていた。でもCB1000Fに乗ってみたらメチャクチャ良かったのでびっくりした

乗りやすくてつまらないということはないよね。乗りにくいバイクが楽しいはずがないもの(笑)。乗りやすければ意のままに操れるわけだから、楽しいに決まっている
この前乗せてもらった最新のバイクは、乗りやすいだけで全然面白くなかった。だから、そういうバイクもあるんだと思う。でもCB1000Fは乗りやすくて、それでいてすごく楽しい
ちゃんと刺激があるからでしょうね
確かに官能的な部分がないとつまらないか。その点、CB1000Fには盛り上がる感じもあるから楽しいんだろうね
単なる扱いやすさだけでなく、操作したことに対してしっかりと反応が返ってくることが「楽しさ」につながっているようでした。
「もっと走りたい」と思わせるCB1000F
試乗が進むにつれて、最初は特に興味を持っていなかった3人の言葉も変わっていきます。
ストリートだけでなく、もっといろいろな場所で走らせてみたいという声まで出てきました。
めちゃくちゃに楽しい。普段はストリートで使って、ときどきサーキットも走るとか、そんな使い方をしても楽しそう
周囲の風景を楽しみながら走れるような気楽さがあって、スポーティーに走りたいときはしっかり応えてくれるところがいい
すべてが楽で、乗っていてまったく疲れない。クイックシフターも良かった。なんでもこなせてしまうバイクだよね
確かに全然疲れない。気が向いたら東京から大阪くらいスッと行けそう。
我々もこれから年を取ると感覚も鈍ってくるから、CB1000Fみたいに軽くて乗りやすくて、電子装備も充実したバイクを選ぶようにしたほうがいいね
確かに。CB1000Fだったら、おじいちゃんになっても乗れそう(笑)
そんな話をしている最中、菅村さんはスマートフォンでCB1000FのWebサイトをチェック。
どうやら、本当に気になり始めたようです。

しかもコレ、安くないですか? 消費税込みで139万7000円ですよ
え、200万円くらいするのかと思っていた
それは安いですね

オレもそうだけど、今まで現行のCBが欲しいなんて誰も思ったことないよね?
ないない
でも試乗しているうちに本当にいいなと思ってきた
試乗を終えても、3人の話は止まりません。
最後には「まだ走り足りない」というリクエストまで飛び出しました。
もっといろいろな場所を走りたいなあ
次は3台用意してもらって、3人で一緒に走りたい。ワインディングやサーキットも走ってみたい。そして我々だけじゃなくて、もっと多くの人にCB1000Fに乗ってほしいなあ
乗らないと、この楽しさは分からないものね
ワインディングとかで試乗会をやったら、その場で契約してしまう人が出てくるんじゃないかなあ。それくらい楽しい
ベテランに試乗してもらったら厳しい意見も出てくるのではないかと思っていましたが、聞こえてきたのは「楽しい」という声ばかり。
CB1000Fは、最新モデルにあまり興味を持っていなかったベテランライダーにも強く響く1台だったようです。
【文/後藤武(外部ライター)】

















