発売されたばかりの新型スポーツツアラーNT1100。
このバイクで走ると『とある人気車たち』の面影をそこはかとなく感じるような?
NT1100の中に感じる、3台の人気バイクたち
新型NT1100をさっそく借り出して、まずは軽く街で試し乗り!
そうしたら乗る前までのイメージとはまるで違うバイクだっていうことが判明しました。
【前編】からの続きです
その第一印象は、大柄なボディから想像もできないレベルの優しいバイクだった、ということ。
しかも走っていると(個人的な感想ですが)NT1100の中に、複数台のホンダのバイクを感じるんです。それも人気車ばっかりで。
高速道路で感じるアフリカツイン『CRF1100L Africa Twin』シリーズの面影
それを確かめるためにちょっとしたツーリングへ。
まずは街を抜け出すための高速道路です。
やっぱり・・・って思いました。
NT1100はアフリカツイン(CRF1100L Africa Twin)シリーズと同じ1,082ccの並列2気筒エンジンを搭載していることもあり、高速道路をゆったり流す時のフィーリングにはアフリカツインに近いものがあります。
このフィーリング、大排気量2気筒エンジンらしい味わいがあって個人的には大好き。長距離、長時間でも飽きずに走っていられます。
エンジンよりも足まわり
だけど、エンジンフィーリングよりもアフリカツインを思い出させるのは乗り心地です。
NT1100は前後17インチホイールだし、ホイールベースも違う。もちろん前後サスペンションもオンロード向けに調整されています。
高速道路の路面の継ぎ目をまったく感じさせない快適な乗り心地、抜群の直進安定性。時速100kmクルージングは平和そのものです。
だけどアフリカツインよりも、ちょっと『しっかり感』がある感じ。
アフリカツインだって高速道路クルージングに不足は一切ありませんが、さすがにNT1100はオンロード専用設計っていうところなんでしょう。
前後サスペンションのストローク量が150mmと多めに確保されているにも関わらず、フワフワするようなフィーリングは一切無し。そこには安心感しか感じませんでした。
ちなみにアクセル一定からスロットルを開けていくと、アフリカツインよりもフレキシブルな加速力を発揮。
前方を大型車両などに塞がれた時、追い越し車線に移ってからの加速がちょっとしたワクワクの時間でした(笑)
コーナリングで感じるCB1300シリーズの息吹
そしてワインディングロードで感じるのは、ホンダの誇るフラッグシップ・ネイキッド『CB1300』シリーズの感覚です。
純粋なコーナリングパフォーマンスとしては、スポーティーさに重きを置いているCB1300シリーズのほうが上手だとは思いますが、前後17インチのハンドリングの素直さと重厚感に、CB1300シリーズを思い起こさせるものがあるんです。
狙ったポイントを外さずにバイクを寝かせはじめ、そこからグウ~ッと必要なバンク角まで車体を倒し込む。その時の安定感はCB1300シリーズに通じる重厚なフィーリング。
そしてコーナー脱出に向けてアクセルを開ければ、後輪が明確に路面を捉えているフィーリングと共に、一気に加速!
このあたり、2気筒エンジンらしいトラクション性能を感じることができて『アクセルを開ける楽しさ』が満ち溢れています。
狙った走行ラインを外さない正確さや、それを支える安定感にはCB1300シリーズのような感覚がありつつ、加速時にはNT1100独自の面白さがある。しかもそれらがオートマチック機構のDCTによって、すべからくイージーに楽しめる。なかなかどうして・・・ゆったり快適バイクかと思いきや、ワインディングも面白い!
DCTといえば・・・
ちなみにホンダのバイクラインアップの中で『DCTオンリー』のバイクといえばX-ADVですが、NT1100にはX-ADVが持つ気軽さも備わっています。
先の高速道路もワインディングも、DCTがすべてイージーライディングに整えてくれるんです。
だから、ロングツーリングでもまるで疲れない。
重量248kgで大柄なボディを持った大排気量バイクとして考えると、NT1100の『気負わずに乗れる感覚』は今あるホンダのリッターバイクの中でも突出していると思います。
だけど全体として走りのフィーリングは、先にもお伝えした通りの重厚さ。X-ADVにはない、落ち着きのあるクルージング能力はNT1100だけのものです。
そして、高速道路からワインディングをつないでの、ちょっとしたツーリングの中でひとつ気が付いたことがありました。
このバイク、NT1100はおそらく『ひとつの目的』のために、そのパフォーマンスが集約されている。
それって何だと思います?
私(北岡)なりのNT1100に初めて触れてみての結論。よろしければ次の後編をこのままお読み頂ければ幸いです。
【文/北岡博樹(外部ライター)】
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