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1日1000kmを走るツーリング。事実として『NT1100』はそれができるバイクだ!【ホンダの道は1日にしてならず /Honda NT1100 ツーリングインプレ④ 達成編 】

ついに雨の壁を突破し、快晴の中を『四国カルスト』に向けて走り出す。もはや勝ちは確定! とタカをくくっていたのですが、やっぱり予想外のことが起きるのがツーリングというもので……

【雨の高速道路編】はこちら↓

旅の最終ステージとして選んだ『四国カルスト』は……

長く苦しかった雨の壁を突破し、ようやく巡り合えた晴天に歓喜! NT1100との1泊2日ツーリングから過酷さは一気に消え(ようやく)順風満帆の旅がスタートしました。

そして、私(北岡)が『日本でいちばん好きな場所』である四国カルストで旅のフィナーレを迎えるべく走り出します。

海沿いでは快晴でしたが内陸部はまだ少し天候が不安定。ところどころ、にわか雨に降られたりもしましたが、高速道路でずっと雨に耐えてきた私(北岡)とNT1100にとっては軽い水浴び程度のものでしかありません。逆に、雨間にのぞく虹を愛しむほどの余裕がありました。

それに、身に着けている装備も撥水&防水性に優れているタイプなので、レインウェアの再登場など考えもしませんでした……この時点では。

四国カルストへ向かって標高を上げていくワインディングでは、前後17インチホイールを装備した“クロスオーバー”としての実力を遺憾なくNT1100が発揮。DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)のイージーさと共に、旅先のワインディングを存分に味わって走ることができます。

前後17インチホイールならではのハンドリングと旋回力に加え、足まわりがハードすぎず、ソフトすぎないのがイイ!

NT1100はワインディングをバリバリ走る!というタイプではありませんが、スポーティさは十分以上に感じられます。走ったことがないワインディングは曲がった先がどうなっているかわからないものだし、なんならちょうどいい塩梅。快適性能だけでなく、バイクを操る楽しさもキープしているところには、ツーリングバイクといえど、やはり“Honda”を感じさせます。

そして四国カルスト、旅のゴールが目前に……ッ!?

しかし、四国カルスト目前で再び天候が悪化。空が暗くなり、小雨がパラつきはじめ……若干、不穏な空気に。

大丈夫、きっと大丈夫。

カルストに辿りついたら壮大な景色が出迎えてくれるはず。青空じゃなくてもいい! 荒涼とした景色だって四国カルストの魅力だから!

………なんだよ、これ。

キツい。これはキツい。ここまで1,000km近く走ってきたのに。

なんと「四国カルスト公園縦断線」は冬季閉鎖(2024年3月15日解除済み)だったんです。四国はあったかい場所だという認識があるのに加え、大昔、冬に四国カルストを走った記憶があったので冬季閉鎖など考えてもいませんでした。これが絶望か……

だが、このままで終われん!

まだ旅は終わってない。諦めるなオレ! NT1100も走れるって言ってる(気がする)ぞ!

と……みるみるうちに四国カルスト付近は暗雲が立ちこめ、周囲が一気に夜レベルの暗さに……

嘘だろ?

雪です……このタイミングで私にトドメを刺しにきたか?

やってくれるな!?

だが、負けん!

幸いにしてというか「積もりそうなタイプの雪」ではなかったで、早々に四国カルストを後にしました。

しかし、山を下りてみれば先ほどの悪天候は無かったも同然。山の天気は変わりやすいって本当です……油断大敵。

それにしても……このツーリングの相棒に選んだNT1100の『タフさ』たるや、想像していたより何倍もスゴい! 見た目こそ前後17インチホイールでオンロードバイク然としていますが、この『タフさ』は真正アドベンチャーバイクである「CRF1100L Africa Twin」シリーズに匹敵するかも?

このバイクじゃなければ、先の四国カルスト冬季閉鎖の時点で心が折れていた気がします。でも折れなかった。走り続けられた。その結果!

四万十川だーーーッ!!!

南の方が天候が良い気配だったので、四国カルストを下山してから南下し、岩間沈下橋へ。四国カルストから距離にして80kmくらいあったけど山に陽が落ちる直前で辿り着くことができました。

感・無・量!

川の水はここまでの雨もあり若干ワイルドな色でしたが……この日、最後の陽光を反射してきらめく水面はここまでの疲れを吹き飛ばすのに十分な感動を与えてくれました。

よく走った!

四万十川にいる自分に現実感がまったくありません。何度も言うけど、本当にスゴいなNT1100って!?

満足感いっぱいで帰路へ

四万十川の空気を全身に感じた後は(その場でスマホで宿を探して)高知市まで戻ることにしました。翌日の帰路のためです。

何というか、NT1100が快適すぎて想定外に遠方まで来てしまったので……

だけど達成感みたいなものはすごく強く感じていました。その夜は四国の美食を堪能することもなく満足して眠りについてしまいましたが(笑)

そして翌日は、基本的にまっすぐ帰ることに。帰るだけでも12時間くらいかかるってナビが言ってるし。

でも朝に桂浜で高知の偉人「坂本竜馬」様にご挨拶だけ。また来るからね!

思い返してみると、なかなかにハードなツーリングだったような気がします。でも走っている時は(四国カルスト事件を除いて)特に苦しさを感じてはいませんでした。たぶんNT1100が全力で守ってくれていたんだと思います。

だけど中途半端なバイクじゃ走り切れなかっただろう、とも感じています。

降り続く雨の過酷な環境で素晴らしい仕事をしたRAINモードの扱いやすさ、すさまじい防御力を発揮した可動式ウインドスクリーン、DCTならではの快適さとクルーズコントロールによる疲労軽減。疲れない乗車姿勢やお尻が痛くならないシートの性能、足つき性の良さだってそう!

なにかひとつが欠けていても、おそらくこの行程は走り切れなかったと思います。

前日とは打って変わった青空の下、そんなことを考えながら帰りの高速道路を走っていました。

『これができるのが、大排気量バイクなんだよナァ』

私のようなツーリング好きのライダーにとっては、これこそが「大排気量バイクに乗る理由」です。共感してくれる人がいるかどうかはわかりませんが(笑)

明石海峡大橋を渡り、本州へ上陸。そのまま往路と同じ高速道路で千葉の自宅へ。

ちなみに、この帰り道ですら十分な余裕を持って走り切れてしまいました……やはり真におそるべきはNT1100の快適性能か。

だって家に帰り着いたのは21時くらいですよ? 翌日に疲れを持ち越さないよう、ゆっくり風呂に入ってから眠って。そうして夢のようだった1泊2日の旅は幕を閉じました。

正直、こんなアホなツーリングを誰かに「やってみて!」と勧めるつもりは、我ながらありません。

だけどひとつだけ、覚えておいてください。

限られた自由しかない大人にだって、ここまでのことができる!

デカいバイクに跨って遥か彼方へと走り出す。これぞ、ロマン!

そして、その可能性を限界まで拡げてくれたのは相棒のNT1100!

どうでしょう?

大排気量バイクって、やっぱり『夢のある乗り物』だと思いませんか!?

《はじめからお読みください!》

【文/北岡博樹(外部ライター)】

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