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【教習所の引き起こし】倒れたバイクを起こすのはパワーよりも“コツ”が大事!【バイクライフ・ステップアップ講座/バイクの起こし方 編】【Safety】

教習所でも公道デビューした後でも、万が一バイクを倒してしまった時などに、自分一人でバイクを引き起こせるか心配している方も多いのではないでしょうか? 今回は引き起こしのコツや、少ない力で起こせる一般的な手順などを解説します。

バイクを倒してしまったら一人で起こせるか心配……

バイクに不慣れなうちは、立ちゴケなどでバイクを転倒させてしまうこともあるかと思います。

また、これからバイクの免許を取得する方も、教習所でバイクを倒してしまったら起こせるか心配な方も多いでしょう。

確かに鉄の塊であるバイクの重量は、50ccクラスの原付バイクでも70〜100kg、250ccクラスともなれば150kg以上あるモデルがほとんどなので『そんなの無理!』って思っても不思議ではないです。

しかし、バイクの引き起こしは実のところ「チカラ」ではなく「コツ」で起こすものと言われています。

「私には腕力がないからちょっと無理かな…」と思っている方も、そのコツさえ掴めば一人でもバイクの引き起こしが可能になります。

今回は、そんなバイクの引き起こしのコツや、一般的な手順について解説します。

少ない力でもバイクを起こしやすいコツや一般的な手順って?

まずは落ち着いて周囲の安全確認

バイクで転倒あるいは立ちごけをしてしまい車体が倒れてしまったら、まずは落ち着いて二次被害などを防ぐため「周囲の安全確認」をおこないます。

メインキーかキルスイッチでエンジン停止

続いて、倒れた状態のバイクのエンジンが停止していなければ、キルスイッチでエンジンを停止させ、メインキーで電源もオフにしましょう。

ギアを1速に入れる

バイクが左側に転倒した場合はフロントブレーキが握れないので、下を覗き込んでシフトペダルを押してギアを1速に入れます。

これはバイクを起こそうとした時にタイヤが回ってしまわないようにするためです。

ハンドルを倒れている方向に切る

ここからバイクを引き起こす作業に入ります。

左にバイクが倒れてしまった場合は、ハンドルを左(倒れている方向)に切ります。

その後、左手でハンドルを持ち、力を加えやすいように左にフルロックさせましょう。

車種にもよりますが、右手はシートカウルの下や側面、グラブバーなど、持ちやすくて力が入れやすい部分を掴むことが大事です。

この時、リアタイヤが浮いてしまっているようであれば、すこし持ち上げてしっかり地面に接地させておきましょう。リアタイヤを接地させるのにはさほど力は必要になりません。

ここまでが引き起こしの準備段階です。

膝をバイクの下に入れ込んで車体を身体全体で抱え込む

ここからが最も重要なポイントです。

両手で左ハンドルとシートカウルなどを掴んだまましゃがみこんで、身体をシートに添わせるくらい抱え込み、頭を反対側の方まで持っていきます。

この時、可能であればどちらかの膝をバイクの下に潜り込ませられると、足腰の筋肉が使いやすくなります。

クラウチングスタートのように膝の屈伸運動を使って起こす

短距離走のクラウチングスタートのように、低い姿勢から「よーい、ドン」の要領で起こします。勢いも大事!

この時、腕の力だけで起こそうとせず、太ももや背筋などの全身の筋肉を使って身体全体で前方へ押しながら起こすイメージです。

身体はシートに添わせるぐらいにくっつけたまま「胸の力も使いつつ」押し上げます。

地面に接地させた前後タイヤを起点に、弧を描くイメージで反対側へ起こしていきます。

上に持ち上げるというよりは、反対側へ斜めに押し上げるような感じです。

バイクの車体は起こし始めが一番力を使うので、写真の位置くらいまで起きてくればスムーズに持ち上がるハズです。

バイクの車種や重量によっては、ある程度の筋力は必要になりますが、コツを掴めば200kg前後あるバイクでも十分に一人で起こすことは可能です。

右側(逆側)に倒れてしまった場合は…?

バイクが右側に倒れてしまった場合でも、基本的には同じ要領で行いますが、起こした際に反対側へ倒れないようにサイドスタンドを立てておきましょう。

右側に倒れた場合はフロントブレーキが握れるので、人によっては左側に倒れた場合よりも起こしやすいかもしれません。

腕の力だけで起こそうとするのはNG

バイクの引き起こしでやってしまいそうなNG例は、両手でハンドルを持って腕の力だけで起こそうとすること。

これだと足腰の力、特に太ももの筋肉が使いづらく、車体の重さが何倍にも感じられてしまいます。

100kg以下の軽量なバイクや怪力自慢の方ならば、この方法でも引き起こしが可能かもしれませんが、基本的にはやめておいた方が無難です。

万が一の時のためにも引き起こしのコツを掴んでおこう!

教習所でもバイクの引き起こしの練習やカリキュラムがある所も多いですが、地域や年代によってはそれ自体がないところもあったりと、場所によってまちまちのようです。

ひと昔前までは、バイクの引き起こしができないと次に進めない所もあった、なんて聞いたこともありますが、いずれにしてもバイクの引き起こしは1度やってみるのとやってみないとでは大きく違います。

とはいえ、ぶっつけ本番は焦りますし、大切なバイクを倒したくはありませんから、これから免許を取る方やまだバイクの引き起こしをやってみたことがない方は「ホンダ レインボーモータースクール」などで体験できますので、是非チェックしてみてください。

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バイクの引き起こしは、それほど頻繁におこなうことではありません。

しかし、万が一転倒させてしまった時に、ひとりでバイクを起こさなければならないケースが出てくる可能性は大いにあります。

そんな時のためにも、バイクは腕の力だけではなく身体全体を使って引き起こす“コツ”を掴んでおくと、有事の際に安全&スムーズに対応できるようになれると思いますよ!

【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】

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