自動車教習所や安全講習会などの座学教習で行われている「危険予測トレーニング(KYT)」が、ホンダのWebサイトでも気軽にできるって知っていました? 今回は「KYT」の重要性について解説したいと思います。
交通状況の判断力を身につける危険予測トレーニング「KYT」とは?
バイクを安全に運転するためには、交通の中で起こりうる様々な危険を、的確に予測しながら走ることがとても大切になります。
しかし、実際に道路を走ると、予想だにしない危険シチュエーションに遭遇してしまうことは度々あることかもしれません。
そんな時の事前トレーニングの一環として、スライドスクリーンなどを使って道路交通で起こりうる危険なシチュエーションを事前に予測しながら、実際の安全運転に役立てる「危険予測トレーニング(KYT)」という教習方法があります。
「KYT」とは「キケン・ヨソク・トレーニング」の略で、免許を取得するための自動車教習所や、安全講習会などの座学講習で全国的に取り入れられているトレーニング方法なので、一度はやったことがある人も多いかもしれません。
そんなKYT危険予測トレーニングのWeb版が、ホンダの公式ホームページでお手持ちのパソコンやスマートフォンから気軽に体験できることをご存知ですか?
安全講習などで使用されているものとは若干異なりますが、実際の交通道路で実際に起こりうる様々なコンテンツが用意されていますので、是非チェックしてみてください。
「KYT」はパソコンやスマホでも気軽に試せる
ホンダの公式ホームページでは、パソコンやスマートフォンで交通安全を楽しく学べる「危険予測トレーニング(KYT)」が掲載されています。
また、バイク以外にもクルマや自転車、歩行者などでもシーン別で起こりうる危険シチュエーションを、Webコンテンツで体験できるようになっています。
「早朝の交差点」や「中央分離帯のある道路」など、日常で頻繁に遭遇しうるシーンはもちろん、「霧が発生した山道」や「雨天時のカーブ」など、かなりの悪条件や頻繁には起こらないけど、いざと言うの時のための重要なケースまで様々なシチュエーションから選べるようになっています。
しかも、メーター越しのライダー目線で実際にバイクに乗っているかのような映像になっているので臨場感たっぷり!
シーン別に複数のシチュエーションが体験できるようになっていますが、今回はその中のひとつをご紹介します。
KYT危険予測の問題に挑戦してみよう!
それでは、Honda危険予測トレーニングのWeb版にラインアップされている「高速道路のトンネル出口」編を実際に体験してみましょう。
ホンダのフラッグシップツアラー「Gold Wing Tour」に乗って出発!
あなたはタンデムツーリングをしながら、高速道路を走行しています。
間も無くトンネル入り口に差し掛かりました。
あなたは休日、バイクに二人乗りして高速道路をツーリングしています。
前日に台風が通過して、絶好のツーリング日和です。
トラックや乗用車とともにトンネルを出るところです。
間も無くトンネルの出口に差し掛かります。
さて、ここで問題です。
「この時、あなたは何に注意しますか?」
前方を走るトラックや追越車線を走る乗用車などがありますね。
Web版の危険予測トレーニングでは、自分が危険だと思うところをクリックする仕組みになっています。
どこが危険予測のチェックポイントだかわかりますか?
この時の危険シチュエーションの答えは……
「トンネルを出たら横風にあおられ、ガードレールに接触しそうになりました」でした。
この危険を事前に察知するには、トンネル入り口前にあった電光掲示標識の「出口風注意」と、横風に吹き流されている緑と白の「ふき流し」に注目できたかどうかです。
先ほどの写真をよく見返して見ると「ふき流し」が真横を向くほどの強風が吹いているのが予測できます。
ちなみに、風速を視覚的に把握できる“ふき流し”が真横を向いている時の風速は10m/s以上といわれており、このクラスの横風を受けると大型バイクでもかなりの煽りを受けることがあります。
Webコンテンツではこのようなケースに遭遇したの注意点や対処法、別視点での見え方などが細かくチェックできるようになっています。
その他にも、バイクで起こりうる様々な危険シチュエーションがラインアップされていますので、皆様も是非体験してみてくださいね。
【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】