吹け上がりが軽い!? 新型『X-ADV』はホンダらしいスポーツバイクに!【ホンダの道は一日にして成らず 第10回/Honda X-ADV(2021)中編】

最先端の装備を得て先進性や高級感を手に入れた上で、エンジン最高出力のアップや車体の見直しなど全面進化を遂げた新型X-ADV。その走りは一体どう変わった?

【前編】からの続きです

新型『X-ADV』の走りは、従来型と大きく違う性質に!?

スタイリングの基本シルエットこそ従来型を踏襲しているけれど、醸し出す雰囲気や性能面で大きく進化した2021年型のX-ADV。

そうなると気になるのは、やっぱり『走り』ですよね。

従来型の時点で、X-ADVはオートマチックのバイクとは思えないほどにコーナリングが鋭いバイクだったので、余計にそこが気になる……

で、先に結論から言ってしまいますけど、新型の走りは従来型とは全然違います。

性質、もしくは毛色が根本的に違う、と言ったほうがいいかもしれません。

従来型『X-ADV』の走りは?

※写真は2020年モデルの従来型X-ADV

従来型のX-ADVは745ccの直列2気筒エンジンが力強いトルクを発揮して、路面を蹴飛ばすように加速するバイクでした。

はっきり言って、十分すぎるほどにエキサイティング。スロットルを開ける楽しさがたっぷり。

だけど!

新型X-ADVで走った後には、ちょっと感想が変わりました……

新型『X-ADV』は高回転が気持ちいい!

新型X-ADVはエンジンの吹け上がりが、従来型に比べて断然スムーズで、鋭い!?

ちょっとこう……伝えるのが難しいんですが、従来型が2気筒エンジンらしく路面を蹴り飛ばすような加速だとしたら、新型は『シュワーンッ!』と滑らかに、軽やかに回転が上昇していくんです。

もちろん2気筒らしさは新型にも残っていますが、誤解を恐れずに言えば、すこし4気筒エンジンのフィーリングに近いものがあるかもしれません。

高回転まで回す快感が強い。低~中速域のトルクを使って走る感覚だった従来型とはまるで違います。

それに合わせて、ライダー側の走らせ方もちょっと変わってくる印象。

従来型はコーナーの進入でグゥゥ~ッと寝かせて、しっかり減速してから加速に移るような走り方だったのに対し、新型X-ADVは高回転の伸びを有効に使うため、従来型よりも早い段階からスロットルを開けていく走りをしたくなる。

X-ADVはアドベンチャースタイルでオートマチックですけど、新型となって『スポーツバイクとしての純度が上がった』と感じるんです。

これには新設計されたフレームも大きく関与しているものと思われます。

新型X-ADVはコーナーの進入でスルリと違和感なく車体がバンクをはじめてくれる。だから速やかに加速体勢に移っていける。

さらに、電子制御スロットル化により扱いやすさの増したフラットトルクなパワー特性もあって、スロットルを開けていきやすいんです。

その結果として、加速している時間の長い新型は、従来型よりも確実に、速い!?

ホンダらしいスポーツマインドを新型『X-ADV』は手に入れた

この走りから強烈に感じたのは『あ、これホンダのスポーツバイクだ!』っていう感覚でした。

ホンダらしさが増した、と言ったほうが的確かもしれません。

例えば、CB400シリーズには『ホンダのスポーツバイク感』が濃厚に凝縮されていますが、そこに近いようなフィーリングを新型X-ADVの中に感じるんです。

X-ADVのエンジンはツーリングバイクとして人気の高い『NC750X』に搭載されているものと基本的には同じです。

そして従来型の走りは、エキサイティングにチューンされたとは言ってもNC750Xの延長線上にあるものでした。

だけど新型は、そこを超えてきた。

NC750Xの延長線上ではなく、純粋に『ホンダのスポーツ』として成長しているんです。

バイクで唯一のオートマチックDCT機構を搭載し、個性と快適さを併せ持った上で、アドベンチャースタイルを身にまとうX-ADV。

今回のフルモデルチェンジで、その走りはどう変わったのか?

それに対して私は『新型は前より断然、ホンダらしい走りをするバイクになったよ!』って答えたいと思います。

ちょっと漠然としててわかりにくいですか?

でも、そう言うのがいちばんしっくりくる。それが新型X-ADVなんですよ!

【文/北岡博樹(外部ライター)】

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