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『PCX150』からの進化が半端じゃない! 『PCX160』は何が変わった?【ホンダの道は一日にして成らず 第18回/Honda PCX160 街乗り編②】

『PCX』シリーズの中でも高速道路に乗れる排気量を持った『PCX160』ですが、その32ccの排気量差が生み出すものは、圧倒的な違いでした……

PCX150より7ccの排気量アップで『PCX160』が化けた?

本当に新型『PCX160』の進化は半端じゃありません。

スタイリングに関しては【街乗り編①】でお伝えした通り、新型PCXシリーズ全般に通じるものですが……

PCX160だけの違い。排気量156ccのエンジンの進化がもう圧倒的なんです。

まず、わかりやすい比較として、こちらをグラフを見てください。

左は125ccの新旧PCXの比較。右が 従来モデル PCX150と 現行モデルPCX160の比較です。

ていうか、これもう説明不要でしょう。一目瞭然(笑)

PCX150は排気量で言うと149ccでした。フルモデルチェンジした現行モデルは156ccですから、その差はたった7ccです。

だけど『オイなんでこんなに違うんだよっ!』って軽くツッコミしたくなるレベルで出力特性に違いがあることが見て取れます。

パワー&トルクの差が圧倒的すぎっ!?

だけど『PCX160』の魅力はパワーじゃない

でも、実際に乗ってみてわかるのは、PCX160の魅力は排気量拡大によるパワーの増大じゃないっていうこと。

先のグラフを見ていると、従来モデル PCX150よりも随分とパワフルになっているように見えますが、体感としてはそれほどパワーアップを感じません。

なぜってその加速感が、恐ろしいほどにスムーズだからです。

エンジン“eSP+”

世にスムーズと言われるエンジンは多数ありますが、少なくとも小排気量スクーターのジャンルに搭載されるエンジンとして、PCX160のエンジンのスムーズさは間違いなく最上級。

新型エンジン “eSP+”の搭載によってパワー&トルクカーブが綺麗な曲線を描く、フラットなパワー特性になっていることも一因だと思いますが、それにしたって『単気筒エンジンってこんなにも綺麗に回るの!?』と衝撃を受けるレベルです。

もうこれだけでも皆さんに一度、体感してみて欲しいと純粋に思えます……

そのスムーズ感にひと役買っているのが『エンジンの振動の無さ』です。

【街乗り編①】でお伝えしたとおりですが、新型PCXシリーズのデザインイメージはクルーザーにインスパイアされたもの。

それはデザインだけに留まらず、走りにも反映されているようでした。

 

まさか小排気スクーターでこういう表現をすることになるとは……と思いましたが、本当に『滑るように加速する』という言い方が相応しいんです。

本来、スクーターのエンジン懸架方式である『ユニットスイング式』というのは、エンジンの振動がダイレクトにフレームに伝わりやすい構造のはずなんですが、それを採用しているとは到底思えません。

これにはハンドル部分がラバーマウント構造になっていることも大きく貢献しているとのことですが、エンジン本体もかなり振動を抑えた設計にしていることが伺えます。

そこに加えて前後のサスペンションもかなり優秀。スクーターにありがちなゴツゴツした乗り心地が無く、ちゃんとサスペンションのストロークを感じることができます。

ざっくりでまとめてしまいますとPCX160は『エンジンが力強くなって超スムーズ』に進化し、不快な振動もほとんど感じず、乗り心地も良くなったため『まるで滑るように加速する』バイクになっているということです。

従来型PCX150から、たった7ccしか排気量アップしてないとは思えないほどの変化。これはもう完全に別次元の完成度だと言いたいと思います。

そして、このパワーフィーリングと極上の乗り心地をひとつにまとめあげるもの。それについて続編でお伝えしたいと思います!

【文/北岡博樹(外部ライター)】

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