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バイクの写真を本気で撮る!カメラマンに聞いた一眼とiPhoneで撮るコツ【夜撮編】

バイクでどこかに出かけた際に、良い景色をバックに愛車の写真を撮影するのはライダーならよくあることだと思います。
この企画ではバイクの写真を本気で撮るため、プロのカメラマンさんに撮影のコツを教えてもらいます。

今回は撮影には不向きと言われている夜の撮影です!

夜は“光をどう活かすか”が重要


今回は横浜のパーキングエリア、大黒ふ頭で撮ってみることに。
夜は暗く光が少ないため、撮影には不向きと言われていますが、最近のiPhoneはナイトモードが付いていたり、一眼もセッティング次第で夜の雰囲気を撮ることができます

太陽が出ている日中は太陽が基準となり、光の当たり方も角度も強さも太陽次第ですが、逆に太陽が沈んだ夜は街頭や車のライトだったり、様々な光があります
夜撮のコツはこの光をどう活かすかが一番重要なところ。

少ない光でも肉眼で光があたっていることを確認できるレベルであれば、iPhoneならナイトモードで露出時間を上げて明るく撮ったり、一眼ならレンズの絞りを開放にしてシャッタースピードを落とすなどすれば肉眼より明るく撮れる場合もあります。

街の光を活かす撮り方もあれば、ライトを使って光を作り出すのも有効手段です。

ネットで写真撮影用のLEDは数千円〜数万円とピンきりで販売されていて、バイクの場合持ち運びがあるので大きさは限られますが、意外と安価で手に入れることができるアイテムです。

後述しますが、LEDライトを使えば自ら光を作れて強さや角度を調整することができるため、これも自然光とはまた違った世界観を写真の中で演出することができます。

光の活かし方を考えて夜撮ならではのドラマチックな写真を撮りましょう。

大黒ふ頭は夜でも車やバイクが集まってミーティングしていたり、撮影していることも多いサービスエリアなので、撮る際は車が来たらすぐ移動できる位置にいるようにしたり、車が通る道ではなく駐車スペースに置いて撮るなど、周りの迷惑にならないようモラルを守って上で撮影しましょう。

ライトはカメラのストロボを使っても良いのですが、強い光でピカピカ目立つため、こういった場所では常に発光しているLEDのほうが周りの迷惑にならず撮りやすいのでおすすめです。

 

教えてもらったのはこの人!


今回撮影テクニックを教えてもらうのはバイクや車の撮影を手掛けるプロカメラマンの安井宏充さん
自身も無類のバイク好きで、現在は広告、雑誌を中心に、車、バイク、ファッションまで幅広い分野で活動されています。

安井カメラマンの写真はインスタグラムでも見ることができます。



今回撮影で使った機材はNikon Z9に35mmと50mmの単焦点レンズを付けたもの。
iPhoneは3つのレンズが付いた13Pro MAXです。

iPhoneで撮るコツ

 

最初に説明しておくとiPhoneで撮る場合、カメラのセッティングは必要ありません
iPhoneが状況に応じて一番良いセッティングを出してくれるので、明るい場所よりも被写体への光の当たり方と、構図を意識して撮影しましょう

iPhoneを逆さまに持って地面から煽って撮ると、手前の地面の部分はボケ、写したくないものをバイクで隠せるので、構図が整ったかっこいい写真を撮ることができました。

大黒ふ頭のように上にジャンクションが通っていて絵になる場所では広角レンズを使って撮るのもおすすめです。
広角の場合バイクが小さくなってしまうデメリットはありますが、場所を活かすという意味では迫力ある写真を撮ることができます。

またカメラを動かしながらシャッターをボタンを押すと、光だけが動かした方向に流れるという少し不思議な撮り方もできます。

 

ライトを使うとiPhoneでも大きく変わる

まずはiPhoneのフラッシュを基に光の当たり方を説明していきます。
写真は左がフラッシュを使ったバージョン、右が使っていないバージョンです。

iPhoneならどちらでもある程度撮れてしまうんですが、フラッシュを使うとカメラの位置から被写体に向けて光るため、バイクの立体感や陰影が消えてしまっているのがわかると思います。

カメラと同じ位置から光を当てると被写体の陰影が消えてしまうため、写真にも違和感を感じます。
ライトを使う際も同じでカメラと同じ向きから当てるのではなく、自分が見ているのとは別の方向から光を当てることで自然な陰影が生まれ、被写体により深みが出てきます

また他の光が入らない場所でライトを使ってバイクに寄った写真を取る際にもライトが作った陰影を活かした写真を撮ることができます。

ポートレートモードでは自動で望遠レンズになるため、こういった写真を撮る際にも有効です。

一眼で撮るコツ

一眼カメラで夜暗い場所で撮影する場合は、まず絞りを開放すること
f値1.4など低い数値に設定することで光が入りやすくなります。

次にシャッタースピードを低くしてより光を多く取り込むこと。
単焦点30mm前後のレンズなら1/30が無難ですが、プロは1/13まで手ブレせずに撮れるんだとか!
それは撮影スキルの問題になってしまいますが、三脚を使ったりカメラを動かないところに置いてシャッタースピードをもっと遅くして撮るというのも手段の一つです。
※ISO感度を過度に上げると荒れが目立ってしまうため、500〜800あたりがおすすめです。

同じ構図で撮ってみても一眼は奥側を微妙にボカすことができ、色もはっきり出ているためiPhoneよりも迫力ある写真に仕上がりました。

ですが iPhone以上に一眼は夜撮が難しいので、バリエーションが限られるというのはあると思います。

 

ライトで影や逆光を作ることも


LEDライトを使えば本来暗くて映らないセッティングでも光が当たっているところは映るようになるので、印象的な写真を撮ることができます。

絞りを開放すればするほどピントが合ってるところ以外はボケやすくなるため、一眼ならではのボケ感の写真を撮ることも。

逆にライトをカメラの真正面に置いてバイクで隠し、逆光気味の写真を撮ることもできます。
逆光気味に撮ると光が強い部分の周りにハレーションという白くボヤける現象が起こり、これもまた味のある写真を撮ることのできる一つの要素です。

 

まとめ

今回は安全にバイクを置けて様々なバリエーションが撮れることからパーキングエリアを選びましたが、夜は日中では撮れなかった場所でも撮ることができたりするので、夜ツーの際にはおすすめの楽しみ方です。(もちろん、交通ルールを守り、周囲への配慮も忘れずに)

一番手軽なのでiPhoneかカメラだけ持っていくことですが、LEDライトがあれば普通では撮れない写真が撮れるのはもちろん、普通なら写らない暗い場所でも写すことができるため、撮影のバリエーションが格段に広がります
ただし、どんな場所でも周囲に迷惑がかからないようモラルを守った上で撮影しましょう。

夜バイクで出かけた際は休憩先や写真映えしそうな場所で愛車のかっこいい写真を撮ってみてください!

【文/佐藤快(外部ライター)】

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