ライディングモードを『SPORT』にした途端、それまで優しかったCB1000Rが一気に豹変?!
新世代CBシリーズのフラッグシップモデルをナメたらいかんと思い知ることになりました・・・
指先ひとつで『CB1000R』は豹変する
スーパースポーツ譲りの高出力エンジンに、213kgという軽さ。
スペックだけ見ていると『手強そう』っていう印象のCB1000Rでしたけど、その実、ライディングモードを駆使すれば、本気で街乗りすら気軽なバイクでした。
【前編】からの続きです
軽くて、コンパクトで、自由度高め。
正直なところ『あ、これくらい乗りやすいなら大丈夫かも』って、ちょっと油断していたかもしれません。
なので、けっこうビビりました・・・
ライディングモードの『SPORT』がヤバすぎっ!?
左手の親指でMODEボタンをちょいと押すだけ。
たったそれだけの操作で、CB1000Rはまったく違うバイクに化けるんです。
ぶっちゃけ街乗りでいちばんお気に入りだった『RAIN』モードでも、レスポンスはけっこう良いし、それなりに楽しめちゃう。
だからこそ、そこで予感しておくべきでした。
『SPORT』モードで秘めたチカラを全解放したらどうなるのか?ということを。
素直に言ってしまうと「とんでもねぇっ!!」っていうのが感想です。
アクセルをちょっと開けただけで、一気に加速!
街乗りで使っていた『RAIN』モードはどんだけレスポンスと出力が抑えられてたんだよっ?!って心の中でツッコミたくなるレベルです。
感覚的にはほとんどスーパースポーツ状態・・・
コーナーの立ち上がりで、バイクが寝ている状態からアクセルを開けていく時には、それなりの緊張感だって伴います。
ただ、それでもスーパースポーツとは違うと思うのは、基本的にCB1000Rがストリートを走る前提でセットアップされているんだなと感じられるところでした。
きちんと前後タイヤ、特にフロントの接地感が確かにある。そして車体の動きがシビアすぎない。
その2点に助けられて、なんとか心が折れることなく走ることができます。とはいえ、ちょっとギリギリだけど(笑)
はっきり言って『SPORT』モード、けっこう手強い?!っていうかめちゃくちゃ速い!
CB1300シリーズにあるような、重厚に、乗り手を優しく包むような感覚とは大きく異なります。
CBR1000RR-RやCBR600RRのようなスーパースポーツを除外するとしたら、ホンダの現行バイクラインアップの中で最も鋭いキャラクターかもしれません。
完全に戦闘モード状態!?
正直、普通のライダーが適度にエキサイティングさを味わいつつ走るなら、ライディングモードは『STANDARD』で十分じゃないかと。
整った路面でフロント荷重を積極的に作って飛び込めるコーナーなら、進入はかなりのレベルになりますし、そこから加速していく時も『STANDARD』でパワー不足なんてまるで感じません。ていうか、自称・中級ライダーの私(北岡)としては、そのほうがむしろ楽しいと思えるレベルです。
公道走行にアジャストされているとはいえ、素性はスーパースポーツ譲りの145馬力。その凄まじさを思い知ることになりました。
街と峠で『CB1000R』は別のバイク
それと同時に、最新の電子制御ってやっぱりスゴいな、と痛感。
【前編】でお伝えしている通り、CB1000Rは街乗りだって気軽にできる大型バイクなんです。その感想は『SPORT』モードの鋭さを知った今でも変わりません。
ただ、その落差というか、あまりの違いの大きさに驚いた。
同じバイクだと思えない。それほどにCB1000Rは豹変するんです。
だけど、それ以上にすごいのは、それだけの2面性が1台のバイクに完全に同居していること。
エンジンもさることながら、それを可能にしている車体設計の許容範囲の広さには舌を巻くしかありません。懐が深いというか、バイクの在り方に柔軟性があるんです。
ただそれは、スポーツ性と優しさを『両立する』というよりも『電子制御で入れ替える』という感覚のほうが近いと思う。
街での優しいCB1000Rも、峠の鋭いCB1000Rも、どちらも本物。
ふたつの個性が平行して存在していて『ひとつの枠組み』には収まりきらない。それがCB1000Rだと思います!
【文/北岡博樹(外部ライター)】
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