バイクは車種ごとにキャラクターが違う乗り物ですが、エキサイティングな走りが楽しめる「スポーツタイプ」やツーリングに適した「ツアラータイプ」など、様々なカテゴリーに分けることができます。
今回はホンダの現行ラインアップを見ながら、バイクにはどんなジャンルがあるのかを見ていきましょう。
バイクのカテゴリーを理解すれば、車種ごとのキャラが見えてくる!
小排気量のコミューターから大排気量バイクまで、ホンダには様々な車種がラインアップされています。
これだけたくさんラインアップされていると、いっぱいありすぎて覚え切れないかもしれませんが、ジャンルを分けてみるとそれぞれのキャラクターが覚えやすくなります。
厳密にジャンル分けするとなると諸説ありますが、今回はホンダの最新機種を見ながら、バイクにはどんなジャンルがあるのかを見ていきましょう。
また、あなたのお気に入りのバイクがどのカテゴリーに分類されているのかチェックしてみてくださいね。
ネイキッド:バイクのカテゴリーで最もオールラウンダー
「裸=NAKED」を意味する『ネイキッドバイク』は日本ではある意味、最もスタンダードなバイクの種類です。
車体全体をカウルで覆ったバイク(フルカウルモデル)と比べて、エンジンがむき出しになっていることからそう呼ばれています。
最も標準的なスタイルで、バイクをイメージする時はこの形を思い浮かべる人も多いスタイルとなります。
普段使いからツーリングまでマルチに使える便利なバイクなので『1台で何でも楽しみたい』という人は、まずはこのカテゴリーから探せば間違いありません。
ホンダでは新世代CBシリーズのCB125R、CB250R、CB650R、CB1000Rを「スポーツ」にカテゴライズし、CB1300シリーズやCB400シリーズを「オーセンティック」に分類しています。
スーパースポーツ:スポーツライディングを楽しむための高性能バイク
ひと昔前ではレーシングマシンをモチーフにしていることから“レーサーレプリカ”とも呼ばれていた経緯も持つ、スポーツ性能に特に傑出したタイプのバイクが「スーパースポーツ」です。
カウルと呼ばれる空力性能に優れた外装を車体に覆ったデザインが特徴的で、レースシーンなどからフィードバックされた最先端の技術が投入されているため、高い運動性能を誇ります。
ライディングポジションは前傾姿勢になり、アグレッシブでスポーティーな走りが楽しめるジャンルのバイクです。
ワインディングやサーキットなどでスポーティーな走りを楽しみたいライダーに向いています。
ホンダではCBR“RR”シリーズがスーパースポーツに該当します。
オフロード:未舗装路でも走れる軽くてタフなマシン
軽量な車体にストロークの長いサスペンションやブロックタイヤを装備して、ダートや未舗装路の走行も楽しめるのが「オフロードバイク」です。
ホンダではCRF250Lがそれにあたります。
スリムで軽い車体は150kg前後と軽量に仕上がっており、幅広でフラットなハンドルや、スリムで細長いシート、アップタイプのマフラーなど、凸凹道を走るためのデザインになっています。
悪路を乗り越えるためにサスペンション・ストロークが長く設定されているため、シート高が高くなりがちですが、それに慣れてしまえば、軽さもあって、街中でもとても扱いやすいジャンルです。
CRF250Lは、ホンダでは「アドベンチャー」のカテゴリーに含まれています。
クラシック(トラディショナル):往年のスタイルを継承するクラシカルなデザイン
定義としては最初のネイキッドと重なる部分がありますが、バイクの原点を感じるクラシカルなデザインを取り入れ、速さやスポーツ性能よりも、味わいを重視したバイクのことは一般的に「クラシック」と呼ばれることが多いです。
オーソドックスで伝統的(トラディショナル)なスタイルで根強い人気を誇っています。
スポーツ走行やスピード感を楽しむというよりも、トコトコとゆったりとした走りを求める人におすすめのジャンルです。
また、最新技術を取り入れつつも、往年のスタイルを現代に蘇らせたようなバイクのことを最近では「ネオ・クラシック」と呼ぶことがあります。
GB350シリーズがこのジャンルにあたりますが、GB350シリーズは単なる懐古主義のバイクではないので、ホンダでは「ツーリング」カテゴリーに分類しています。
クルーザー:鼓動感とクルージングを楽しむロー&ロングなスタイル
車体を長く、低くした“ロー&ロング”なスタイルを持ち、足を置くステップの位置が、着座位置よりも大きく前方に配置された特徴的なライディングポジションを持つのが「クルーザー」です。
アメリカでの定番スタイルであったため、かつては「アメリカン」とも呼ばれていました。
シート高が低いバイクが多く、乗り手の体格を選ばないため、ビギナーからベテランまで幅広いライダーに人気のジャンルになります。
ドコドコとしたエンジンの鼓動感を楽しみながら、ゆったりクルージングすることができるバイクです。
ホンダではレブル1100やレブル500/250シリーズがこのジャンルにあたりますが、同シリーズはクルーザーとは思えないレベルの走りを披露するポテンシャルを秘めていることもあり「ツーリング」のカテゴリーに含まれています。
ツアラー:果てしなくどこまでも走れるロングツーリングマシン
高速道路を使って1日1,000kmを走破するようなロングツーリングを目的としたツーリング特化型バイクは、一般的に「ツアラー」と呼ばれます。
走行風をいなしてくれる大きなウインドスクリーンやボディ形状、ゆったりと座れる快適なシートが特徴となります。たくさんの荷物も載せやすいようにパニアケースを装備しているモデルもあります。
高速道路は快適そのもので、大容量のタンク、ゆとりのあるエンジンで、快適に長距離を走破することが可能です。
予想以上にスポーティーな走りも楽しめるバイクも多く、トータルバランスにも優れたバイクになっています。
ホンダではGold Wingシリーズや最新モデルのNT1100がこのジャンルにあたり「ツーリング」のカテゴリーに含まれています。
アドベンチャー:オフロード走行も視野に入れた冒険バイク
オフロード走行も視野に入れた冒険仕様のバイクが「アドベンチャー」です。
大排気量車がメインだったことから、かつては「ビッグオフ」とも呼ばれていたこのスタイルは、近年ますます盛り上がりをみせている世界的に人気のジャンルです。
ストロークの長いサスペンションに、セミブロックタイヤを履き、立って乗るスタンディングポジションも想定されているので、オフロードバイクに近い部分がありますが、走行風を軽減する大型ウインドスクリーンや大きなパニアケースを装備できるなど、ツアラーのような快適性も同時に持ち合わせています。
ホンダではCRF1100L Africa TwinシリーズやCRF250 RALLYがこのジャンルにあたり「アドベンチャー」のカテゴリーに含まれています。
ミニバイク(ファンバイク):街乗りコミューターとして人気の小排気量モデル
50〜125ccくらいまでの小排気量で、街乗りや普段使いに便利なバイクを「ミニバイク(ファンバイク)」や「コミューター」と呼びます。
小さな車体ながらも、機能性や走りは本格的なバイクに引けを取らないほどの高性能を与えられているモデルも多く、ビギナーからベテランまで人気が高いジャンルです。
リーズナブルでコストパフォーマンスに優れているほか、趣味性の高いバイクも多く、自分好みにカスタマイズして楽しむライダーも多数います。
ホンダではモンキー125やグロム、スーパーカブシリーズがこのジャンルにあたり、「コミューター」のカテゴリー分類しています。
スクーター・ビッグスクーター:ビジネスシーンからツーリングまで快適に
通勤やビジネスシーンなど、快適かつ機敏な移動手段として活躍してくれる便利な乗り物が「スクーター」です。
シート下にヘルメットや荷物を入れておける「ラゲッジスペース」を備えているのが特徴です。
スロットルを回すだけで走れるオートマチック式で、エンストやクラッチ操作などを気にせず走ることができるため運転がイージーです。
スクーターの車体や排気量を大きくしたタイプもあり、それらは「ビッグスクーター」と呼ばれます。
ホンダではフォルツァやPCXシリーズ、リード125などがこのジャンルにあたり「コミューター」のカテゴリーに含まれています。
いかがでしたか?
ホンダのバイクが気になっている場合、ホンダ公式Webサイトではカテゴリー別でバイクを表示することもできますので、色々と比べながら探すことができます。きっと、自分にぴったりのお気に入りの1台が見つかると思いますよ?
【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】