HondaGO BIKE LAB

見た目で選んだバイクMTX200Rに乗るうちにレストアやオフロードなどハードな魅力にハマった29歳のバイクライフ

バイクに乗る理由やバイクの選び方は人それぞれ。
スタイルで選ぶライダーもいれば、スペックで選ぶライダーなど、人によってこだわるポイントが違うと思います。

今回は見た目でバイクを選んで試行錯誤しながら旧車ライフを楽しむライダーのバイクライフをご紹介します!

見た目で選んで始まった旧車ライフ

バイク歴6年のゆうじさんは現在会社員の29歳
昔からバイクに興味はあったそうですが、免許を取るまでには至らず。
ですが親しい友人が2ストの古いオフロードバイクに乗り始め、それをきっかけに本気でバイクに乗りたくなって免許を取りに行ったそうです。

バイクはどんな乗り物なのか体験してみたくなり、クローズドコースで試乗させてもらってあまりの強烈さにわずか数分で転倒…。
しかしこれがゆうじさんを燃えさせたようで、バイクにハマるきっかけになります。

「昔はずっとスケボーをしていて、スケボーのうまく行かないけどトリックができた時に嬉しくて熱中していたんです。で、バイクに乗ってみて想像では余裕だと思ってたんですが全然うまく行かなくて…でも反骨心的な、それが逆に面白くていつか乗りこなしてみたくなったんです」

愛車は1983年に発売されたMTX200R
免許を取ってすぐ250のストリートバイクを購入したそうですが、最初友人に乗せてもらった2ストのオフ車とは全然違って乗りやすいけどパンチが無かったそう。

それにスペックや価格よりも見た目でバイクを選びたかったゆうじさんはカラーリングと形がたまらなくかっこよかったMTXに出会います。
タイミングよくMTXを手放す人が見つかり、譲ってもらったそうです。

買った当初はボロボロだったそうですが、地道に直してようやく純正ルックで綺麗になり始めたところだとか。
デカールなどは当初は無く、海外から取り寄せて貼ったそうです。

「MTXは今の新しいオフロードバイクよりも古めかしい見た目ですが、乗るならどうしてもこの当時の赤が良くて、買ったあともノーマルルックに仕上げるために色んな所からパーツを取り寄せました。色味だけでなくシェイプされすぎていないラインもこの当時のバイクならではの部分で、古いバイクですが、自分の乗りたいバイクを見つける事ができました

旧車ならではの苦労もあった

MTXは昔多くあった2ストロークエンジンのバイクです。
購入してすぐ乗ってみると、友人のバイクほどのパンチが無かったため、友人に試乗してもらうとエンジンが壊れている事が発覚…。
ですが友人の手を借りて自分で組み直すことを決意します。

結局壊れていたのはこの当時ホンダの2ストに搭載されていた排気デバイスシステムのATAC(アタック)でした。
エンジンの回転数に合わせて動く可変バルブシステムなので、これが動かなくなると高回転まで吹け上がらなくなります。
発覚から約1年間地道にエンジンを組み直してレストアできたそうです。

「友人から聞いていた通りパーツを集めるが本当に大変で、特に内燃機は必要なパーツを洗い出して集めるだけで結構な時間がかかりました。でも地道に調べると海外に新品パーツがあったりして、MTX125Rのパーツが流用できたので時間はかかりましたが、なんとか見た目も中身も当時の元気なフィーリングを取り戻すことができました

日常の足から林道まで楽しむ

本調子を取り戻してからのMTXは強烈なパンチだったそう。
「エンジンをバラすまで2ストもよくわかってなかったですが、サービスマニュアル見ながらパーツを集めてるうちにめちゃくちゃ知識が増えました。組み直してからは最初に乗らせてもらった友人の2スト以上にパンチが出てきました。加速がめちゃくちゃ気持ちよくて、しばらくは速すぎて全開にできなかったくらい、買った当初とは違うバイクになりました」

本調子を取り戻したことをきっかけにずっとやりたかったオフロードに挑戦します。
友人と林道ツーリングに行ったり、目的地を決めずに方面だけ決めて気ままにツーリングしたり、自由なバイクライフを満喫しているゆうじさん

今後も色んなオフロードを走ってみたいといいます。

「元々自然が好きだったので林道は景色を楽しみながらトレッキングしたりしてます。でも友人とハードな林道に行くこともあって、ハードな林道って最初みたいに今でも全然うまく行かないんですよ。頭の中ではコケずに登りきれてるのに、実際やってみたら登り始めてすぐコケるみたいな(笑)。もっと練習すれば想像通りに体が動きそうですが、このチャレンジしてみたくなるバイクの感覚が好きです」

古いバイクは壊さずに大事に維持する、というのが普通の旧車乗りだと思いますが、ゆうじさんは旧車乗りでも非常にアクティブ
もちろん大事にはしていますが、使ってなんぼ、走ってなんぼ、という価値観で乗っていました。

最初は見た目で選んだバイクですが、しっかりオフ車らしくハードに走っているMTXからは、ただキレイな旧車では出せない味がありました

バイクは移動を遊びに変えてくれる

普段は林道ツーリングから日常の足としてもMTXを使っているゆうじさん。
バイクの良いところはただの移動を遊びに変えてくれるところだといいます。

「車も持っているので移動のメインは車なんですが、車で走ってると、この道バイクで走ったら絶対気持ちいいだろうなーと思うことがよくあります。実際同じ道でも車で走るとただの移動なんですが、バイクで走ると爽快感があるし、車では気づけなかった細かいところに気づいたりして走るだけでも気分が良くなってる自分がいます

オフロードバイクのMTXですが、ワインディングなども楽しめるハンドリングなので、オフだけでなくオンロードでも乗っているそうです。

「エンジン組み直したばっかりの時は自分で組んでるので不安であんまり遠出はしませんでしたが、最近では同じような年式のオフ車に乗っている仲間とツーリングに行くこともあり、ツーリングも楽しんでます。以前はオンより断然オフ派だったんですが、ツーリング中に偶然見つけた良いスポットや道があるとこういう楽しみ方もアリだと思いました」

自由を楽しむバイクライフ

ゆうじさんにバイクの一番好きなところを聞いてみると、自由なところだといいます。
クローズドコースのオフロードなら制約がない分自由ですが、普通の道を走っていても確かに車よりも機動力があるので自由度が高い乗り物だと思います。

気になったところでサッと止まって様子を見に行ったり、仲間と走ってて見つけた景色のいいスポットに行ってみたり、そんな一種のアドベンチャー感がゆうじさんが好きなバイクの一面だそうです。

今後は林道だけでなくモトクロスにもチャレンジしてスキルアップしていきたいと語ってくれました。
最初は見た目で選んだバイクでしたが、昔のバイクならではの難しい部分やオフロードを楽しんでいくうちに見た目以外のバイクの本質的な部分の楽しみ方にも派生していったゆうじさん。
今後もバイクの自由な楽しみ方を深めていきたいそうです。

【文/佐藤快(外部ライター)】

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