想定よりも雨の大攻勢が続いたため、奥の手である「短距離フェリー作戦」を繰り出し、態勢の立て直しを図るNT1100電撃ツーリング作戦。さぁ、どこまで行ける!?
【雨の高速道路編】はこちら↓
四国に渡っても雨は止まず……
想定外というか……雨は覚悟のうえで走り出したNT1100との『1泊2日 どこまで行けるか?』ツーリングは、予想よりも雨雲の進みが遅く、苦戦を強いられる展開に。
京都へ差し掛かるあたりで、いっそうの猛攻を雨側が仕掛けてきたため、短距離フェリーへ避難して気力体力をチャージする作戦を採った訳ですが……
まだ止まないか……
南海フェリーで四国・徳島港へ上陸を果たしても雨は止んでくれませんでした。雨雲の壁を突破できるのはそう遠くないはずなんだけど……正直、NT1100が相棒じゃなかったら、ここに来るまでに心が折れていたと思います。
だけどNT1100だからここまで来れた。それに、まだ行ける。走れる!
フェリー移動の時間で装備類の濡れはおおむねリセット。さすがにグローブは完全に乾燥とはいきませんでしたが、NT1100はグリップヒーターが標準装備なので、手指の冷えに苦しむことがありません。
そしてフェリーの2時間で体力&気力もほぼフルチャージされました。走り続けることに、何ら問題はありません。
高速道路(徳島道)でさらに西進を続けます。一秒でも早く雨雲を突破するため、向かうは愛媛・松山方面。しかし、ここで高速道路上の電光掲示板に『車両火災 通行止め』の表示が……松山方面が抜けられないので、高知へ向けて南へ迂回するしかありません。
行先を決めてないって、こういう時は逆に便利(笑)
しかし、高知へ向けて南下をはじめた途端に山間部で真っ白な霧に巻かれる始末。まったく今回の雨ときたら、行く手を阻むためにあらゆる手を尽くしてくるなぁ。
だけど、フェリーでの仮眠を挟んだ効果は絶大! 出発以来ずっと変わらないNT1100の頼もしさとの合わせ技により、私個人の内心としては「旅は順調」でしかありません。
そして、ついに……!?
きたっ! 雲間に青空……ッ!?
バイクに乗る人であれば、この瞬間の気持ち……わかるよねっ?
やったあああぁぁぁぁーッ!
南下が正解だったのか!?
こうなると後の展開は一気呵成です。でも、その前に……
レインウェア、ついに脱げた!
この瞬間の喜びったらありません。このツーリング、ここまでほとんど雨の中を走ってきただけなんですけど、とにかく嬉しかった(笑)
その後は日が差した途端、今度は逆に厚さを感じるほどに……だってここは……
『南国』なのだからっ!
いやもう、ここまで走ってこれたこと自体が嬉しい。NT1100に感謝したい。私だけかもしれませんが、バイク乗りって単純というか、こういうものじゃないでしょうか(笑)
意気揚々とサービスエリアを後にします。
まだ体力には十分な余裕があるし、もはや勝ち確定! あとは『どこへ向かうか』を決めるのみ、といったところです。
ちなみにNT1100のDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)ですが、巨体にも関わらずバイク駐輪場などで細かく動かす時やUターン的な動きもお手の物。半クラッチ状態も違和感が無く、巨体を安心して扱うことができます。これも疲れない要因のひとつだと感じていました。
さ~て、このまま行けば高知は目と鼻の先です。
それにしても千葉の自宅を走り出して、高知が目の前って(笑)実際とんでもないな……NT1100のツーリング力!? だけど、これこそが大排気量バイクの“ロマン”ってやつでしょう!
だけど高知についてハイ終わり! では、それこそロマンってものがありません。
なので高速道路を降り、なんだか久々に感じる一般道へ。
DCTのNT1100はゆったりツーリングペースでもどっしりと安定し、重戦車のごとく歩を進めることができます。高速道路のクルージングだけでなく、のんびりクルージングでも疲れない。オンロードのツーリングにおけるこのバイクは『快適の権化なのでは?』と思うほどです。
そして目指すは……四国って言ったらやっぱりアソコでしょ!
内陸へ入り、標高を一気に上げていきます。
目標、四国カルスト!
四国カルストの広大な景色は、実を言うと私が日本でいちばん好きな場所なんです。四国まで来たのならカルストに行かない、という選択は私にはありません。
しかし、もうひと波乱がこの先に……このツーリング、どうにもひと筋縄ではいかないようで!?
▼【④ 達成編】へ続きます!
【文/北岡博樹(外部ライター)】