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ホンダ直列4気筒エンジンの可能性を『CB1000R』が拡げていく【ホンダの道は一日にして成らず 第24回/Honda CB1000R 後編】

街乗りではイージーに、ワインディングではエキサイティングに。ふたつの個性を電子制御で使い分ける・・・。
その発想にホンダCBの、4気筒エンジンの新しい可能性を垣間見た気がしています。

電子制御で『可能性』にチャレンジするCB1000R

ライディングモードで、ほとんど別のバイクのように印象を変えるCB1000R。
その電子制御技術には、バイクにおける既存の常識を変えてしまうほどのインパクトがありました。
それはもう、1台の中に複数の個性が平行して存在しているような感覚だったんです。

【中編】からの続きです

みなさんもご存じの通りライディングモード自体はCB1000Rだけじゃなく、ホンダの大型バイクラインアップの中だけでも様々な車種に搭載されています。
でも、その中でもCB1000Rは変化の幅が大きいと私(北岡)は感じています。

これはCB1000Rが、マルチなキャラクターを要求されやすい『ネイキッドバイク』だからなのかな? と個人的には思っています。
これが例えば、Rebel 1100だったらクルーザーらしさを根底に据えなければいけないし、CRF1100L Africa Twinシリーズならばアドベンチャーモデルとして様々なシーンに対応できるようにしなければいけません。

だけどネイキッドのCB1000Rにはその縛りがない。比較的、自由度が高かったのではないでしょうか?

もちろんCB1000Rは、ホンダ『CB』の名を冠するバイクなので、スポーティさに重きを置く必要はあったと思います。

そこに関しては前回の【中編】でお伝えしたとおり、ワインディングでの『SPORT』モードで力いっぱい思い知らされています。(笑)

だけど、それ以外のモード、例えば『RAIN』では路面状況が悪いシチュエーションでのセーフティでありつつ、街乗りでの扱いやすさも意識しているような気がするんです。

そして『STANDARD』においては、いろんなライダーが幅広く『バイクでスポーツする悦び』を享受できるようにアジャストしてきた。

優しさと楽しさ、そしてCBとしてのプライド。

この3つをCB1000Rというバイクは、すべて内包しているんだと思います。

ただ、それが実現できているのはCB1000Rが軽量コンパクトに仕上げられ、公道を走るために適した車体を与えられているからこそ。

王道のCB1300シリーズをベースとして同じアプローチをしてみても、CB1000Rのようには絶対になりません。

そう考えるとCB1000Rは、ホンダCBの『新しい可能性』そのものだと思うんです。

別のラインで走る、もうひとつのフラッグシップ

そもそもの話ですが、CB1000Rが搭載しているような4気筒エンジンっていうのは、単気筒や直列2気筒のエンジンに比べて、どうしても重量が重くなりがち。
そして、バイクの構成部品の中でいちばん重いのはエンジンです。

その重さの問題を、徹底して軽く、小さくしたスーパースポーツ用エンジンを転用することで解決。

ただ、それだけだとスーパースポーツ用のエンジンは、少々扱いにくさが残るので吸排気のアレンジに加えて、最新の電子制御でコントロールして乗りやすさを生み出す。

それらをさらに、重量マスを集中させる車体の構成と、フレームやスイングアーム、サスペンションを公道向けにチューニングすることでフィニッシュ。

そうして出来上がっているのがCB1000R。現代の技術があるからこそ生み出すことができた新しい『CB』なんです。

145馬力のハイパワーを秘めながら、時にはバイク初心者にも優しく。万能さを求められるネイキッドバイクとしての汎用性も高く。
これまでの『CB』では実現できなかったものを実現した。

伝統の4気筒エンジンを搭載するホンダの『CB』は、進化を止めることがない。

CB1000Rに乗って思うのは、可能性に挑み続ける飽くなき探求心。ホンダらしい、と言うしかないチャレンジスピリッツなのでした!

【文/北岡博樹(外部ライター)】

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