ホンダの『V型4気筒エンジン』はレースで積み上げてきた栄光の軌跡そのものでもあります。だけど……そのエンジンを、アドベンチャースタイルのバイクに搭載しちゃったら、レースの歴史も何も無くなっちゃうんじゃないですか!?
ツーリングバイクに『V4』を搭載する意味ってあるの?
ホンダにとって『V4エンジン』っていうのは、特別な存在です。レースの栄光そのものだと言ってもいい。
だから、V4エンジンを搭載した『VFR800F』っていうフルカウルのスポーツバイクが存在する理由はわかります。そして実際に乗ってみて、VFR800Fというバイクの奥の深さにも触れることができました。
【VFR800F】の記事はこちらです
だけど、そのエンジンをアドベンチャースタイルのツーリングバイクに搭載しちゃったら……それは『レースの栄光』から思いっきり遠ざかるのでは?
正直、ホンダのバイクラインアップの中で最も謎めいた存在なのが、今回のターゲットになる『VFR800X』っていうバイクです。
『VFR800X』と『NC750X』はキャラが被り気味?
しかもVFR800Xはホンダの『クロスオーバーコンセプト』に基づくバイクで、アドベンチャースタイルの快適さに前後17インチのホイールを組み合わせたオンロードバイクになります。
立ち位置としては『NC750X』にかなり近い部分がある。排気量だって実のところ36ccしか差がありません。
だけどVFR800Xは自慢の強心臓V4エンジンで最高出力107馬力。それに対してNC750X(2020モデル)は最高出力58馬力。なんと約50馬力もの差があります。
じゃあ、NC750Xは『のんびりツアラー』で、VFR800Xは『快速ツアラー』っていうこと?
それも間違いではないのですが、今回乗ってみてわかったのは、VFR800Xは単純にパワーのためにV4エンジンを搭載している訳じゃないっていうことでした。
端的に結論を言ってしまうと『本気のロングツーリングのため』にVFR800Xっていうバイクは存在するんだと思います。
VFR800Xはツーリング・エキスパートの要求に応えるバイク
これは日本だけじゃなくて欧米も含めてのグローバルな話ですが、世の中には1日で1000kmレベルの距離を走っちゃうような達人級の旅ライダーも存在します。
そういう猛者たちがバイクに求めるもの。それがVFR800Xには備わっていると感じるんです。
高いウインドプロテクション性能と、快適な乗り心地は大前提。だけどフワフワで頼りない足まわりじゃ逆に疲れちゃうから、サスペンションにもきちんとした節度を求めるし、それを活かすためにはフレーム&スイングアームによる根本的な車体剛性も重要になる。
それらの案件を、余すことなく満たしているのが『VFR800X』の車体構成だと思います。
そして、その『ロングツーリング適性』をまるごと底上げするのが、V4エンジンの存在なんです。
じゃあその、V4ならではの特性はツーリングにどう作用するのか?
実際問題として感じたこと。それを続編でお伝えしてみたいと思います!
【文/北岡博樹(外部ライター)】
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