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スポーツの秋!バイクも『モータースポーツ』として大きく盛りあがる季節です!【バイクレースを観に行こう!/モータースポーツの種類と楽しみ方】

サーキットやオフロードコースでプロのライダーが走る本格レースをご紹介。
今回はHondaが参戦している代表的な「モータースポーツ」に、どんな種類があるのかを紹介しつつ、それぞれのレースの見どころや楽しみかたなどを解説します!

秋と言えばスポーツ!バイクのレースも『モータースポーツ』なんです!

夏の暑さが落ち着いた「秋」と言えば、食欲の秋や芸術の秋、読書の秋などたくさんの愉しみがありますが、バイク好きのライダーが忘れてはならないのが「スポーツの秋」でしょう。

エンジンの原動力を使って走るバイクは、どちらかと言えば“乗り物”というイメージが強いですが、サーキットなどをアグレッシブに駆け抜け、バイクで走ることを“競技”として行うレースは、まさに『スポーツ』なんです!

サーキットコースのストレートでは、300km/hを超えるスピードにもなるバイクレースは、一般公道や高速道路などを走るバイクツーリングとは、走り方や身体の使い方が全く異なります。

プロのレーシングライダーは全身を積極的に使ってバイクを操り、エンジンの強大なパワーをブレーキングやライダー自身のテクニックで制御しながら、コーナーをすさまじい速度で駆け抜け、ライバル達と抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げています。

そんなバイクを競技として楽しむモータースポーツは、様々な種類がありますが、今回はHondaが国内外で参戦している主な4つのバイクレースをご紹介します!

世界最速のマシンで戦う最高峰のバイクロードレース「MotoGP」

二輪ロードレースの最高峰カテゴリーとなるのが「MotoGP(ロードレース世界選手権)」。
2023年シーズンのMotoGPは、全20戦が世界中のサーキットで開催されています。

MotoGPクラスをトップカテゴリーとするロードレース世界選手権は、他にも765ccの4ストローク3気筒エンジンのバイクで競う「Moto2クラス」と、250ccの4ストローク単気筒エンジンのバイクで競う「Moto3クラス」があり、各カテゴリーで世界中のトップライダーが大迫力のレースを繰り広げています。

トップカテゴリーのMotoGPクラスでは、排気量1,000ccの4ストロークエンジンを搭載するレーシングマシンが使用されています。

HondaのMotoGPマシンはV4エンジンを搭載する「RC213V」。当然ながら一般的には市販化されていないスーパーマシンです。

MotoGPクラスのレーシングマシンの大まかなレギュレーションとして「排気量が1,000cc以下であること」「シリンダー数が4気筒以下であること」「最低車両重量が157kgであること」などの規定がありますが、最初はあまり難しいことは考えず“超軽量な1,000cc 4気筒エンジンのモンスターマシン”というくらいの認識で充分です。

MotoGPクラスに参戦しているHondaのレーシングライダーは、これまで全6回もの年間チャンピオンを獲得している「♯93 マルク・マルケス」選手や、日本人ライダーでMotoGPにフル参戦している「♯30 中上 貴晶(なかがみ・たかあき)」選手などが注目です。

世界各国で行われている今シーズンのMotoGPは、いよいよ終盤戦を迎えますが、注目の日本グランプリは2023年9月29日(金)・30日(土)・10月1日(日)の3日間で栃木県モビリティリゾートもてぎにて行われます。

市販車ベースのマシンが競う日本一決定戦「全日本ロードレース選手権(JRR)」

「全日本ロードレース選手権(JRR)」とは、その名の通り全国で開催される国内最高峰の2輪ロードレースシリーズで、モビリティリゾートもてぎや鈴鹿サーキットなど、日本全国にある6つのサーキットで行われるバイクレースです。

レースは排気量や改造制限などでクラスが分けられていて、現在は「JSB1000」「ST1000」「ST600」「J-GP3」の4つのクラスで競われています。

JSB1000クラス:全日本ロードレースの最高峰クラスとなるのがJSB1000クラスです。Hondaをはじめとした国内外メーカーのマシンが参戦し、総排気量は1,000ccがメイン。いずれも市販ロードスポーツモデルをレース仕様としたマシンで競われます。

ST1000クラス:JSB1000と同じく1,000ccの市販ロードスポーツモデルが主流ですが、レギュレーションによりレース仕様として手を加えられる範囲が少なく、市販されている状態に近い仕様で競われるのがJSB1000との大きな違いです。

ST600クラス:マシンのベースはこちらも市販のロードスポーツモデルですが、排気量は600ccが主流です。ST1000クラス同様に市販状態に近いマシンが用いられます。Hondaの市販ロードスポーツモデル「CBR600RR」が参戦しています。

J-GP3クラス:全日本ロードレースにおいて唯一レース専用マシンで行われているクラスです。Hondaで参戦するのは市販レーシングマシン「NSF250R」。他のクラスにはないコーナリングスピードと常に複数台で争われる接戦が特徴です。

CBR1000RR-R FIREBLADE SP (左)/CBR1000RR-R FIREBLADE SP レースベース車(右)

全日本ロードレース選手権で使用されるバイクは、基本的に市販車ベースのマシンであることが特徴で、Hondaのマシンは「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」にレーシングカスタムを施したレースベース車が出場しています。

2023年度は4月の開幕戦から10月まで全8戦が開催され、最終戦は10月14~15日に三重県 鈴鹿サーキットで行われます。

あの鈴鹿8耐もコレ!長時間を戦い抜く世界一の耐久レース「FIM世界耐久ロードレース選手権(EWC)」

24時間や8時間など長丁場となるバイクのレースが「FIM世界耐久ロードレース選手権(EWC)」です。
2023年度の「FIM世界耐久ロードレース選手権(EWC)」は全4戦で開催されています。

フランスの「ル・マン24時間耐久」、ベルギーの「スパ24時間耐久」、フランスのポール・リカールで行われる「ボルドール24時間」に加えて、日本の鈴鹿サーキットで行われる夏の風物詩「鈴鹿8時間耐久ロードレース」もEWCの1レースになっています。

MotoGPや全日本ロードレースのような比較的短い時間で競われるスプリントレースとは違い、24時間や8時間など長丁場の耐久レースになりますので、バイク側にも長時間走れる耐久性や性能などが求められるのが特徴です。

また、レースを走るライダーも各チーム2〜3名の体制が組まれていて、体型や体重はもちろん、ライディングスキルや走り方などもそれぞれ違うライダーが同じ1台のバイクで走ることになります。

ライダー交代や給油&タイヤ交換などでピットインが頻繁に行われ、メカニックやチームスタッフが一丸となって瞬時にピット作業を行う姿もEWCの魅力のひとつ。

2023年の8月4日~6日の日程で行われた鈴鹿8耐では、「Team HRC with 日本郵便」が2022年に続く大会2連覇を達成しました。

ダートの上で誰が1番速い⁉︎ 日本一のオフロードレース「全日本モトクロス選手権(JMX)」

土や砂の上を走るオフロードバイクで誰が1番速いのかを競う、日本最高峰のダートレースが「全日本モトクロス選手権」です。

モトクロスは“ダート”と呼ばれる土や砂で作られた未舗装の路面に、大小様々なコーナーやジャンプセクションなどを設けて、速さやテクニックを競うオフロードレースの最も代表的な競技です。

各クラスごとにエントリーされた数十台のオフロードバイクが、横一線のグリッド(スタートライン)から一気にスタートし、「決められた時間のなかで最も多く周回数を重ねて、最初にチェッカーを受けた者が勝者」になります。

全日本モトクロス選手権で使用されるコース一周の長さは、1.3km以上から3km以下と定められていて、クラスや大会によって変わることがありますが、自然の地形を生かしたアップダウンのある未舗装のダートコースを周回して順位を競います。

全日本モトクロス選手権は、一般的に1レース「30分+1周」で争われ、これを「2ヒート(前半・後半の2レース)」走り、その順位やポイントなどで順位が決定されています。※近年のレースでは、15分+1周を3ヒート行う大会もあります。

全日本モトクロス選手権に出場しているHondaのマシンは「CRF450R」や「CRF250R」、「CRF150R」などのモトクロッサー(レース専用マシン)で競われています。

一般公道を走らせることはできないレース専用モデルになりますが、モトクロス場などのクローズドコース(レース場)を、よりアグレッシブでスポーティに走らせることができ、レース・レギュレーション(ルール)の範囲内で、独自のカスタマイズを施したバイクでレースに出場しています。

レース中は大迫力のジャンプやアグレッシブなコーナリングが次々と繰り広げられ、その速さやテクニックを目の前で見られるのがモトクロス観戦の醍醐味と言えるでしょう。

レースが終わった後などでは、選手とハイタッチができるくらい近距離でレース観戦でき、大会によってはライダーのトークショーや握手会、サイン会なども行われていますので、自分の好きな“推し”のライダーを見つけるのも、モトクロス観戦の楽しみ方のひとつです。

レース会場は他にも楽しみがいっぱい!

大迫力のモータースポーツを間近で見られるレース観戦の魅力は、メインのレースだけじゃありません。

全日本ロードレース選手権が開催される各レース会場や、EWCの1戦にも数えられる鈴鹿8時間耐久ロードレースが行われる「鈴鹿サーキット」、MotoGP 日本グランプリが行われる「モビリティリゾートもてぎ」などのサーキット施設では、レースウィークには様々なイベントが行われています。

通常なら、なかなか入ることができないピットエリアまで見ることができるピットウォークをはじめ、ライダーのトークショーやサイン会、プロライダーによるデモンストレーションなど、メインレース以外のイベントなども開催されています。

サーキットの施設やレースの大会によっては、キャンプイベントが行われていたり、決勝レースなどの前日には、夜まで盛り上がれるステージショーや音楽イベントなどの前夜祭も行われていたりする大会もあります。

いかがでしたか?

サーキットで開催されるモータースポーツには「レース観戦が中心」のイメージがありますが、実は様々なイベントが楽しめるようになっているです。

秋の季節はレースシーズンの終盤を迎えるモータースポーツイベントが盛り沢山なので、是非サーキットなどへ足を運んでみてくださいね!

【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】

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