カーブでバイクを寝かせるのが怖い…。上手くバンクさせられない…。
そんな風に感じるあなた、もしかしたら自分で思っているより「ニーグリップ」が弱いのかも?
楽しくバイクを操るためにも自分のニーグリップを再確認してみましょう!
バイクを寝かせるのが怖い!
みなさんご存知の通り、バイクはクルマと違ってハンドルだけでなく車体を「バンク(=寝かせる)」させて曲がる乗物です。
ですから、バイクが「走る・曲がる・止まる」を正常に行うためにはどうしてもバイクを「寝かせる」瞬間が発生します。
でも、バイクの運転に不安を感じる人の中には、この「寝かせる」のが怖い&苦手と思ってしまっている方もいるかもしれません。
しかし、これを克服すればバイクがより楽しい乗り物と思えるようになるハズ!
今回ご紹介する内容で「バイクを寝かせる」ことがちょっと怖くなくなるかも?
なんで怖いと感じるの? → バンク中に身体が安定していないから!
では、なぜバイクを寝かせるのが怖いと感じるのか?
これに関しては人それぞれ感覚が違うので絶対とは言い切れませんが、ひとつの要因としてバンク中はライダーの「身体」やバイクの「車体」が安定していないということが挙げられます。
コーナリング中に身体の下で車体が安定しない状態だと、ちょっとした路面の凹凸やふらつきで「バイクが倒れてしまうのではないか?」「カーブを曲がり切れないかも!?」という恐怖に襲われます。
一般公道の路面は整備されているといっても道路の継ぎ目やマンホールなど、たくさんの要因によりギャップが多く存在します。
ただでさえ不安定ともいえるコーナリング中にそんなギャップを踏んだりしたら、身体と車体が安定しない状態で怖さを感じるのは当然なんです。
そこで大事になるのが、バイクが寝ている間も車体と身体をしっかり安定させ「人馬一体」を意識することです!
そして、そのために重要になってくるのが「ニーグリップ」なのです!
ちゃんとできてる? きちんとした「ニーグリップ」で世界が変わる!
「ニーグリップ」。
教習所でも教わるため、バイクに乗っている方なら多くの方が耳にしたことがある単語だと思います。両ひざでタンクを挟みこむ行為ですが、これが車体と身体を安定させる上でとても大切になってきます。
「そんなのいつもやってるよ~」という方でバイクを寝かせるのが怖い方は、もしかしたら自分で思っている以上に適切なニーグリップができていないのかもしれません。
例えば、バイクに乗り始めて間もないライダーさんにタンデムライディングで後ろに乗ってもらう際に「普段、自分のバイクに乗る感じでしっかり私の腰をニーグリップしてください」とお願いすると、だいたい挟む力が足りていません。
もしくは、はじめはニーグリップをしていても、だんだんと力が抜けてきてしまっているケースが多いです。
力いっぱいタンクを挟めば良い、というワケでもありませんが、身体とバイクをしっかり固定するためには「ある程度以上の力」でガソリンタンクを押さえる必要があります。
コレといった指標を定めるのは難しいのですが、閉じた状態の自分の膝を、自分の手で広げられないくらいの力加減で挟めていればOKです。
なので、バイクを寝かせることが怖いと感じるライダーさんは、試しに意識的に(いつもの3倍くらいの力で)タンクをギュッ! と挟み込むようにニーグリップして乗ってみてください。
たったそれだけのことなんですが、多くの場合はタンクを膝で挟む力が足りていない。意外とできていないんです。でも、きちんとできるとコーナリング中、見違えるように車体と身体が一体になったような安心感を体感できるはずです!
はじめは内股がとても疲れるかもしれませんが、それくらいの意識で乗ることがおすすめ。慣れてくると適度な力の抜き方、押さえ量が自然に身についてきます。
自然にニーグリップを行うコツのひとつとしては「走行中はつま先を開かず、まっすぐ車体前方へ向ける」のがおすすめです。意識としては、少しつま先を内側に向けているつもり……くらいの感覚でもいいかもしれません。
つま先が開いてしまっていると、自然と膝も開いてしまうので、まずはつま先をしっかり閉じることを意識してみましょう。
また、バンクへの怖さ対策だけでなく「ニーグリップ」をしっかりすると下半身だけでバイクをホールドできるため、自然に上半身から力を抜くことができます。肩や手、背中にかかる負担を大きく軽減することができますし、バイクが持つコーナリング性能を正しく引き出すことができます。もちろんツーリングが今より快適になるというメリットも得られます!
「ニーグリップ」を意識して楽しくバイクを操ろう!
今回、バイクを寝かせることへのひとつの不安対策として「ニーグリップ」を紹介しましたが、乗っている間ずっとガソリンタンクを全力で挟み込んでいたのでは、さすがに最後まで体力が体力が保てません(汗)。
ですから、はじめは「いつも」でなくてもいいのです。
街角やワインディングなど「バイクを寝かせることが怖い」と感じるポイントで、普段より強く意識してニーグリップをしてみてください。そこで運転中の感覚に何かしらの「変化」が感じられるようでしたら、まずはそれが第一歩!
もしかしたら、今までと違った視点で「バイクを操る楽しさ」が見えてくるかもしれませんよ?
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【文:石神邦比古(外部ライター)】