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加速が全然違う!ダッシュ力が更にアップした『ディオ110』の走行性能を新旧モデルで徹底チェック!【原付二種で楽しむホンダのバイク! 第4回/Honda Dio110(2021) 後編】

エンジンやフレームまで新設計されたDio110(ディオ110)は、価格帯を維持したまま中身が大幅にフルモデルチェンジされました。では、肝心の乗り味はどう変わった?

価格帯を維持したまま性能を大幅アップさせたことを賞賛したい

2021年3月にフルモデルチェンジされた新型Dio110は、価格帯を維持したまま利便性能を中心に大幅にリニューアルされました。

筆者の私(岩瀬)も旧Dio110(2020年モデル)を愛用している一人です。

原付二種スクーターの利便性は、使えば使うほど便利な乗り物で、乗れば乗るほど手放せなくなってきます。

正直、私物の2020年モデルでも、なんら不満がないのですが、今回のモデルチェンジには正直驚かされることばかりです。

特に、見た目以上に利便性がアップしているので、同じシリーズのマシンなのに別のモデルのような便利さがありました。

では、肝心の走行性能はどんなふうに変わったのでしょうか?

ポジションに大きな変化はないのに乗りやすさを感じる

Dio110(2021年モデル)■シート高:760mm(ライダー身長:172cm)

Dio110(2020年モデル)■シート高:750mm(ライダー身長:172cm)

ライディングポジションに大きな変化はありません。

仮に目をつぶって跨ったとしたら、新旧どちらか分からないほどポジションは同じと言っていいくらい。

スペック上ではシート高が1cmだけ高くなっているけれど、これは乗り比べたら分かる程度で、ポジションや足つき性に大差はなく感じます。

見た目だけでは分からない部分として、大きく違うのは「シートの硬さ」です。

Dio110(2021年モデル)

新型の方がシートそのものがやや硬めになっていて「しっかり感」と言う意味での程よい座り心地。

特に、キツめのコーナーなどで、重心だけわずかにイン側へ体重移動したいとき、お尻で入力しやすくなった感じです。

もう少し正確に言うと、シートにコシがあるおかげで身体の重心位置が掴みやすいんです。

Dio110(2020年モデル)

対して2020年モデルは、長時間乗っていてもお尻が痛くならないくらい柔らかめのシートで、柔軟性がある感じ。

Uターンに近いくらいのコーナリングで、スクーターポジションでのリーンウィズをするとなると、シートやフレームのしなやかさが感じられます。

スクーターで身体を積極的に使ってスポーツライディングするようなケースは少ないかもしれませんが、個人的には新型の少し固めのシートの方が好みでした。

これはライダーの好みによって意見が分かれるところでしょうけれど、もし仮に同じライダーがこの新旧2台のコーナリングスピードを測ったとしたら、新型の方が速いのではないかと思います。

Dio110(2021年モデル)ボア×ストローク:47.0mm×63.1mm

エンジンも大幅にリニューアルされました。

これはボア×ストロークの違いなどによる差ですが、旧型の排気量は108cc、新型の排気量は109ccとややアップしています。

対して、2020年モデルは最高出力が9.0PS/7500rpmですが、2021年モデルは8.7PS/7500rpmとわずかに最高出力が抑えられています。

Dio110(2020年モデル)ボア×ストローク:50.0mm×55.1mm

しかし、実際に乗り比べてみるとパワーが下がっているようなことは全く感じられず、低中速ではむしろダッシュ力が上がっている。

これは車体が4kgも軽くなったのと、ロングストローク化の影響が大きいのでしょう。

日常での常用域に重点を置き、圧縮比が9.5から10.0に高められ、シリンダー内の1発1発の爆発はむしろ力強く感じます。

圧縮比を高めてロングストローク化。新型Dio110はダッシュに優れる!

原付二種クラス上限の125ccではなく、軽量な空冷4ストローク単気筒110ccの新型エンジンを搭載したDio110。

筆者の私(岩瀬)が所有する2020年モデルのDio110は、他の125ccスクーターに比べて、ややパワーが劣るように感じるケースもあったりしました。

当然、125ccのスクーターと比べたら、排気量は単純計算でも15cc違いますから当たり前です。

「110ccだから仕方ないか…」とか、「あともうちょっとだけパワーが欲しいなぁ」と言う想いが、正直あったのですが、新型Dio110にはそう感じることがほとんどない。

新旧のDio110を乗り比べて、個人的に一番変わったと思っているのが、スタートの「ダッシュ力」。

例えば、信号などで停まっている状態からスロットルを開けていく時。

2020年モデルなら、CVTのエンジンらしく「ブォォー」とゆっくり加速しはじめて徐々にトルクがついてくる感じでした。

もちろん、これはラフなスロットル操作をしたとしても急発進しないように設定されているからなのですが、それを加味してもやや力不足を感じてしまうことがあります。

ざっくり言うと、ワンテンポ遅れて駆動輪にパワーが伝わり始めるイメージ。

でも、新型Dio110はそのワンテンポ遅れる感じがキレイになくなっているんです。

スロットル操作に対してリニアに駆動輪にパワーが伝わり、低速からトルクでグイグイ車体を押し出していくのが分かります。

そこから一般道の法定速度60km/hくらいまで淀みなく加速してくれます。実は新旧モデルのスペック上の最高出力と最大トルクを見比べるまで、パワーが上がったのかと思っていたくらい。

コーナーリングは車体が4kgも軽くなったのが、かなり効いているのが分かります。

前後14インチの大径ホイールによって、まるで自転車に乗っているかのようなクイックで軽快な走りができます。

良く効くフロントディスクブレーキと、リアのコンビブレーキの影響も大きいでしょう。

時速60km/hから20〜30km/hくらいまで一気に落としても、良く動いてくれるストロークの長い前後サスペンションと、剛性感のあるフレームのおかげで安定感が高いので、安心してブレーキングもできます。

特に低速走行はまるで自転車を扱っているように軽く、自由自在な動きが軽々とできてしまいます。

Dioシリーズは長い間、ホンダのシティコミューターとして熟成されて来ただけあって、日常での使い勝手が徹底的に研究されているように感じました。

エントリーモデルとは思えない原付二種スクーターの新スタンダード

ホンダの原付二種スクーターはこれからも進化を続けていくと思いますが、今回のフルモデルチェンジで、ホンダの原付二種スクーターのエントリーモデルは大幅にレベルが上がったように思います。

新型Dio110……このトータルパッケージなのに価格を大幅に上げることなく、最大限にリニューアルされたことに賞賛したいと思います!

【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】

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