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久しぶりにバイクに乗るとき 意外と気がつかない盲点5つ チェックし忘れは大ダメージ?【Safety】

感染症の影響でしばらくバイクに乗れなかったライダーも数多くいらっしゃると思います。

1ヶ月ぶり、半年ぶり、はたまた3年ぶりなど、ブランクは人それぞれ。

久しぶりにバイクに乗る時、押し入れからジャケットやヘルメットを取り出し、バイクカバーを外して即走り出すのは危険かも知れません。色々とチェックすべき点がありますから、今回はそちらの話をしたいと思います。

基本的なチェック項目は?

 

バイクの整備に関する基本的なことはこちらを読んでいただくとして……

今回は盲点だと思われる項重要事項を5つお伝えしましょう。

 

 

バッテリーチェック時のワナ

 

電圧計やサーキットテスターを持っている人は少数派だと思いますから、まずはセルモーターが回るかチェック。かからなければブースターケーブルで他車と繋ぐなどして始動させます。

バッテリーのチェック方法や再始動方法については割愛します

 

エンジンがかかったら「よし、OK」とすぐエンジンを切るのは避けましょう。セルモーターを回すには電力を大きく消費するため、弱っているバッテリーの中にもう一度エンジンをかけるだけの電圧が残っている保証はありません。

エンジンがかかったらそのまま近所をぐるっと回って発電させ、バッテリーの電圧を上げておくと安心です。

「エンジンかかったら数分間アイドリングしてバッテリー充電するの定期」

「発電量足りなかったらその場で空ぶかしすれば良いだろ常考」

と思ったアナタ!それはNGです。

停車中のアイドリングは禁止、いわゆる「アイドリングストップ条例」が全国の自治体にて施行されています。

ホンダで販売されている全てのスクーターにはアイドリングストップ機能が付いています

 

条例に違反した場合は

・義務違反者に必要な措置をとるように勧告します。

・勧告に従わない場合、違反者の氏名などを公表します。(東京都の場合)

となっているのです。

また、バイクのアイドリング音や空ぶかし音はライダー以外には案外うるさく思われるもの。ご近所の迷惑にもなるだけでなく、苦情が出ればバイクに乗れなくなる可能性だってあるわけです。

朝晩などは特に注意 屋内まで音は届きます

ライダーたるもの、常に模範となるべき人物でありたいですね。

 

そのガソリン、腐ってるぞ

 

中〜長期保管の場合、残存しているガソリンがまだ使えるかチェックが必要です。よく「ガソリンが腐った」と言う方がいますが、厳密にいえばガソリンは腐りません。

大気中の酸素と結合することで酸化し「劣化」するという言い方が正しいでしょう。また長期間放置されたガソリンはドロドロに変化することもあります。

画像はイメージです

 

暗所かつ気温の変化が少ない良好な保管状態であればガソリンは6ヶ月ほど持つと言われていますが、四季のある(気温や湿度の変化が激しい)日本の屋外で保管されていれば、早くて2〜3ヶ月で劣化が始まっている可能性大。

そうなるとエンジンが始動できないどころか、始動できたとしてもその劣化したガソリンがエンジン各部に悪影響を与え、走り出してもエンジンストップやエンジン故障の原因になるかも知れません。

まずはガソリンタンクキャップを開けて、臭いを嗅いでみましょう。ガソリンスタンドで嗅ぎ慣れた(?)あの臭いとは違う悪臭が確認できたら、ガソリンスタンドに相談して劣化ガソリンは処分(おそらく無償です)してもらいましょう。

事前に電話等で処分可能か問い合わせをしておくことをお勧めします

「ちょっと臭いけど勿体無いし、試しにエンジンかけてみよっか」というのはやめましょう。百害あって一理なしです。

 

 

長期間乗っていなかったら自分を見直す

 

数ヶ月〜1年放置していた場合、おそらくエンジンはかからないでしょう。先にお伝えしたバッテリーチェックやガソリンチェック、その他チェック項目は多岐にわたります。

バイクがちゃんと動くか?の心配はもちろんなのですが、もう一つ重要なことがあります。

 

自分の身体は大丈夫か?

バイクに乗るには体力が必要

 

毎日バイクに乗っていた時と違って、身体能力が衰えているというか、あの頃のように身体が動かないことがありますから要注意。

ちなみに私は普段100km未満の走行が多いのですが、久しぶりに300km越えのツーリングを行うと、翌日筋肉痛になることが多々あります 笑

バイクに乗っているときは意外と筋力を使っています

 

1年以上バイクに乗っていなかったら、バリバリ乗っていた時と比べて判断力、動体視力、勘などのライディング能力も劣化しているでしょうから、それに伴い事故を起こす確率も増えてしまいます。

 

身体能力の復活

まずは十分なストレッチを行い、身体をほぐしましょう。いきなり遠出をすることは控えて、慣れている近所を2〜30分ほど走って感覚を取り戻すのも重要。

走るときは教習所で習った時を思い出しながら目線の使い方や体重移動、走行時のコース取りなどをしっかりチェック。自分の思い描いた走りができなければ無理な走りをしてはいけません。

基本の所作を思い出しましょう

自分のライディングテクニックを過信しなことが大切です。

 

ライディングギアのチェック

 

長い間乗らなかったということは、ヘルメットやグローブなども放置していたことでしょう。

そのグローブやジャケット、どこに置いてありましたか?もしかするとすぐに使えない状態に陥っているかも知れませんよ!

革製品のカビ

レザーのグローブやジャケットの場合はカビが発生している可能性があります。

押し入れなど風通しの悪い場所での保管は要注意

 

1年程度放置した際の軽いカビなら、革専用のクリーナーやミンクオイルなどでメンテすればOK。酷い場合は革専用シャンプーなどで洗濯を行ないましょう。下手に手をかけてダメにするのが怖いならクリーニング店にお任せ。

 

合皮のジャケットやグローブ

合成皮革(フェイクレザー)の場合も要注意。表面がひび割れたりボロボロと剥がれ落ちたりしていることがあります。これは加水分解と言って、素材として使われているポリウレタンやPVCなどが空気中の水分と化学反応を起こして劣化した状態なのです。

他にもベタベタと粘着質に変化してしまう劣化もありますが、いずれにせよ修復は難しいため、久しぶりに対面したお気に入りのジャケットも、再会即サヨウナラとなってしまいます。

 

ヘルメット

ヘルメットの内装を洗って除菌してから保管してあったならセーフ。

脱いでそのままだったら・・・こちらもカビ発生の可能性があります。また、汗や皮脂などによる悪臭を放つ「ルメット」になっていないかチェックしましょう。アウトだったら内装を丸洗いしてリフレッシュ。

購入後数年経っていたヘルメットだと、内装の加水分解が始まって、スポンジがボロボロと崩れ落ちているかも。こうなってしまうと内装交換するしかありません。

スポンジ部だけでなく、この辺りも要チェック

内容がダメになった状態のヘルメットは、頭部を保護する能力がありませんから、絶対に被らないようにしましょう。

 

車検や保険のうっかりが一番ヤバい

 

最後に一番大切なこと、それは書類関係

車検や自賠責保険が切れていないか、任意保険は継続しているかなどを必ずチェックしましょう。

バイクの状態やライディングギアなどをチェックすることも重要ですが、絶対に守らなければならないところは車検と保険です。バイクが完璧な状態でも、身体がバリバリ元気でも、ライディングギアがバッチリでも、これが欠けていたら0点どころかマイナスです。

大切なコトなので2回言います。久しぶりにバイクに乗る時、一番最初にチェックしなければならないのは書類関係

車検切れ 6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金+違反点数6点+免許停止30日間

自賠責保険未加入 1年以下の懲役または50万円以下の罰金+違反点数6点+免停30日間

車検証不携帯 50万円の罰金

自賠責保険証不携帯(自賠責シール貼り忘れも) 30万円以下の罰金

反則金ではなく罰金と書かれていることからもわかりますが、この4つを犯せば「前科」となります。

「うっかり」では済まされない超重要案件。久しぶりにバイクに乗るときは必ずチェックしてください。

 

最後に

ということで、久しぶりにバイクに乗るとき 意外と気がつかない盲点5つでした。

愛車の状態をチェックすることも重要ですが、乗る以前の問題が発生してしまってはバイクどころの騒ぎではありません。とはいえ、今回紹介した5項目は久しぶりのバイクじゃなくても普段から気をつけなくてはならないコト。

マナーやルール(法規)に関しては特に気をつけて頂きたいなと思っております。

 

【文:井上シュウジ(外部ライター)】

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