バイクに乗るのが楽しい季節がやってきました! そこで今回はツーリングに出発する前にココだけはチェックしたい「4ヶ所」が簡単に覚えられる『ブタと燃料』について解説します。
ツーリングの出発前にココだけは必ずチェックしよう!
現代のバイクは高性能化が進み、マシントラブルも滅多なことがなければ起こらいほど信頼性や耐久性が向上しています。
しかしながら、ツーリング先で起こりうるトラブルには、実は「ヒューマンエラー」と呼ばれる人的なチェックミスで起こってしまうことが少なからずあるのは否めません。
確かに、ツーリングへ出発する前などは、身支度や準備などで何かと慌ただしいと思いますので、定期点検のように細かくチェックしている時間がなかなかとれないと思います。
だけど、そんな時でもココだけはチェックしたい「4つの項目」を、合言葉や呪文のように覚えやすくしたのが【ブタと燃料】なんです。
【ブ】ブレーキ
ブタと燃料の「ブ」は「ブレーキの“ブ”」です。
エンジンを停止したまま車体を前後に押し引きしつつブレーキレバーを握ってみて、ブレーキが問題なく効いているかを確認します。
現在、主流となっているディスクブレーキは「ディスクローター」と呼ばれる回転する“円盤状のプレート”を、ブレーキキャリパーの中に組み込まれた「ブレーキパッド」で挟むことで車両を停止したり速度をコントロールしています。
このディスクローターとブレーキパットも、摩擦によって徐々にスリ減っていくので、ブレーキパッドの残量がしっかり残っているかも目視でチェックしておきましょう。
【タ】タイヤ
ブタと燃料の「タ」は「タイヤの“タ”」です。
タイヤの状態をチェックするのは「劣化具合」と「空気圧」の2つです。
タイヤ表面の状態をしっかりと目で見て、極端にタイヤの溝が無くなっていたり、タイヤ表面がひび割れを起こしていたりしないかを確認します。
また、タイヤの中の空気は何もしていなくても“徐々に抜けてしまうもの”だと思っておきましょう。
エアゲージで測ってみて、空気圧がそのバイクに定められている規定値よりも下がっていたら、タイヤの空気を充填します。
タイヤの状態はバイクの「走行性能」に大きく影響しますし、ランニングコストが抑えられる「燃費性能」にも関わってきます。ですのでツーリングに出発する前などはタイヤの状態はきちんとチェックする習慣をつけるようにしたいところ。バイクに詳しい人ほど、きちんとチェックするのが「タイヤの状態」だと思っていてください。
【と】灯火類
ブタと燃料の「と」は「灯火類の“と”」です。
灯火類とは「ヘッドライト」や「ウインカー」「テールランプ」など、電装系の保安部品のことです。
ヘッドライトはロービーム、ハイビームがしっかり点灯し、切り替えられるか、ウインカーは前後ともに左右のライトが正常に機能しているかをチェックします。
バイクのヘッドライトは平成10年4月から「常時点灯が義務化」され、走行中に点灯していないと整備不良の罰則を受ける可能性もありますので注意しましょう。
次にバイクの電源をオンにしてテールランプがしっかり点灯しているか、ブレーキを握って「ストップ(ブレーキ)ランプ」が点灯するかもチェックします。
テールランプは後方にいる後続車などにバイクとライダーの存在を知らせ、安全な走行をサポートしてくれる非常に重要なパーツであるだけではなく、走行中に点灯していないと整備不良の罰則を受ける可能性もありますのでしっかりチェックしましょう。
ちなみに、スピードメーターやタコメーターなどのメーターパネルのライトが点かない場合も整備不良違反の対象になりますので、そちらも忘れずに。
【燃料】ガソリン残量
ブタと燃料の“燃料”は、そのまま「燃料(ガソリン)」のことです。
これは単純に出発前に、いま燃料タンクに入っているガソリンの残量をチェックします。
たったそれだけ?と思うかもしれませんが、ツーリング先で起こるうっかりミスの上位こそが「ガス欠」なのですから、あなどってはいけません。ヒューマンエラーの代表格です。
フューエルランプ付きのバイクでも車両によっては走り出してからしばらくしないと正しいガソリン残量を示してくれない場合もあります。タンクキャップを開けて目視で残量をチェックし、半分以下に減っているようならガソリンを給油してからツーリングへ向かうようにしたほうが安全です。
以上の4つの項目になります。
どうです? これくらいなら忙しい出発前にもチェックできそうですよね!
出発までに時間があれば、他にもバッテリーやドライブチェーンの状態などもチェックしておくと完璧です。
トラブルは起こってしまってからでは後の祭り。特に重要なこれらの4箇所は忙しい出発前でもしっかりチェックして、快適なツーリングを楽しんでくださいね!
【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】