バイクは買って終わりの乗り物ではなく、乗って楽しむものです。
走行距離が短くても長くても、バイクは走った分だけ劣化していくため定期的なメンテナンスが必要になります。
今回はホンダの新車を購入から50日以内の方が車両購入店で無料で受けることのできる1ヶ月点検は何をしてくれるのか、受けておいたほうがお得なサービスなので内容をご紹介します!
どんなバイクが受けられるサービス?
1ヶ月点検、もしくは初回点検と呼ばれているこのサービスですが、ホンダの新車をHonda二輪車正規取扱店で購入(登録または届出)してから50日以内の方なら無償で受けることのできるサービスです。
※有効期間内に走行距離が1,000kmを超える場合は1,000km時点で点検。
詳しくは車両購入したHonda二輪車正規取扱店にお問い合わせください。
1ヶ月点検は法的に必要な整備ではないため、受けないことで罰則を受けたりすることはありません。
ですが費用は基本無料でホンダ車のプロが定めた1ヶ月点検で見ておきたい項目をチェックしてくれるので、デメリットはなく、むしろメリットしかありません!
今回取材したのはこのお店!(Honda Dream ふかや花園)
今回取材させてもらったのは、Honda Dreamふかや花園。
関越自動車道の花園インターを秩父方面へ降りてすぐの場所にある、埼玉県深谷市にあるホンダドリームです。
店長から営業、メカニックまでバイク好きが揃っていて、その人それぞれに合った充実したバイクライフを提案してくれるお店です。
店舗奥に構えるサービスピットは4台のリフトを装備し、充実の広さ。
取材時も常時4〜5台のバイクが入れ替わりメンテナンスされていました。
【 ホンダドリームふかや花園 】
住所:〒369-1245 埼玉県深谷市荒川135-2
電話番号:048-598-3819
営業時間:10:30〜18:00
定休日:毎週水曜日、一週目と最終週を除く火曜日
Webサイト:ホンダドリームふかや花園
点検項目はココ!
1ヶ月点検で見てくれる点検項目は写真のとおり。
基本的にはエンジン、クラッチ周り、チェーン周り、ブレーキ周り、ホイール周りなど無料とは思えないくらい各部しっかり見てくれます。
車両購入(登録・届出)してから50日以内なので相当走り込まなければ慣らしが終わってここから本格的に乗り始めよう、という方が多いタイミングだと思います。
消耗品のオイルやパッドなどは交換の必要があれば実費にはなりますが、まずは交換が必要かどうかチェックしていきます。
エンジン点検
まずはエンジンから点検スタート。
エンジンをかけてアイドリングの回転数が正常かどうかチェックし、スタンドを掛けた状態でタイヤを空転させ、各部が正常に動くかどうかチェックしていきます。
エンジンの吹け上がり異常や異音などが無いか入念に確認します。
エンジンチェックが終わったら次はリフトでバイクを上げ、各部をライトで照らして細かく点検。
ライトで照らすだけではなく、リフトを使わないと見れない目線からカウルの奥までプロが見て確認してくれるので安心です。
燃料漏れ、オイル漏れなどが無いか細かく見ていきます。
同時にオイルの量や汚れ具合、クーラントが足りているかどうかなども確認。
50日以内、1,000km以下なら過度に減っていたり汚れていたりすることはほぼ無いそうですが、最初に自分でオイル交換した場合などは各部を分解しているので、改めて量の確認をしたら足りていなかったり、ネジの締め付けが甘かったりする場合があるため、プロによるチェックが重要でした。
動力伝達装置点検
動力伝達装置とはエンジンが生み出した動力を伝達して路面に伝えるまでの中間部分のこと。
クラッチも伝達装置の一つで、クラッチが切れるか、適正な遊び量になっているかなどをチェックします。
1ヶ月点検でよくあるのがレバーの遊び量が増えすぎていたり、極端に少なくなってしまっていること。
適正な遊び量に調整し直すと同時にオーナーさんに相談してより適正な位置に調整することもあるんだとか。
もう一つはエンジンとホイールをつなぐチェーン。
新品から走ると徐々にチェーンが伸びるため、適正な張りに調整し直す必要があります。
極端に汚れている場合はクリーナーを使って掃除し、動きを良くする場合も。
またスプロケット(歯車)側が減っていることがあるので減りすぎていないかも確認します。
ブレーキ周り点検
ブレーキ周りこそ、プロの整備が重要な部分です。
まずはしっかり動作しているかの確認とパッド、ローターの減り具合をチェック。
各部取り付けネジの緩みがないかも確認していきます。
全く同じ状態に整備されてから乗り出した車両でも、運転の仕方によって消耗品関係の減り具合は大きく変わります。
例えばフロントの状態は良くてもリアのブレーキパッドが極端に減っていたり、その逆の場合も。
車両の状態を見て整備した上でオーナーさんへメカニックからアドバイスをしたり、相談に乗ることもあるそうです。
ブレーキフルードが前後それぞれ足りているかもチェックしてくれます。
ブレーキ周りは重要保安部品なのでプロによる安心のクオリティでの整備はより重要になってくる部分です。
ホイール点検
ホイールに歪みがないか、タイヤが減りすぎていないかも点検していきます。
今回のCB125Rはキャストホイールのため振れのみの確認でしたが、スポークホイールの場合はスポークが緩んでいる場合があるので、この点も同時にチェックしていきます。
ひと通り問題がなければ最後に空気圧チェック。
適正圧に調整していきますが、稀にかなり圧が低くなっている場合もあるんだとか。
ガソリンスタンドなどでも自分で調整できる部分ですが、一度合わせても気温や気圧などで内圧が変化していくため、1ヶ月点検を気にチェックしておきたい部分です。
プロにお願いする意味のある点検
1ヶ月点検の点検項目は以上です。
今回の点検では、チェック項目は基本に基づきつつ、メカニックが気になると思った項目に含まれていない部分もチェックしています。
例えば今回エンジンを始動した際にセルの音を聞いてバッテリーが弱ってそうな音がしたため、テスターを付けてチェックしました。
結果交換するほど問題はありませんでしたが、これはホンダ車に詳しいメカニックじゃないと気づかなかった部分です。
実際僕もこのCB125Rに整備する前に乗りましたが、問題なく始動できていたので問題がある箇所は乗っただけでは全くわかりませんでした。
それを触って点検していくのがまさにプロの感覚で、ホンダ車を長年触って整備してきた経験を生かして点検項目以外の部分も予測を含めて問題がないかどうかチェックしていました。
また、バイクを1ヶ月点検に出すと、自分のバイクを整備してくれたメカニックスタッフとコミュニケーションを取ることで、バイクの仕組みや状態についてアドバイスが貰えるというメリットも。
1ヶ月点検とだけ聞くと定番ポイントを見てくれるだけ、と思いがちですが、実はプロにお願いするメリットがギュッと詰まった点検なんです。
対象の方でまだ受けていない方は是非一度受けてみてください!
注)点検整備はお客様の責任において履行されるべきのものです。消耗品、油脂液類などの補充・交換は有料となります。また、法令に違反する改造、レース等による酷使など車両状態によっては無料点検・保証を受けられない場合があります。詳しくは、車両購入販売店へお問い合わせください。
【文/佐藤快(外部ライター)】