バイクは楽しい乗り物であるが、ライディングをするうえで一番重要なのは『事故なく、転倒なく、無事に帰宅する』こと。とくに公道では四輪や歩行者、自転車などが混在し、それらの動きに注意することで安全運転に結び付きます。
ここ数年、街を走っているとよく見かける特定小型原動機付自転車(以下=特定原付)と呼ばれる新しい区分の乗り物は、道路交通法が改正されて登場したものです。
しかしながら、法律を守らずに走行する利用者もおり、都市部でバイクに乗るライダーにとって新たなリスクにもなっています。今回は、特定原付とは何なのか、そしてライダーが注意すべきポイントを解説いたします。
特定小型原動機付自転車とは?
2023年の法改正で新たに設けられた区分です。
・時速20㎞以下に制限された電動モビリティ
・車体寸法が小さく、立ち乗りタイプが多い(電動キックボードが代表的)
・16歳以上であれば免許不要
・ヘルメット着用は「努力義務」にとどまる
・ナンバープレートは必要で、自賠責保険加入も義務
つまり、車道を走る車両でありながら、乗るまでのハードルが極めて低く、歩道を走れるモード(時速6㎞以下)も備えているという、今までの道路交通事情にはなかった存在です。
都市部で増加する危険運転と現状
本来、特定原付はゆっくり安全に走るためのモビリティで、ルールを守って走行しているしている方が多数ですが、中には危険な走行をしている方もいます。
・信号無視&一時不停止
・歩道を高速で走行
・逆走や車道ジグザグ走行
操作が簡単な分「ちょっとコンビニまで」「気軽な移動手段」として利用されていますが、交通ルールを理解していない、あるいは無視しているユーザーも少なくない、ライダーにとっては予測不能な動きが、事故などのリスクに結びつつくこともあります。
バイク走行時に気をつけたいポイント
①細いシルエット=視認性が極端に低い
特定原付の車体は非常に小さく、ヘッドライトも低い位置にあることが多いため、夜間や雨天時に視認しづらい。右左折時「いないと思っていた場所」に突然現れることもあります。都市部では常に『特定原付がいるかも』という意識を持ちましょう。
②ルール無視の動きに要注意
免許不要のため、ウインカーを出さずに突然右折したり、逆走してきたりすることも…。交差点や信号待ちでは、特定原付が自分の近くにいないかミラーや目視で確認をしましょう。
③歩道から車道への飛び出し
歩道モードから突然車道に入ってくるケースもあります。とくに歩道沿いの駐車車両の陰など、死角からの飛び出しには注意が必要。住宅街や繁華街ではスピードを落として走行しましょう。
まとめ
これからの都市部において、ライダーは単に交通ルールを守るだけでなく「法を知らない人がいるかも」「急な動きがあるかも」といった想像力も必要になってきます。
事故は一瞬で起きるが、回避する力は日々の意識で身につく。新しい交通時代を生き抜くため、特定小型原動機付自転車の存在をしっかり理解し、上手に距離を取って安全に走りましょう。