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出先で突然エンジンがかからなくなった⁉︎ 焦らずココからチェックしてみて!【バイクライフ・ステップアップ講座/エンジン始動ができない時の対処法 編】

ツーリングの出先で突然バイクのエンジンがかからなくなった時、まずはどこからチェックしたらよいのかを解説します!

愛車のエンジンが突然始動しなくなった時の対処法って?

ツーリングの休憩後などで再び走りだそうとセルボタンを押してみると……

「あれ⁉︎ エンジンが掛からない……」

さっきまで普通にエンジンはかかっていたのに、突然動かなくなってしまうと、誰でも焦ってしまいますよね。

実はこれ、出先のバイクツーリングのトラブルで時々耳にする話ですが、エンジンが突然かからなくなる要因は様々だったりするので、バイクの主電源が入る場合は、まずは落ち着いて下記の5つをチェックしてみましょう。

まずは落ち着いて「この5つ」からチェックしてみよう!

①キルスイッチがOFFになっていませんか?

まずはキルスイッチがしっかりONになっているかチェックしてみましょう。

停車時にキルスイッチでエンジン停止させたのを忘れていたり、何かの拍子でキルスイッチに触れたりして、気が付かずにOFFになってしまっていることもあります。

キルスイッチとは、イグニッションコイルや燃料噴射装置といった点火系統への電気供給を遮断する装置で、これがOFFになっていると、いくらセルボタンを押してもエンジンは一向にかかりません。

キルスイッチがOFFになっていても、バイクはメインキーをONにするとメーターなどの電源は点灯する車種がほとんどなので、気が付かずにセルボタンを押し続けてしまっていることがあるんです。

エンジンがかからない要因を色々チェックしてみたけれど「キルスイッチがOFFになっていただけだった……」ということは結構ある話なんです。

②ギアが1速に入っていませんか?

主電源は入るし、キルスイッチもしっかりONになっているけどエンジンが掛からない場合は、ギアが入ったままになっていないかチェックしてみましょう。

基本的に最新のバイクは、ギアが入っている場合にセルボタンを押しても、クラッチレバーを握らないとエンジンが掛からないようになっています。

これはセーフティとしての機能が働いているからで、車種によって異なる場合もあります。ギアがニュートラルに入っていないとエンジンがかからないマシンもあります。

坂道停車などでギアを入れたままバイクを停めていたり、気が付かずにギアが入ったままになっていた場合は、ギアをニュートラルに入れてみて、エンジンが掛かるかをチェックしてみましょう。

③サイドスタンドが降りたままになっていませんか?

こちらもギアと同様に、いまどきのバイクはギアが入っている状態でクラッチを握ってセルボタンを押しても、サイドスタンドを出しっぱなしにしているとエンジンが掛からないようになっています。

ほとんどの車種のサイドスタンドには、サイドスタンドのしまい忘れで走行できないように、誤発進や思わぬ転倒防止などの目的でサイドスタンドスイッチという安全装備が備わっています。

特に、クラッチ操作が不要なスクータータイプの車種は、サイドスタンドが降りたままだとエンジンをかけることができない仕様になっている車種がほとんどで、スタンドをしっかりはらってブレーキレバーを握ってセルボタンを押す必要があります。

④ブレーキもしくはクラッチを握り忘れていませんか?

先ほども少し解説しましたが、サイドスタンドをはらっていても、ギアがニュートラルになっていない場合はクラッチレバーを握らないとエンジンはかかりませんが、車種によってはさらにブレーキレバーも握らないとエンジンがかからないモデルもあります。

これも誤発進を防ぐためのセーフティ機能が働いているので、バイクのエンジン始動は、できるだけギアをニュートラルにしてセルボタンを押すように心がけましょう。

⑤そもそもガソリンは入っていますか?

それでもエンジンが掛からない場合……そもそもの問題ですが、ガソリンの残量が底を尽きてしまってはいませんか?

主電源は入るしセルモーターも回る、さらに①から④の項目を全て試してもエンジンがかからない場合は、ガソリン切れの可能性もあります。

フューエルメーターが着いていない車種は、タンクキャップを開けるなどして確認してみましょう。

近年のバイクはほとんどの車種が、電子制御を用いてエンジンに霧状の燃料(混合気)を噴射するフューエルインジェクションシステムになっていますので、燃料計が無い場合はガソリン残量が少なくなっていることに気がつきにくいんです。

ちなみに、昔のキャブレター仕様のバイクは燃料コックがオフになっていないかを確認したり、チョークレバーを引いてエンジンをかけてみましょう。

①から⑤まで全て試してみてもエンジンがかからない場合は、もっと別の原因が影響している可能性が高いです。

ここからは、エンジンがかからないその他の原因を確認していきましょう。

セルが弱々しく回る場合はバッテリーが弱っている可能性が高い

先の①から⑤のチェック項目を全て試してみてもエンジンが掛からない。なんだかいつもよりセルモーターの音が弱々しい、という時はバッテリーそのものが弱っている場合があります。

バッテリーの電圧がかなり弱っている状態で、セルモーターを長時間回し続けるのは、バッテリーにとってさらによくないので、バッテリーをしっかりと充電させてあげる必要があります。

バイク専用のバッテリー充電器で充電するか、そもそも充電器を持っていない場合は、お近くのHonda DreamなどHonda二輪車正規取扱店でチェックしてもらいましょう。

メインキーを回しても電源すら入らない場合は?

メインキーをONにしても主電源やメーターすら点灯しない場合は、完全なバッテリー切れ(完全放電)や電気系統に異常がある可能性が高いです。

ツーリングの出発前ならバッテリーを充電してみることもできますが、ツーリング先でこのような状態になってしまったら、バッテリーに蓄電させるためのジェネレーターやレギュレーターなどの異常も考えられます。

バッテリーの状態が問題ない場合は、電気系統の異常や過電流などが原因でヒューズが切れてしまった可能性もあります。

バイクにはスペアのヒューズが備わっている車種も多いのでチェックしてみましょう。

ちなみにバイクのバッテリーは消耗品です。ある程度の年数を経過したものは早めに新品に交換したほうが安心です。

エンジンがかからないその他の要因って?

主電源も入るし、バッテリーや電気系統も全てチェックしたのにエンジンがかからない場合は、ECUなどのコンピューターシステム関連に異常があるかもしれません。

インターパネルのインジケーターに矢印のようなマークが点灯している場合は、コンピューター系の異常があるサインなので、専門知識を持っているエンジニアスタッフでなければ修理は難しいと思ったほうが良いでしょう。また、このランプが点灯している状態では、仮に走れたとしても走行しないほうが無難です。バイクに余計なダメージを与える原因になりかねません。

他にも、近年のインジェクション仕様のバイクではあまり聞かなくなりましたが、昔のキャブレター仕様のバイクでは、プラグがかぶっていることが原因でエンジンがかからないケースもよく聞かれました。

出先でこのようなケースになってしまった場合は、その場では修理できないことがほとんどなので、ロードサービスを呼んで自宅や修理を頼めるお店に運んでもらうことをおすすめします。

最近のバイクは“押しがけ”しない方がいいって本当?

昔のキャブレターのバイクは、何らかのトラブルでセルモーターを使ってエンジンがかけられない場合に、クランクシャフトを人力で回してエンジンを強制的に始動させる、いわゆる「押しがけ」という方法もありました。

しかし、近年のインジェクションシステムのバイクは、電気を利用して燃料を送り出す燃料ポンプが備わっていたり、ECUなどの保護のためにも、昔ながらの押しがけをしない方がいいバイクや、そもそも押しがけでエンジンを始動させることができないバイクが増えています。

また、オートマチックのスクータータイプや、スリッパークラッチを採用しているバイクも押しがけすることはできません。

インジェクションシステムのバイクでも押しがけができる車種も中にはありますが、バッテリーが弱って燃料ポンプすら動かない状態では無駄な努力に終わるのでご注意ください。

また、バッテリーが弱っている場合は、他のバイクやクルマのバッテリーからセルモーターを回すための電力を分けてもらう「ジャンプスタート」という方法もあるにはあります。

しかし、これにはバッテリー同士を繋ぐジャンプコードが必要ですし、コードをつなぐ手順を間違えたりすると別のトラブルを引き起こす場合があります。ジャンプスタートはある程度の専門知識を持った人があくまでもエマージェンシーで行う方法だと思ったほうがよいでしょう。

いかがでしたか?

出先でエンジンが突然かからなくなると焦ってしまうこともあると思いますが、意外にキルスイッチやサイドスタンドが原因のうっかりミスであることも多いので、まずは落ち着いて①〜⑤の項目をチェックしてみて、それでもエンジンがかからない場合はロードサービスなどを利用した方が賢明です。

バイク健康状態やバッテリーの状態などは日頃からチェックするように心がけて、安心のバイクライフを楽しんでくださいね!

【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】

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