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レーシング女子岡崎静夏がじっくり乗ってみました!【CB1300SF SP 30周年記念モデル編】人生初の新車購入はCB! 思い切って踏み出しました

人生はタイミングと勢いだ! CB1300を自腹購入した岡崎さん、現役アスリートらしい葛藤やドキドキの納車を経て、CBライフを満喫しています。

【テスター:岡崎静夏】 チャーミングな笑顔でも中身はスパルタンな「バイクフリーク」。’09~’10年、MFJレディースロードレースで2年連続王者に。全日本はGP-MONOを経て’12年からJ-GP3に参戦中。

飾り物には絶対しない 徹底的に走りますよ!

ずっと前から大好きだった、CB。「いつかレースを引退したら買いたいなぁ……」と、夢見ていました。

最初は「400がいいな」と思っていたんですが、一応はレーシングライダーをやらせてもらっている自分。生意気にも「もうちょっとパワーに余裕があってもいいかな……」なんて。

正直、400でも扱い切れるわけではありません。自分の感覚では、モンキー125以上のバイクを扱い切れた試しがない……(苦笑)。

でも、CB1300に試乗させていただいた時に、「コレだ!」と思ってしまったわけです。根がテキトーなもので、「何とかなるかな」と。

さらに、SPの存在感に後押しされまくります。だって、前後オーリンズ製サスペンションにブレンボ製のブレーキキャリパーですよ! レースをやってる身としては、こちらの操作に対してリニアに反応してくれるオーリンズとブレンボの素晴らしさはよ〜く分かっているんです。

SPを知ってしまったことで、自分は丸目ネイキッド命なので、「本命はCB1300SFのSPだ!」と完全に確定しました。そして「レースを引退したら絶対買うぞ!」と心に誓ったところにドーンと登場したのが、30周年記念モデルでした。

フレームの色はカッコいいし、SPだし、何の縁か自分と同い年だし、これはもう、レーシングライダー現役のうちでも買うしかないかな、と。

まわりに相談しても、なぜか誰も私を止めません。これはもう、行くしかない! でもお金がない!(笑)

と、頭を抱えていたら、ありがたいことに親戚式出世払いローンという神のようなお申し出が……。飛びつくしかありませんでした。CB1300SF SP 30周年記念モデル、購入させていただきました!

もちろん人生最大の買い物です。今までは、お金というお金をほぼ全部レースに回すのが自分の常識だったので、我ながら信じられない思いです。

でも、こういうのってタイミングがありますよね? いい波が来た時には乗った方がいい!……ですよね?

200万円近いお買い物だなんて、清水の舞台よりはるか上空から飛び降りるスカイダイビングですが、思い切って踏み出そうかな、と。

まわりはみんな「いいね」「買っちゃいなよ」と賛成してくれたものの、自分としては「本当に現役のうちに買っちゃってもいいのかな」という葛藤はありました。でも、「現役だからこそのメリットもありそうだぞ」と思い至ったんです。

私は常日ごろから「レースやサーキットの素晴らしさを多くの人に知ってもらいたい」と思っています。もしかしたら、CB1300でツーリングに行って知り合った人に、現役レーシングライダーということで興味を持ってもらえるかもしれません。そんな人がひとりでもサーキットに足を運んでくれたら、もう元が取れたようなものですよ(笑)。

でも、自分の信念として、「どうせ借り物だろ」「街乗りはしないんだろ」なんて思われるのもイヤ。やっぱり現役のうちに自分で所有した方がいい!

そんな風にして状況が整い、心が決まっていたんです。まあ実際は、発表されるやかなり前のめり気味に速攻で注文してまして、昨年12月24日、ホンダドリーム沼津さんにて無事納車と相成りましたけど。

今まではヤフオクで「これ動くかな」みたいな中古車を買って練習に使うのが精一杯だった自分が、ついに初めての新車です! しかもホンダドリームで買い物させてもらうなんて、本当に信じられません。

人生の時間とお金のほとんどをレースに費やしてきた身からすると、ホンダドリームは高級ブランドショップだし、そこで買い物する人は「貴族」。シャネルとかヴィトンをたくさん持っていそうで、自分とは無縁の遠い世界だと思っていました。

まったく知らなかった新車購入にあたっての書類の準備や手続きを経て、ホンダドリーム沼津さんでCB1300のカギを受け取った時は、大人の階段を5〜6歩駆け上ったような気分でしたね……。

ショップスタッフの方にひと通りの説明を聞き、キーを差し込み、セルボタンを押し、キュルルッ、ボン! エンジンがかかった瞬間のカッコよさと感動は、きっと忘れません。

走り出して、最初の信号待ちでブレーキをかけます。イイ。発進します。イイ、イイ! ちょっと駐輪して眺めます。イイ、イイ、イイ!「やっぱりCBはいいな〜」と、改めて思います。

でも自分は、CB1300を飾り物にするつもりは一切ありません。自分の技量では持て余しますが、徹底的に走らせるつもりです。

CBオーナーの皆さん、そしてあらゆるバイク乗りの皆さん。ぜひ仲間に入れてくださいね!

CBの名にふさわしい快適さと便利さ

高速移動をグッと楽にしてくれる装備。フィーリングも自然で1度使うとやめられなくなります。

こちらも手放せない快適装備です。5段階で温度調整できるので、冬以外でも活用できますよ。

SPのシートには専用の表皮が装備され、リアルステッチも専用のもの。質感も座り心地も抜群。

シート下に5V3AのUSB-TypeCソケットが1ポート装備されています。スマホの充電に便利すぎ。

●まとめ:高橋 剛 ●写真:楠堂亜希

※当記事は(株)内外出版社ヤングマシン掲載記事(2023年4月号)の内容を編集・再構成したものです

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