もしも仲間や他のライダーの転倒現場に遭遇した際、正しい対応手順を知っているか、そうでないかでは、その後の状況が大きく変化してしまう場合があります。
万が一のために、事故・転倒の対応手順を知っておきましょう!
もし事故や転倒の現場に遭遇したらどうすればいい?
例えそれが自分ではなくても、ツーリングをしていれば事故の現場や転倒している他のライダーに遭遇することがあります。
そんな時、普通なら素通りなんてしませんよね?
でも、助けに入ったとして一体どのような手順で対応すればいいのでしょうか?
ケースとしては稀ですが、自分の仲間や他のライダーさん、もしくは自身がそういったピンチに遭遇した時に備えて、対応する方法を確認しておきましょう!
まずは負傷者の保護が最優先!
事故や転倒の場面に遭遇した場合は、まず自分が焦らないことが重要。
周囲に注意しながら自分も安全な場所に車両を停めて救助に向かいましょう。
慌てて周囲の確認を怠ると、二次災害的に別の事故を引き起こしてしまう場合があるので注意しましょう。
次に負傷者の状態を確認し、必要であれば救急への連絡です。
救急連絡はみなさんご存じだとは思いますが「119」番です。
事故や転倒の内容、発生場所、負傷者の状態などの情報をしっかり伝えることが大切です。
負傷者の手当はしっかりとした知識や、講習が必要なため、今回は割愛しますが、教習所で教習を受けた方なら講習内容に含まれていたはずです。
忘れてしまった方はもう一度学習しておきましょう。
二次事故を防ぐ行動をとろう
次に、二次事故を防止するため、事故車両を移動させましょう。
そして、後続に事故が発生していると伝える必要があります。
二輪車には車両に発煙筒が備わっていないため、人の手を使って知らせる必要があります。
特に、見通しの悪いコーナーの先での転倒などは要注意。
負傷者の保護と二次事故防止は、同時に行うことが望ましいです。周囲に人がいれば協力を仰いで負傷者を救護し、更なる事故を防ぎましょう。
警察への連絡は忘れずに!
次に重要なのが警察への連絡です。
救急への連絡同様、内容・発生場所・負傷者の有無・事故の形態・名前・車種・ナンバーなどの詳細を伝えます。
携帯電話からかける場合、近くのランドマークなど特定できる情報を提供する必要があります。
そして、単独での転倒で搭乗者も意識があり元気もある。
実はそういった場合でも、事故を起こした際には警察を呼ぶ義務があり、怠ると事故報告義務違反にあたります。
それに、自損事故の保険を適用したい場合には「事故証明書」が必要になるケースもあるので、警察は必ず呼びましょう!
もし自分が転倒や事故に遭遇してしまったら……
軽い転倒で、当事者自身が問題なく身動きが取れる場合は、上記の通り警察に連絡しましょう。
単独ではなく相手が発生する事故の場合は、上記の手順に加え、相手の名前や車両のナンバー、連絡先を控えておくことが大事です。
ここで、間違っても当人同士で金銭等に関する示談をすることは避けましょう!
必要な情報交換を行った後、警察が到着するのを待ち、示談交渉などは加入している保険会社に任せましょう。
そして、時には「警察に連絡しないでほしい」と言われるケースもあるかもしれませんが、もちろんこれも強い気持ちで断ってください!場合によっては、取り返しのつかないことになってしまう場合があるので、事故の対応は慎重に行いましょう。
きちんとした事故の対応手順を知って、万が一に備えましょう!
転倒・事故に遭遇した際の手順は大きく以下の通り。
1:負傷者の救助
2:二次事故の防止
3:警察への連絡
もちろん前提として転倒や事故をしないことが大切です。
ですが、自身の近くで仲間や他のライダーさんがピンチに陥っている際、スムーズに助けられるかどうかはあなた次第です!
Hondaの公開している『安全で楽しい、グループツーリングのワンポイントアドバイス』というPDFパンフレットでは、グループツーリングに関するアドバイスだけでなく、今回ご紹介した事故の対応手順や、負傷者の救助に関する方法も記載されています。
下記のリンクからダウンロードできるので、一度目を通しておくとマスツーリングの際にも役立ちますよ!
▶『安全で楽しい、グループツーリングのワンポイントアドバイス』PDFパンフレットのダウンロードはこちらから!
【文:石神邦比古(外部ライター)】