なぜツーリングバイクにレースから生み出されたV4エンジンを搭載した? 今回はそこから端を発した訳ですが、実はこのエンジンが『素晴らしく従順』であることが判明。そうとわかって思うことは……
ハードな旅ほどバイクの『性能』がモノを言う
【中編】からの続きです
ツーリングっていうのは、気候の良い春や秋の晴れた日だったら、何もかもが幸せに感じられます。
けれど、それだけじゃないのが『風を切って走る』バイクツーリングの宿命。予想を裏切る悪天候に直面することや、気温の急変も珍しいことではありません。それが真夏や真冬ともなれば、いっそ過酷と言えるようなシチュエーションになることだってあるのは、バイクが好きな皆様であればご存じのことでしょう。
そしてそういう時、最後に頼れるのは相棒となる『バイクの性能』でしかありません。
仮に『自分は最高のタイミングの時しかバイクには乗らない』という人であれば、ぶっちゃけVFR800Xは必要ないと思います(笑)
でも、ツーリングが大好きでいつだってガンガン走りたい! とか、見たことのない彼方まで走っていきたい!と考える人にとっては、VFR800Xはとても優秀なパートナーになってくれる。
【中編】でお話したような抜群の快適性やライダーファーストの従順さは、整った環境下では、正直あまり恩恵を感じることはないんです。
ところが一転して過酷な状況に陥ると、平和な環境では『そこまで必要ない』と思えるレベルの高い快適性がモノを言う。
快適さの幅というか、快適さの安全マージンというか……バイク側の『ライダーを守る力が強い』ほど、過酷な環境でも走り続けることができるって訳です。
その『余力』がVFR800Xはたっぷり取られています。特に、オンロードの旅ではそうです。
アスファルト上ではホンダのバイクの中でも最上級クラス
ホンダのバイクラインアップは豊富で、ツーリングに限定しても、いろんなバイクがあります。
全ての道を乗り越えていく性能ならアフリカツイン(CRF1100L Africa Twin)シリーズが優れているし、高速道路を果てしなく走るならゴールドウイング(Gold Wing)だってある。
だけど、そんな強豪がひしめく中でVFR800Xにもアドバンテージがきっちりあります。
前後17インチのホイールを採用しているだけあって、ハンドリングは秀逸。重量もあるけど重すぎ&大きすぎで扱えないと嘆くほどじゃないし、それらは走るための安定感にも変換されています。もちろん100馬力オーバーのパワーは、長距離移動でやっぱり余裕になる。
アフリカツインにも、ゴールドウイングにも、NC750Xにも真似できないバランスの良さ。それがVFR800Xにはあるんです。
それでも、ひょっとしたらVFR800Xに対して『個性が弱い』と感じる人もいるかもしれません。
だけどツーリングのエキスパートにとっては話が違う。
どんなシチュエーションに陥っても、そこがアスファルトの上であれば走っていける。旅のツールとして信頼することができる。
フルカウルスポーツのVFR800Fの記事において私(北岡)は『職人気質のエンジン』を持ったバイクだと書きましたけど、本質としてはアドベンチャースタイルの『VFR800X』になっても変わっていません。
言うなればVFR800Xは『プロのツーリング・アシスタント』のようなバイクです。
あくまで主役はライダーにあり。その意志と目標を支える旅のプロアシ。
俺にまかせろ!ってキャラじゃなく、どこまでも黒子のように控え目に。
ここまで躾の行き届いたサポート型の旅バイクって、実はかなり貴重なんじゃないでしょうか!?
【文/北岡博樹(外部ライター)】
よろしければ【前編】や【中編】もお読みくださいね!
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