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【車両の魅力を深掘り】扱いやすさが光るオールラウンダー『CBR400R』|4気筒時代からE-Clutchまで400㏄ CBRの系譜をたどる【前編】

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400㏄フルカウルスポーツモデルのCBR400Rは、ワインディングでのスポーツ走行だけでなく、街乗りからロングツーリングまで幅広く楽しめるオールラウンダーです。その2026年モデルでHonda E-Clutchが搭載されました。発進、変速、停止時にクラッチレバー操作を必要としないため、ベテランはもちろん、ビギナーでも安心して走り出しやすいのが魅力です。

本記事では、CBR400Rの魅力を前編と後編に分けて紹介します。まず前編では、1980年代の並列4気筒400㏄エンジンを搭載するCBRから、2013年以降の並列2気筒400㏄エンジンを搭載するCBR400Rまで、400㏄“CBR”の歩みを振り返ります。

400㏄“CBR”の歴史を振り返る(1983〜2000年)

“CBR”の名が初めて与えられた400㏄モデルは、1983年に登場したCBR400Fでした。このCBR400Fに搭載されたエンジンは、空冷4ストロークDOHC並列4気筒。エンジン回転数に応じて、高回転域では4バルブ、低・中回転域では2バルブという具合に作動バルブ数が変化する画期的なREV機構を採用していました。

1983_CBR400F

さらに、吸入空気を整流して吸入効率を高めるレゾナンス・チャンバーや、排気効率と静粛性の両立を図った4→2→1→2の排気システムを採用。これにより、最高出力58PS/12,300rpm、最大トルク3.6kg-m/11,000rpmという、当時の400ccクラスにおいて高性能を実現していました。

車体まわりにも、スポーツモデルらしい装備が与えられていました。軽量・高剛性を追求した新設計の角型断面パイプを用いたダブルクレードルフレームや、軽量・高剛性のNSコムスターホイールを採用。さらに、フロントダブル・リヤシングルのディスクブレーキには、デュアルピストンキャリパーも採用されていました。

1984_CBR400F ENDURANCE

また、よりコンパクトになったTRAC(ブレーキトルク応答型アンチダイブ機構)、φ35㎜フロントフォーク、路面追従性に優れたプロリンク・リヤサスペンションなど、高性能スポーツバイクにふさわしい充実した装備が与えられていました。その後、ハーフカウルを装着したCBR400Fエンデュランスや、フルカウルを装備した特別仕様車も追加されています。

1986_CBR400R

1986年には、近未来なフォルムのフルカウルをまとったCBR400Rへと進化します。エンジンは新設計の水冷4ストロークDOHC並列4気筒となり、アルミ製ツインチューブ・ダイヤモンド式フレーム、アルミホイール、アルミスイングアームを組み合わせることで、よりスポーティな走りを楽しめるマシンになりました。

1987_CBR400RR

そして1987年には、当時のレーサーレプリカブームを象徴するモデルの1台となるCBR400RRが登場します。CBR400RRは熟成を重ねながら、2000年まで生産されました。
1990_CBR400RR

400㏄“CBR”の歴史を振り返る(2013〜2026)

1990年代後半、400㏄クラスから“CBR”の名を冠したモデルは姿を消します。しかし2013年、その名が復活します。それが、現在へと続くCBR400Rです。このモデルの背景にあったのが、グローバル市場を見据えて開発された500㏄シリーズの存在です。欧州では2012年11月のミラノショーで、基本コンポーネントを共有しながら、CBR500R、CB500F、CB500Xという3つのキャラクターを持つモデルとして発表されました。そのうち、フルカウルスポーツであるCBR500Rを日本の免許制度に合わせ、排気量399㏄としたモデルがCBR400Rです。
2013_CBR400R
CBR400Rの特徴は、CBRシリーズらしいフルカウルスタイルと扱いやすさを両立していた点にあります。デザインキーワードには「Super Sports DNA」が掲げられ、CBR1000RRの流れを感じさせるシャープなデュアルヘッドライトやフルカウルが採用されました。

エンジンは、低・中回転域から高回転域までスムーズで扱いやすい出力特性になっており、車体も日常域での扱いやすさを意識したパッケージに仕上げられていました。単にスポーツ走行だけをねらったモデルではなく、街乗りからツーリングまで幅広いシーンに対応する400㏄スポーツとして、ビギナーからベテランまで受け入れやすい存在となったのです。
2016_CBR400R
その後、2016年にCBR400Rは大幅なモデルチェンジを受け、よりスポーティで扱いやすいモデルへと進化しました。スタイリングコンセプトは「AGGRESSIVE SPEED SHAPE」。新設計のLEDデュアルヘッドライトやLEDテールランプを採用し、CBRシリーズらしい鋭くスピード感のあるスタイルがより洗練されました。

一方で、見た目だけでなく乗りやすさも向上しています。低・中回転域から扱いやすい399㏄並列2気筒エンジンはそのままに、シフト操作のフィーリングを改善し、市街地でもよりスムーズに走れるように進化。さらに、スクリーンやカウルには導風経路やダクトを設け、高速走行やツーリング時の疲れを軽減する工夫も盛り込まれました。フロントサスペンションの調整機構、5段階調整式ブレーキレバー、16L燃料タンクなど、使い勝手を高める装備も充実していました。
2021_CBR400R
2019年には外観を一新し、走りや装備の熟成を図るマイナーチェンジを受けました。開発キーワードは「より刺激的に、より自由自在に」。直線的でスピード感のあるフルカウルを採用し、よりスポーティな印象を強めています。

エンジンは吸気系の見直しやバルブタイミング、リフト量の最適化により、低・中回転域のトルクを向上。またエキゾスートパイプおよびマフラーの構造も一部変更することで、力強い加速を楽しめる特性となりました。さらにアシストスリッパークラッチを新たに採用し、クラッチ操作を軽くするとともに、急なシフトダウン時の後輪の挙動を穏やかにすることで、より安心感のある走りに貢献しています。

足まわりでは、分離加圧式リヤサスペンションを採用し、路面追従性を向上。前後ウインカーのLED化、ギヤポジションが表示されるようになった新設計LCDメーター、ギヤポジションインジケーター、エマージェンシーストップシグナルなど、装備面も充実しました。
2024_CBR400R
2021年には、足まわりとブレーキ性能を中心にマイナーチェンジを受け、より安心感のあるスポーツモデルへと進化しました。大きな変更点は、フロントフォークにSHOWA製SFF-BP(セパレート・ファンクション・フロントフォーク・ビッグピストン)を採用したことです。路面の凹凸にしなやかに追従し、上質な乗り心地と安定したハンドリングに貢献しました。

さらに、フロントブレーキはダブルディスク化され、制動時の安心感を向上。ラジアルマウントキャリパーも採用され、スポーツ走行時にも扱いやすいブレーキ性能を獲得しました。また、スイングアームの剛性最適化やフロントホイールの軽量化により、前輪の接地感と旋回性も高められています。

2024年には、外観の刷新と電子装備の充実を中心にマイナーチェンジをしました。開発コンセプトは「Modern Racing Art」。新形状のカウル、ヘッドライト、テールランプを採用し、よりスピード感のあるスタイルに進化しています。左右のミドルカウルにはダクトを設け、その内側にウイングレットを配置することで、レーシングマシンを思わせる精悍な印象を強めました。

装備面では、滑りやすい路面で後輪の空転を抑えるHondaセレクタブルトルクコントロール(HSTC)を新たに搭載。さらに、5インチフルカラーTFTメーターを採用し、走行情報をより見やすく表示できるようになりました。スマートフォン連携機能のHonda RoadSyncも標準装備し、別売りのヘッドセットを使えば、音声入力による音楽再生やナビゲーションなどの操作も可能です。

そして2026年には、Honda E-Clutchを搭載したCBR400R E-Clutchが登場しました。Honda E-Clutchは、発進、変速、停止といった駆動力が変化する場面で、クラッチレバー操作を必要としないシステムです。ライダーはシフトペダルの操作に集中でき、発進時や停止時の不安を軽減できます。また、ライダーがクラッチレバーを操作すれば、従来どおり手動でクラッチコントロールを行なうことも可能です。

CBR400Rは、扱いやすさとオールラウンドな魅力を大切にしながら、時代に合わせて走行性能、快適性、安全性、電子装備を着実に進化させてきました。1980年代の4気筒400㏄スポーツからスタートした“CBR”の名は、現在のCBR400Rにおいて、より身近で楽しみやすい400㏄フルカウルスポーツとして受け継がれているのです。

2026年モデル CBR400R E-Clutchのディーテル

 

 

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【文:吉田 朋(外部スタッフ)・写真:関野 温(外部スタッフ)】

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