バイクの運転は経験しないとわからない部分が大きい乗り物です。
「ちゃんと発進できるかな…」「ちゃんと曲がれるかな…」などライディング中に感じる不安はバイクの楽しさを押しつぶしてしまうことがあります。
そんな不安を解消してくれるのがライディングレッスン。
今回は2023年5月に鈴鹿サーキットで開催された HondaGO BIKE MEETING のコンテンツ『ワンポイントライディングレッスン』の様子や内容、参加者の皆さんの声をお届けします!
現役プロレーサーが教えてくれる!
ライディングレッスンとだけ聞くとお堅いイメージをする方もいるかもしれませんが、このワンポイントライディングレッスンの講師は全日本選手権を始めとしたレースで活躍する現役プロライダーの方々。
レースをよく見ている方なら「あ、あの時走ってた選手だ!」と気づくはず!
プロライダーに教えてもらえるなんて滅多にない機会なので、それだけでも受ける意味のあるレッスンだと思います。
レッスンに参加していたライダーさんは様々。
免許を取ったばかりのビギナーの方もいれば、バイク歴40年を超えるベテランの方も。
レッスンと聞くと初心者向けコンテンツにも聞こえますが、運転の上手い、苦手に関係なく様々なライダーさんがレッスンを受けて上達していました。
バイクはクセが出やすい乗り物
どういうライダーさんが受けて意味のある講習なのか、レッスンを運営している日本郵便Honda Dream TP 代表 手島さんにお話をお伺いしました。
「バイクはライダー自身の癖が出やすい乗り物です。基本的な操作は教習所で学ぶことができますが、そこから先は自身の経験で培っていくので、正解・不正解に関係なくライダーさん自身の想像する操り方、乗り方になっている人が多いんです。このレッスンではその癖を正しい形に矯正していくイメージで教えています。普段はプロレーサー達を育成していますが、やることは基本的には似ていて、極低速域での操作がしっかりできていないとレースのような高速度域での操作もできません。ですから、まずは極低速域でのコントロールを体で覚え、物理的な感覚を培うことが安全なライディングに繋がると思っています」
いかに速く走るかではなく、いかにゆっくり走るかをマスターできれば、自然と高速域でも扱えるようになるというのはレーサーを育成されている手島さんならではの観点だと思います。
実際、ベテランライダーの中には、講習前からある程度乗れていても、講習を受けて更に乗りやすく、楽しく乗れるようになったという人も。
バイクに乗っているライダーなら誰がいつ受けてもタメになるレッスンなんです。
レッスンの軸はUターン
今回のレッスンではUターンが軸となっていて、出先で安全に安心してUターンができるような乗り方、考え方を学んでいきます。
普通に走っているだけならあまりすることのないUターンですが、だからこそいざというときにやってみたら立ちごけしてしまったり、一回で曲がりきれなかったり、苦手なライダーさんも多いと思います。
手島さん曰く「日本の片側一車線の道路は幅が約7mです。ですがUターンとなると中心までの距離は3.5mになり、これが低速操作に慣れていないと中々難しいんです。レッスンでは3.5m以内のUターンでどういうことを意識すると楽にUターンできるかを体感してもらっています」
ここからは実際にレッスンに参加された方に感想を聞いてみました。
「普段はGB350で街乗りメインで乗っていて、日常で使えるテクニックが学びたくてレッスンを受けました。最初レッスンを外から見た感じ教習所みたいで怖いからキャンセルしようかなと一瞬迷いましたが、受けてみて正解でした!レッスンスタートの時にUターンしたのと、色々教わってからでは安心さ、楽さが全然違いました。Uターン中のブレーキ、クラッチの使い方だったり目線だったり、こういう場じゃないと学べないことがたくさんあったので、今回学んだことは今後のバイクライフにも活かすことができそうです」
「以前Uターン時に立ちごけしてしまって今回レッスンに申し込みました。これまで意識的にやっていたことが実は間違っていたりした部分もあって、特にフロントブレーキを使わずにリアブレーキと半クラッチでコントロールするというアドバイスは凄く勉強になりました。レッスンの最後は自分の中で『やっと正しくUターンできた!』という感覚があって満足度の高いレッスンでした」
実際取材でレッスンの最初から最後まで旗から見ていても、明らかに最初より少半径に転回できて、見ている側にも不安を感じさせない安心感あるライディングができるようになっていた方も多く見られました。
今後もホンダではワンポイントライディングレッスンを実施する予定なので、気になった方はぜひ次回レッスンを受けてみてください!
【文/佐藤快(外部ライター)】